8月20日(火) 天気=曇り後雨
水晶小屋~鷲羽岳~双六小屋~鏡平山荘
05:25水晶小屋→ 05:55ワリモ北分岐→ 06:17ワリモ岳→ 06:50~07:00鷲羽岳→ 07:46~08:00三俣山荘→ 08:45三俣蓮華岳下分岐→ 10:03双六岳下分岐→ 10:20~26双六小屋→ 11:27~35弓折乗越分岐→ 12:10鏡平山荘
早朝5時半頃に水晶小屋を出発する。辺りは白い霧に覆われ、チョット一突きすれば雨が降り始めそうな天気だ。歩き始めると道沿いに、雷鳥のカップルと遭遇する。視界の効かぬこんな天気の方が、天敵の眼を逃れて彼らにとって安全なんだろう。
出会った雷鳥
ワリモ乗越への降り
小屋からワリモ乗越まで降り、池塘の横を通ってワリモ岳へ登り返す。途中で道が左右に分岐する。右は雲の平方面への道で、我々は左へ曲がってワリモ岳へ向かう。
乗越からワリモ岳分岐への道
ワリモ北分岐
分岐から急登の道となりジグザグを繰返して登って行くと、ワリモ岳(2888m)の山頂直下に達した。登山道から数分登ってワリモ岳山頂までピストンしたが、山頂標識らしきものは見当たらなかった。
ワリモ岳への登り
ワリモ岳最高地点
ワリモ岳から岩っぽい道を少し降って、鞍部から急坂をしばらく登ると、やがて鷲羽岳(2924m)に到着した。流石に百名山だけあって、こちらの山頂には立派な山頂標識が立っていた。
ワリモ岳のトラバース地点
鷲羽岳山頂
周囲を白いガスが覆い何の展望も無いので、10分程の休憩で山頂を後にする。三俣山荘まで標高差400mの降りは、視界が効かぬせいもあってヤケに長く感じられた。
鷲羽岳から三俣山荘への降り
鷲羽岳から45分程で、広々とした尾根の鞍部に建つ三俣山荘へ降り着いた。三俣山荘は評判の良い山小屋で、昨日ここまで来ていたら快適な一夜を過ごせただろうと思えば一寸残念だ。
三俣山荘
山荘に着いた頃から満を持していたように、雨が降り始めそれは瞬く間に強い本降りとなった。雨具を着込んで早々に双六小屋へ向け出発する。山荘から三俣蓮華岳へは雨風に打たれながらの登りとなった。
三俣蓮華岳への登り(道が小川になっている。)
天気が良ければ三俣蓮華岳から稜線伝いに双六岳を経由して歩くつもりだったが、この天気で稜線歩きは困難なので、山腹の巻き道を進んで行く。晴れていれば美しい高山植物の群落を愛でながらの楽しい道程だが、そんな余裕は無く足を止める事も休憩する事もできず、ひたすら雨風に耐えながら進むしかない。
双六小屋への道
ウンザリしながら歩いて行くと、やっと双六岳直下の分岐が見えホッと安堵する。分岐から10分程降れば双六池の畔に建つ双六小屋で、小屋の中へ入って身体を休める。
双六岳下の分岐
眼下に双六小屋が見えた。
双六小屋
相変わらず雨風強く、此処で泊りたい気分もあったが時間はまだ10時過ぎだ。妻に訊ねると「明日の事を考えて鏡平山荘まで行こうよ。」と力強い言葉が返ってきたので、先へ進む事にした。
小屋から向かい風に逆らいながら双六池の横を通り、白い霧に覆われた登山道を進んで行く。やがて笠ヶ岳へ向かう尾根に達すると、雨風が弱まってきた感じがする。二人とも靴底は水浸し状態で、気持ち悪いけれど我慢して歩き続けるしかない。
鏡平山荘へ向かう登山道
双六小屋から約1時間で弓折乗越へ着いた。此処を直進すれば笠ヶ岳への道で、我々は左に曲って鏡平山荘への下山道に入る。この道は人気コースのせいか、こんな天気でも登山者が次々と登って来る。
弓折乗越
乗越からよく整備された道を30分余降ると、霧に覆われた池塘に着き、その畔に建つ鏡平山荘へ到着した。ここは何年か前にも泊ったが、設備が充実して従業員の応接も良くとても快適な山小屋だ。ずぶ濡れの装具を全て乾燥室に干し、乾いた衣服に着替えると天国へ辿り着いたような思いがする。
鏡平山荘
午後になると、朝からの雨も上がりだんだん天気が良くなってきた。山荘近くに佇む鏡池から眺める槍穂高連峰は有名な撮影スポットなので、池まで行ってみると山々に纏わる雲が徐々に剥がれて、槍穂高稜線の鋭い山容が見えてきた。
鏡池から穂高連峰
鏡池から槍ヶ岳(左の尖峰)
夕日に映える槍ヶ岳
夕刻頃の槍穂高連峰
雨風に散々祟られた一日だったので、こんな景色に出会えるとは思いもしなかった。苦労して此処まで来た甲斐があったというものです。40年ぶりの裏銀座コースは天気に恵まれなかったものの、終わり良ければ全て良しです。