9月1日(日)
全国各地に点在する公営のビジターセンターは、概ね見学無料で地域の貴重な情報が得られるので積極的に訪れている。7月に北海道を旅行した時も、知床半島のウトロに在る「知床自然センター」を見学した。
此処は館内に登山用品店や軽食喫茶室を併設する大変立派な施設で、多くのビジターが訪れていた。我々が見学している時に「今から知床の自然に関する説明会が開催されます。」とマイク放送が有り、我々夫婦も参加してみた。
その時我々と一緒に参加したのは、殆どが観光ツアーで訪れた中高年の団体さん十数名程だった。解説してくれたのはセンターの若い女性スタッフで、パワーポイントを駆使しながら知床の成立ちや現状を判り易く語ってくれた。
レクチャーの中で意外だったのは、今は自然豊かな知床半島のウトロ地区も、終戦後の一時期は開拓地となって開墾され、牧場や畑が広がっていたそうだ。しかし酷寒の自然環境に開拓は頓挫して入植の人々は全て去り、ウトロ周辺の自然は荒廃したまま放置されてしまった。
そこで危機感を持った地元行政が中心となって寄付やボランティアを募り、少しづつ自然を復元し世界遺産となった現在の知床の自然を蘇えらせたそうだ。しかし知床の自然は、今だに充分再生されていないのだという。
説明会の最後で女性スタッフが、「もしよろしければ知床の森と自然を再生する運動に賛同して頂き、寄付をお願いできれば幸いです。」と締めくくったが、「寄付」という言葉を聞いた瞬間、同席していた団体ツアーのジジババ共は、潮が引くようにサーッと居なくなってしまった。
キスカ島で完全無血の撤退作戦を成功させた、旧日本軍を思わせる鮮やかな撤収ぶりだ。「お見事」・・・じゃ無いだろ。「何てセコイ奴らだ
」、結局席に残ったのは気の弱い我々夫婦だけであった。
「自然保護」や「動物愛護」何て言葉に殊更弱い妻が、「一口寄付を協力しようよ。」と囁く。「ウ~、5千円あったら黄金色のウニ丼が3杯も食えるのになあ。」何て思いつつ、一生懸命説明してくれた女性スタッフの人にも申し訳なくて、結局「自然再生運動」に我々も一口寄付をする事にした。
そして後日我が家へ送られて来たのが、下記の「募金証書」です。これで我々も知床に無縁では無くなった。アクセス悪い遠隔地なので、そうそう訪ねる訳にはいかないが、これからも暖かく知床の自然を見守っていかねばと思う。
アッそうそう、国への税金は極力払いたくないので、この寄付金は来年の確定申告でしっかり控除申告させてもらいますから、税務署並びに役所財務課の方々、ソコントコ宜しく。
Love 知床 募金証書