1月21日(火)
クリント・イーストウッド監督の最新作、「リチャード・ジュエル」が公開された。彼の映画は実話に基づいたものが多く、今回の映画もアトランタオリンピックで実際に起きた爆弾テロが題材になっている。
映画の主人公、リチャード・ジュエルは何処にでも居そうなチョット太っちょの白人の警備員、正義感に溢れているが愚鈍とも思える融通が利かない性格だ。そんな彼がオリンピックのイベント会場でテロリストが仕掛けた時限爆弾を発見し、爆発による被害を最小限に抑え一躍世間から賞賛を浴び英雄扱いされる。
しかしその後犯人が捕まらぬ中徐々に風向きが変わり、FBIはリチャードを爆弾テロの第一容疑者として捜査を開始する。それが現地の新聞にスクープされてリチャードの評価は一変、彼は犯人扱いされて母と二人で暮らす自宅には大勢のマスコミが押寄せ過熱した取材攻勢を受ける。
窮地に陥ったリチャードは、旧知の弁護士ブライアントに救いの手を求めた。冤罪の善良な一市民を護るべき立場の警察やFBI、マスコミが非人道的に追い詰めていく様が、自由と民主を讃える国での出来事かと憤りを禁じ得ない。
絶体絶命のピンチから、ブライアントの力を借りてリチャードの無罪を勝ち取る戦いが始まっていく。ここら辺の展開が実話を忠実に再現したような迫力で、観客を大いに惹きつける。
フィナーレはもう少しFBIやマスコミの奴らをギャフンと言わせてもらいたかったが、老いてなおクリント・ウッド健在を思わせる見応えのある秀作映画で楽しめました。