帯名山登山に行った時、登山口手前の集落に変った雰囲気の石地蔵を見掛けたので下山後に立ち寄ってみた。案内板によると、この石の地蔵さんは「首地蔵」と呼ばれているようだ。しかしこの姿形、以前何処で見た覚えがある。
山梨市の首地蔵
そうだ2年前の初冬に、信州諏訪大社春宮近くで見物した「万次の石仏」とよく似ているではないか。「万次の石仏」は故岡本太郎画伯が絶賛して世に知られ、今では写真集が出版されるほどの観光名所になっている。
万次の石仏
案内板によると、「首地蔵」の成り立ちは以下のとおり・・・「その昔この地域で土砂崩れがあり、巨石が転がり落ちて来て、子守をしていた「おみよ」という12歳の少女と背負っていた赤子が下敷きになり死んでしまった。
それ以降この巨石の周りでは、少女のすすり泣く声が頻繁に聞かれるようになり、死んだ「おみよ」の祟りではと村人は恐れた。ある時噂を聞いた旅の僧が、供養の為に地蔵の頭を作り巨石の上に載せたところ、それ以来泣き声は収まり、村人は首地蔵を欠かさず供養するようになった。・・話はまだまだ続くが、以下省略」
この首地蔵は鄙びた山里の一隅に祀られ、世に知られる事も無くヒッソリと佇んでいる。もし岡本太郎画伯がご存命で、この首地蔵をご覧になっていたら、必ずや絶賛されたに違いありません。
そうなれば此処も脚光を浴びて観光名所となり、大勢の人が参拝に訪れるだろう。「首地蔵」がそれを望むか否かは分からぬけれど、チョット残念な気もします。興味のある方は甲府盆地を訪れた時にでも、立ち寄ってみてください。
・・「帯名山、山麓祀る首地蔵」・・