平成7年10月8日(日)~10日(火)
山形の朝日連峰は春の残雪期に一度登っただけなので、紅葉の時期にも行ってみたいと思いこの山行を計画した。しかし出発の直前に交通事故を起こして、車が使えなくなってしまった。
山へ登る気分も失せてしまったが、同行する山仲間のE子さんや妻がヤル気充分だったので中止する訳にもいかず、その頃開通して間もない山形新幹線に乗って山形へ向かった。
20数年前の薄い記憶でおぼろげだが、在来線の左沢駅から終点の白滝でバスを降り、林道をしばらく歩きその夜は登山口の朝日鉱泉で宿泊した。翌日、E子さんと我々夫婦の3人は、重い幕営装備を背に鳥原山経由で大朝日岳を目指した。
大朝日岳へ向かう登山道(場所不明)
鳥原山から小朝日岳
登山口から鳥原山までは尾根道のきつい登りだったが、途中金山沢の水場を越えた。鳥原山からは森林限界を越え、雄大な展望が拡がり辛い登りを忘れさせてくれた。急登を終えて小朝日岳の山頂に着くと、大朝日岳の山容が行く手にどっしりと聳えていた。
小朝日岳の登り
小朝日岳から熊越まで急坂を降り、大朝日岳へ続く尾根道を黙々と登る。やがて山頂直下の大朝日小屋に到着し、近くの幕営地にテントを張る。金名水が湧く山上のテント場は、明るい雰囲気で快適な夜を過ごせた。
大朝日小屋
2日目の朝も好天が続き、装備をザックに収めると大朝日岳(1870m)の山頂へ向かう。山頂は360度の展望で北西に朝日連峰の主脈が延々と連なり、その奥に以東岳のゆったりした姿が望め、南には鋭い山容の祝瓶山の姿があった。
大朝日岳山頂
山頂から以東岳方面
山頂から平岩山(手前)祝瓶山(奥の鋭鋒)方面
山頂から小朝日岳方面
山頂から月山方面?
下山時の記憶もおぼろげだが、山頂を後にすると平岩山へと降り、平岩山から左に曲って御影森山と続く緩やかな尾根を降って朝日鉱泉へ降り立った。その日のうちに白滝からバスに乗り山形駅まで戻り、帰りの列車に乗る前に駅近く居酒屋で食べた郷土料理がやけに旨かった事だけはしっかり覚えている。
御影森山へ続く尾根
御影森山山頂
当時は交通事故の件で意気消沈し登山などする気分で無かったが、大朝日岳を登った事で随分気持ちが前向きになれた。その意味では同行してくれたE子さんや妻に感謝々々の思いがある。朝日連峰は標高こそ2千mに届かぬものの、雄大な大自然が残された魅力的な山域であった。元気なうちに又何時か訪れてみたい。