透明な気圏の中から

日々の生活の中で感じたこと、好きな作家についての思いなどを書いてみたいと思います。

イーハトーボの劇列車 

2014-01-11 20:52:42 | 日記

晴れ。最低気温-14.0℃、最高気温-5.4℃。 

1月4日、14:00から16:30まで、NHKEテレで、劇団こまつ座の「イーハトーボの劇列車」が放映されていた。これは2013年11月6日、東京紀伊國屋サザンシアターで公演されたものである。井上ひさし作で、演出は 鵜山仁、出演者は井上芳雄,辻萬長,大和田美帆,木野花,土屋良太,石橋徹郎,小椋毅,松永玲子,田村勝彦,鹿野真央,大久保祥太郎,みのすけの皆さん。

冒頭は大正7(1918)年12月26日夜、青森発上野行き上り急行列車の車中。舞台となるのは、数回に渡り上京する汽車の中と上京した際の滞在先である。そこに登場するのは実在した人物や賢治童話から抜け出してきたような人物たちで、時代の波と共にそれぞれの人生模様が織りあげられていく。「思い残し切符」を印象づけるラストシーン。赤い帽子をかぶった意味ありげな車掌は何者だったのか。井上ひさし氏による賢治の評伝劇である本作品は言葉のキャッチボールにシニカルさがこめられ、笑わせられたり、考えさせられたりと見どころがたくさんあり、2時間半が瞬く間となった。

賢治は実際には九回上京したと考えれていて、岩手に理想郷を見出したといえる作品を多く残している。しかし、文学、音楽、化学、農業、宗教、芸能など多方面にその才能をきらめかせるも、病弱なために夢半ばでこの世を去ることになった。賢治役の井上芳雄は病弱ながら博学、文学肌で夢追い人の賢治を魅力的に演じていて好感がもてた。

                           

                             

                              

 

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