「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

「境界に生きた心子」と心子のお母さん(2)

2005年11月15日 20時54分27秒 | 心子、もろもろ
 ところが原稿の執筆中、心子との共通の友達(「境界に生きた心子」に出てくる「沢ちゃん」)から、お母さんは変わってきたみたいで、心子のことを本に書いても大丈夫ではないか、という情報がありました。
 また時を同じくして、新風舎の編集会議で拙著の企画を拡大することが決まり、発行部数も大幅に増えることになりました。

 本がお母さんの目に触れる可能性も高くなるため、思い切って出版をお母さんに伝えることにし、本名で出すことにしたのでした。
 ただし、本が形になってからのほうが理解してもらいやすい、という企画の人の助言に従って、製本されてからお知らせすることにしました。
 もしも認められなかったとしたら、やはり全てを引き受けるつもりでした。

 そして、ついに本ができ上がり、不安を抱えながらお母さんに送りました。
 どう受け止められるか全く分かりませんでしたが、すぐにお母さんから電話がかかってきて、本のことをとても喜んでくださったのです。

 本当に良かったと、重い肩の荷を下ろした気持ちで安堵したのでした。

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ブログ事始め

2005年11月15日 11時08分35秒 | Weblog

 1週間前から暗中模索でブログを始めました。
 最初のハードルは思いも寄らず低いもので驚きましたが、まだ色々な機能など充分につかめておらず、日々試行中です。

 それにしてもブログの世界の反応の早さにカンドーしています。
 開設して2日後に早くもお気に入りブログに登録してくださる方が出てきて、毎日数十人の人が訪れてくれています。

 他の人の境界性人格障害に関するブログなども読んでいます。
 境界例など心の病を抱えている方は本当に多いのですね。
 そういう方と接している方のブログも多く、ともがらのように感じます。

 これからはこちらからも、他のブログにコメントやトラックバックを付けていきたいと思います。
 だんだんとコミュニケーションが広がっていくことを願っています。

 そして、拙著「境界に生きた心子」が一人でも多くの方に読まれ、心子や境界性人格障害のことを理解し合い、皆さんと語り合っていきたいと思います。
 どうぞよろしくお願いします。m(_ _)m

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まえがき(3)

2005年11月15日 09時47分23秒 | 「境界に生きた心子」

 児童虐待に見られるように、現代は親からの適切な愛情の欠如により、子供の人格形成に様々な支障をきたしている。
 また、人同士の親愛なコミュニケーションが薄れ、急速に変化する情報社会で価値観が混沌とし、中核を失った不安の時代を迎えている。
 そのようななかで、日本人になべて境界例的傾向が高まっているという。
 境界例の人は我々に警鐘を鳴らしている。
 拙著によって境界例に関する理解が促され、互いに少しでも苦労を和らげる一助になればと願うものだ。
 そして、人間にとって愛情がいかに必要なものかということを伝えていきたい。
 心子と共に……。

(本書の登場人物,地名などは、著者名と一部を除き全て仮名である。)

                                  稲本 雅之
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