心子が帰らぬ旅に出る半年前に、こんなメールを受信していたのを見つけた。
心子が僕にきついことを言ったあと、それを泣いて後悔し、謝ってくれて仲直りしたときのものだ。
<私のこと許してくれてありがとう。またすぐ逢えるといいなぁー。お互い一番大切な存在になりたいね>
<あなたと一緒にいて時々想います。このまま、このまま私の心臓が止まって、雅之の心の中で永遠に生きたいと>
<私はなぜ神に創造されたのか、わからないまま生きて、もしかしたら死によってその本当の意味を知り、救われるのかも>
何と暗示的な言葉だろう。
心子の気持ちは常々移ろっているとはいっても、胸にこんな想いがあったのか。
心子は今、自分の生の意味を知っただろうか?
命と引き換えにしなければ、それを知ることができなかったのだろうか?
そして、神の下で救われているだろうか?
僕は信じている。
必ずや、神の御胸に抱かれていると。
(続く)