「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

エピローグ(3)

2005年11月22日 20時51分57秒 | 「境界に生きた心子」

 心子が帰らぬ旅に出る半年前に、こんなメールを受信していたのを見つけた。
 心子が僕にきついことを言ったあと、それを泣いて後悔し、謝ってくれて仲直りしたときのものだ。

 <私のこと許してくれてありがとう。またすぐ逢えるといいなぁー。お互い一番大切な存在になりたいね>
 <あなたと一緒にいて時々想います。このまま、このまま私の心臓が止まって、雅之の心の中で永遠に生きたいと>
 <私はなぜ神に創造されたのか、わからないまま生きて、もしかしたら死によってその本当の意味を知り、救われるのかも>

 何と暗示的な言葉だろう。
 心子の気持ちは常々移ろっているとはいっても、胸にこんな想いがあったのか。
 心子は今、自分の生の意味を知っただろうか? 
 命と引き換えにしなければ、それを知ることができなかったのだろうか? 
 そして、神の下で救われているだろうか? 
 僕は信じている。
 必ずや、神の御胸に抱かれていると。

(続く)

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