「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

心子の命日に思う、今昔(1)

2007年01月24日 20時10分12秒 | 心子、もろもろ
 
( http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44498602.html からの続き)

 心子が旅立って 6年の間に、ボーダーをめぐる環境は 結構変わりました。

 心子と付き合っていた当時は、まだボーダーの文献や情報も 今よりかなり少なく、

 僕自身も 心子との壮絶な日常のなかで 学習をする余裕が

 物理的にも 精神的にもありませんでした。

 ネット環境も貧弱で、もらい物の 古くて遅いパソコンを使い、

 四苦八苦しながら 境界例関係のHPを 閲覧するのが関の山です。

 ましてや ブログやミクシィなどで 同じ立場の人たちと つながることなど、

 夢にも考えられませんでした。

 当時の心子との付き合いは、暗中模索というか 無為無策というか。

 いま心子と接するならば、その後に得た 知識を元に

 また異なった対応を 試みることもできたでしょうし、

 あらたな治療法を 探すこともできたかもしれません。

 ネットで知り合った人たちと 分かち合ったり 情報交換したりしながら、

 協力しあって やっていけただろうと思います。

 それは非常に 力になり、支えにもなったでしょう。

 孤独に苛まれていた心子も 同じ境遇の知り合いができれば、

 随分 気持ちも変化していたかもしれません。

 そうしたら、彼女の人生はどうなっていたでしょう……。

 ほんの数年の差で、大層違った時代に 生きていたことになるのですね。

 そう思うと 本当に口惜しくてなりません。

(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/44557830.html
 
コメント
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