「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

めまぐるしく気分が変わる

2009年10月10日 22時37分27秒 | 「境界性パーソナリティ障害」より
 
(前の記事からの続き)

③ めまぐるしく気分が変わる

 両極端の気分の起伏を  「ムード・スウィング」 といいます。

 変化があまりにも極端で、 同じ自分とは 思えないほどのこともあります。

 ある男性は、 「僕」 と 「私」 という

 二人の自分がいると 表現したそうです。


 BPDには うつ症状がありますが、

 うつ病には 重いタイプと軽いタイプがあります。

 前者は 希死念慮も伴う 「大うつ病」 

 または 「メランコリー型うつ病」 といい、

 従来 「うつ病」 と 言われていたものです。

 しかし近年は、 比較的 軽いうつ状態を繰り返す 「気分変調症」 や、

 攻撃性が見られやすい  「非定型うつ病」 が増えています。

 境界性パーソナリティ障害では 後者の合併が多くあります。

 気分の変動には、 見捨てられ不安を かき立てる状況などの きっかけがあります。

(うつ病は そういうきっかけになる 出来事はありません。)

 境界性パーソナリティ障害と 間違われやすいものに

 「双極性Ⅱ型障害」 があります。

 躁うつ病のひとつで、

 BPDとは 原因も治療も 全く異なるので、 鑑別することが必要です。

〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕


 心子は、 普段は自分のことを  「あたし」 と言いますが、

 怒りを表すときなどは  「私」 と言いました。

 本人は意識していたかどうか 分かりませんが、

 人格が変わっていたのかもしれません。


 BPDの人は 最初うつ病と診断され、 次に双極性Ⅱ型障害と言われ、

 最後に BPDと診断されるケースが 少なくないようです。

 双極性Ⅰ型障害は 従来の躁うつ病のことで、

 双極性Ⅱ型障害は うつ状態と軽い躁状態が 現れるものです。

(次の記事に続く)
 
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