(前の記事からの続き)
③ めまぐるしく気分が変わる
両極端の気分の起伏を 「ムード・スウィング」 といいます。
変化があまりにも極端で、 同じ自分とは 思えないほどのこともあります。
ある男性は、 「僕」 と 「私」 という
二人の自分がいると 表現したそうです。
BPDには うつ症状がありますが、
うつ病には 重いタイプと軽いタイプがあります。
前者は 希死念慮も伴う 「大うつ病」
または 「メランコリー型うつ病」 といい、
従来 「うつ病」 と 言われていたものです。
しかし近年は、 比較的 軽いうつ状態を繰り返す 「気分変調症」 や、
攻撃性が見られやすい 「非定型うつ病」 が増えています。
境界性パーソナリティ障害では 後者の合併が多くあります。
気分の変動には、 見捨てられ不安を かき立てる状況などの きっかけがあります。
(うつ病は そういうきっかけになる 出来事はありません。)
境界性パーソナリティ障害と 間違われやすいものに
「双極性Ⅱ型障害」 があります。
躁うつ病のひとつで、
BPDとは 原因も治療も 全く異なるので、 鑑別することが必要です。
〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
心子は、 普段は自分のことを 「あたし」 と言いますが、
怒りを表すときなどは 「私」 と言いました。
本人は意識していたかどうか 分かりませんが、
人格が変わっていたのかもしれません。
BPDの人は 最初うつ病と診断され、 次に双極性Ⅱ型障害と言われ、
最後に BPDと診断されるケースが 少なくないようです。
双極性Ⅰ型障害は 従来の躁うつ病のことで、
双極性Ⅱ型障害は うつ状態と軽い躁状態が 現れるものです。
(次の記事に続く)