(前の記事からの続き)
⑤ 自殺企図や自傷行為を繰り返す
BPDの人の7割以上が 自傷行為の経験があるといいます。
自殺率は9%とされますが、
重度のケースでは 36%にも上ったという 調査もあります。
自殺関連行動として、 自殺のそぶりや 脅しがあります。
苦しさを分かってほしいという サインだったり、 カタルシス効果や、
自分を罰することで 生きることを許す 取引だったりします。
リストカットやODもありますが、
希死念慮が どこまで切迫しているか 見極めることが必要です。
動揺して過剰反応すると、 自殺企図を エスカレートさせやすい反面、
安易に受け止めていると、 既遂になってしまいかねません。
首をくくったり 飛び下りによる自殺企図は、
切迫度が高く、 完遂される危険が 高まっています。
とにかく本人の苦しみを 分かってあげる必要があります。
〔 「境界性パーソナリティ障害」 岡田尊司 (幻冬舎) より 〕
心子は 正に飛び降りでした。
サインとしての自殺関連行動は、 刃物などで 首や胸を刺すことでした。
命を賭した演技だったと 思われたこともあります。
それは 僕の目の前でだけ 行われましたが、
最後の飛び降りだけは、 誰にも言わずに 黙って逝ったのです。
僕は、彼女の実際の死は 思ってもいなかったというのと、
心のどこかに その予想もあったというのと、
矛盾した気持ちが 正直なところでした。
でも、 心子は あれだけ苦しんだのだから、
これでやっと 苦しみから解放されたのだと、
思わざるを得ないものが 僕にはありました。
(次の記事に続く)