「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

食べこぼしを減らすには

2012年07月01日 22時41分31秒 | 介護帳
 
 ある介護施設で、 食べこぼしを減らす取り組みを 進めています。

 きっかけは、 入所者が食事のときに付けている エプロンです。

 「赤ちゃんの前掛けのよう。

 尊厳を傷つけているのではないか」

 介護職員が 看護師や理学療法士らを交えて、

 エプロンを外すにはどうしたらいいか 話し合いました。

 その結果、 エプロンをする人は 一人もいなくなりました。

 会話や笑顔も増えるので、 家庭でも 食べこぼしを減らすことは大切です。

 まず大事なのは、 食事中の姿勢を安定させること。

 椅子に座ったとき、 足裏が踵まで しっかり床に付くようにします。

 足が浮いていたら、 足元に踏み台などを置きます。

 また、 背もたれや肘掛けと体の間に クッションを挟んで、 体を安定させること。

 正しい姿勢は、 誤嚥のリスクも減らすことにも 繋がります。

 皿と口の距離も 大切です。

 皿を手で持ち上げられなければ、 皿を置く位置を 少し高くします。

 皿と口が近づくと 食べやすくなります。

 このほか、 昼食前に 口の周りや舌を動かす 体操を行ない、

 カラオケや本の音読も 取り入れています。

 声を出せばお腹もすくし、 姿勢の安定に必要な 腹筋も鍛えられます。

 食べ物を口に運ぶまでに 箸やスプーンからこぼしてしまう場合は、

 作業療法士や理学療法士に 相談しましょう。

 食べる姿勢や、 手に麻痺があっても

 持ちやすいスプーンや すくいやすい形状の器などについて 尋ねます。

 口に入れたあとに こぼれる場合は、 歯科医師や言語聴覚士に 相談します。

 食べ物を喉へ送り込む 舌の機能が衰えているなら、

 食べ物を 舌の奥の方に入れるなどの 工夫をするだけで、 効果があります。

 認知症の場合には、 食事中であることを忘れ、

 食べ物を口に入れたまま こぼすことも。

 「続きを食べましょう」 などと 声かけをするといいでしょう。

 食べこぼしが続き、 低栄養で 全身の機能低下にならないためにも、

 周囲の支えが必要です。

〔読売新聞より〕
 
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