イギリスの 「メモリーサービス」 事務所に、
男性 (74才) から電話が入りました。
「自分は認知症かもしれない」
スタッフ2人が 男性宅を訪ね、 物忘れなどの症状や 生活状況を聞き取りました。
専門医を含めた会議で、 初期の認知症と診断。
男性と妻に、 今後の経過や 介護サービスの説明をしました。
発症初期から支援することで、 長く自宅生活ができ、
長期入院などの社会コストも抑えられます。
英国は09年に、 「国家認知症戦略」 を策定、
柱のひとつが 「メモリーサービス」 です。
日本の認知症の新対策は、 この仕組みを参考にしました。
英国には、 増加する認知症を 「国家的危機」 と表明しています。
認知症にかかるコストは、 医療や介護, 働けなる損失も含め、
年に約3億円と試算しました。
アメリカでは 昨年1月の 「国家アルツハイマープロジェクト法」、
オランダ, フランスでも 対策を勧めています。
WHOは、 50年までに 世界で認知症の人は、
今の3倍の 1億1500万人とし、 警鐘を鳴らしました。
一方、 日本は、 認知症の在宅ケアは 不可能に近いと言われます。
有効な対策が乏しいまま、
虐待, 介護殺人, 離職など、 認知症を巡る問題が 後を絶ちません。
65才以上の割合 (高齢化率) が23%と 世界で最も高い日本が、
認知症対策は 欧米に比べて 貧困さが目立ちます。
本来は日本がリードすべきで、 これ以上の遅れは許されません。
〔読売新聞より〕