「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

外来精神療法, 精神力動的精神療法と精神分析

2013年08月05日 20時53分01秒 | 「BPD最新ガイド」より
 
外来精神療法

 治療者と治療同盟を築くのは 根本的な目標です。

 支持的なスタンスは、 患者に治療参加を促し、 治療を継続するために必要です。

 治療関係は、 患者がどのような問題を 抱えているかを教える,

 患者の自己評価を高める, 不安に対処することを援助する 場となります。

精神力動的精神療法と精神分析

 精神力動的/精神分析的アプローチでは、

 意識的・無意識的なパターンに 焦点が当てられます。

 転移に取り組んだり、 治療関係そのものを 対人関係のモデルに役立てたりします。

 BPD患者は 長椅子に横たわる方法が 合う人もいれば、 困難な人もいます。

 表出的要素と支持的要素を 組み合わせて行ないます。

 解釈を通して 無意識の葛藤, 思考, 感情を明らかにしていく (表出的な介入)

 のが適切な場合もあれば、

 患者の対応能力を高めていく 支持的アプローチが好ましい場合もあります。

 無意識についての話し合いは 侵襲的なため、

 中には急激に パーソナリティの脆さを 露呈させる人もいます。

 そこでは 支持的で共感的なコミュニケーションによって、

 治療同盟を築いていくのが効果的でしょう。

 患者が表出的な介入に 耐えられるようになるまで、

 相当の期間がかかるかもしれません。

 個々の状態に応じて、 表出的介入と支持的介入を 行ったり来たりしながら

 柔軟に対応することが求められます。

〔 「境界性パーソナリティ障害最新ガイド」 星和書店 (林直樹訳) 〕より
 
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