ボーダーラインを定義し、十分に理解すれば、
どういう状況が BPの最良面や最悪面を引き出すか 予測できるでしょう。
パーソナリティ障害とは、
「その人の属する文化で 期待されているものから 著しく逸脱している、
恒常的な体験や行動のパターン」 というものです。
パーソナリティ障害は 次の基準に合致するものです。
・ 特徴が長期間続いている (数年間)。
・ 行動が激烈である。
・ 行動が広範囲に及ぶ (ほとんどの人間関係か、 少なくとも親しい家族に及ぶ)。
パーソナリティ障害は成人早期に始まり、
対人関係, 自己イメージと気分の不安定性, 衝動性という、
広汎で不安定なパターンです。
DSM-Ⅳの9つの特徴のうち、 5つ以上の特徴を 示すことが必要です。
18才未満の場合は、 ボーダーラインの特徴が 少なくとも1年間続いていて、
物質乱用, 抑うつ, 摂食障害など 一過性の状態として、
的確な説明がつかない場合に 診断される可能性があります。
※ アクション・ステップ4 DSM-Ⅳの基準に当てはまりますか?
正確な診断を下せるのは、 資格と能力のある臨床家だけです。
以下に、 DSM-Ⅳの基準と、 そのBPDの人の例を記します。
ボーダーラインの内側にいるとは どういう感じなのか、 知るのに役立つでしょう。
1. 現実的に あるいは想像の中で、
見捨てられることを避けるための 殺気だった努力
「自分から夫と別れるべきでしたが、 ひとりぼっちになるのが恐ろしくて、
身体的や言葉の虐待の関係に 留まっていたのです。
夫が去って行ったら、 すぐに他の男性と 付き合い始めました。
“親密さ” のかけらが欲しくて、 倒錯的なことをしていました。」
2. 理想化と、 こき下ろしの 両極の間を揺れ動く、
不安定で激しい 対人関係のパターン
「同僚がリーダーになったことに 大変嫉妬しました。
その人が関係した 事実をねじ曲げて、 大袈裟にけなしたのです。
入念に事実ねじ曲げ作戦を 計画実行していました。」
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
(次の記事に続く)