「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

※ アクション・ステップ4 DSM-Ⅳの基準に当てはまりますか? (2)

2015年02月02日 20時38分09秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
3. 自己同一性障害: 自己像 あるいは自己感が、 際立って継続的に不安定
 
 「一連の見せ掛けを装うことで、
 
 私はアイデンティティの欠如を カバーしてきました。
 
 自分は何者かという 永遠の謎に対して、
 
 避けたり逃げたり、 絶望しないように、 じっとしていないようにしました。
 
 アイデンティティの危機という苦悩に、
 
 自分という存在を ゆっくりと破壊することで 解決を図っていたのです。」
 
4. 潜在的に自己を傷つけうる、 少なくとも2つの領域における 衝動性
 
 「当時はすべてかっこいいことだと 思っていました。
 
 酒に酔い、 麻薬でハイになって、 悪さの限りを尽くしました。
 
 親にとって価値のあった 私の一杯の賞状を、 ぐちゃぐちゃにして火をつけました。
 
 後悔と復讐のほろ苦い感覚に 満たされたのです。」
 
5. 自殺的行動, 自殺のそぶり, 自傷行為の繰り返し
 
 「常に死について考えているけれど、 本当は死にたくはありません。
 
 あまりに感情的に苦しいので、
 
 その苦しみを払拭するため 唯一考えられるのが自殺なのです。
 
 どのように自殺しようかと 想像するのです。
 
 死が たったひとつの出口となるのです。

 
 自分はなんて忌まわしい奴なんだ と考えながら、 鋲を腕に刺しました。
 
 愛する人を傷つけるようなことは 嫌いです。
 
 いかに傷つき、 怒っているのか、 私には知るよしもありません。
 
 今は不快な気分のとき、 正体がなくなるまで飲みます。
 
 死ぬよりはましです。」
 
6. 激しい情緒不安定, いらだち, 不安, 激怒, 絶望
 
 「自殺したいと思う日もあり、 誰かを殺したいと 思う日もあります。
 
 何かが自分のコントロールを超えたとき、 非常に欲求不満を感じるのです。
 
 ボーダーラインの感情は 普通の人の感情と行動を、 奇異に誇張したものです。」
 
7. 慢性的な空虚感
 
 「私は 何もない地表にあいている 穴が恐ろしいのです。
 
 かつて 何かがあった場所なのですから。
 
 何がその穴を埋めるのでしょう? 
 
 地獄のような状態, 無の状態を どうやって扱えばいいのでしょうか? 
 
 他に何を 永遠に失うのでしょう?」
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
(次の記事に続く)
 
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