※ 練習3-4-2 感情に対する マインドフルな認識
思考, 感情, 身体的感覚を それぞれ分けて捉えるのに 役立つ第2の練習です。
呼吸に焦点を当て、 4~ 5回ゆっくり深呼吸したら、
今の瞬間 どのような感情を感じるかに 注意を向けます。
単に気分がよいか、 よくないかから始めます。
次に 感情をより詳細に観察し、 感情を最もよく表わす 言葉を見つけましょう。
感情を観察しながら、
感情のニュアンス、 それに織り込まれた他の感情に 注意してください。
例えば、 悲しみには不安, 怒りが交じっていることがあります。
恥には喪失や怒りが 絡み合っていることもあります。
また、 感情の強度に注意し、 変化を調べましょう。
最近抱いた感情で 練習することもできます。
そのときの出来事を視覚化し、
感情を再び感じられるようになるまで 思い起こし続けましょう。
感情の質, 強さ, 種類が変化していくことを 描写し続けましょう。
気持ちを観察しているとき、
思考, 感覚, その他によって 注意がそれてしまっても 普通のことです。
感情に焦点を 当て直すようにしましょう。
感情が増大し、 変化し、 消えるまで見続けましょう。
観察するにつれ、 ふたつの重要な認識ができるでしょう。
ひとつは、 全ての感情には 自然の寿命があるということです。
感情は頂点に達し、 次第に鎮まってきます。
ふたつ目は、 単に自分の感情を描写することで、
ある程度 感情のコントロールが得られるということです。
感情を表現することは、 それらに圧倒されるのを防ぐために、
それを入れる容器を 作るという効果があります。
(次の記事に続く)
〔「弁証法的行動療法 実践トレーニングブック」星和書店
(マシュー・マッケイ,ジェフリー・C・ウッド,ジェフリー・ブラントリー)
訳/遊佐安一郎,荒井まゆみ〕より
[星和書店の許可のうえ掲載]