1960年代の学生運動の中から 連合赤軍が生まれて、
「総括」 と称する 凄まじい連続リンチ殺人が行なわれ、
浅間山荘事件へと発展していく 過程を描いた、若松孝二監督・渾身の作品です。
3時間10分の大作ですが、全く長さを感じることなく、
スクリーンに釘付けになりました。
あの時代に、何故あのような 凄惨な事件が起きたのか、
若者たちは何故 狂気に陥っていったのか、
若松監督は 同じ時代を生きた者として、
何としても 残しておかなければならないという 執念で取り組みました。
浅間山荘事件が起きた当時 テレビ各局は、終日 浅間山荘を放映し続けました。
僕も学校から帰ると、母親が テレビを点けっぱなしにしていたことを 覚えています。
でも僕は 政治や社会的なニュースには まだ余り関心はなく、
事件の背景などは 知りませんでした。
また、京大は 学生運動のメッカでしたが、
僕が入学した頃は その残り火がくすぶっていた感じで、
立て看板やゲバ学生の姿が 垣間見られたくらいでした。
映画では、当時の状況を 時系列で描いていきます。
学費値上げ反対に 端を発した学生運動は、国家権力に対抗し、
三里塚闘争など 農民や労働者と 観念的に結びついて、全国的に拡大していきました。
そんな活動に参加した 学生の一人に、遠山美枝子がいました。
演ずるのは、この映画の主要人物の中で 唯一著名な俳優、坂井真紀です。
彼女は元々 この事件に関心があり、自らオーディションに 飛び込んだのだそうです。
学生たちは各地で 激しい暴動を起こし、
数百人,数千人単位の逮捕者や、不幸な犠牲者までも出してしまいます。
国は 徹底弾圧に躍起になり、「赤軍罪」 という言葉まで使われて、
微罪逮捕で 取り締まりを強化していきました。
よど号ハイジャック事件などを経て、幹部たちは次々と検挙され、または国外逃亡し、
組織は弱体化していきます。
(海外逃亡したメンバーの中に 重信房子がいました。
ここだけの話 (^^;)、心子の本名 (下の名) は 実は彼女と同じです。)
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54217435.html