感情の不安定さ (気分変動) は、BPDの最も際立った 症状のひとつです。
うつ,自己嫌悪,怒り,不安,気分の高揚 などの感情は、
外からの刺激に対して 突然変化します。
他の精神疾患と比べて BPDの気分変動は、
一日のうちに 頻繁に起こり、しかも それが予測できない ということが特徴です。
その違いをはっきりさせるため、「DSM-Ⅳ」 のBPD基準では、
反応性,エピソード的,一過性ということを 強調しています。
心子と僕の場合も そうでしたが、激しい感情の変化に “腫れ物に触るように”
接するため、とてもストレスを感じるものでした。
BPDは他の疾患と 共通点があるので、診断を難しくしています。
BPDが 他の病気の 原因や結果になっていることもあります。
そのため、他の病気の症状を カモフラージュしたり、
BPDの症状が カモフラージュされたりしてしまいます。
BPDを合併しているときは、予後に 良くない影響を与えるので、
BPDを認識しておくことは 重要です。
○BPDとうつ病
BPDに合併する 一番多い疾患は 「うつ」 です。
うつ病の診断のときに、衝動性,怒り,人間関係などを考慮しないと、
BPDが 見落とされるかもしれません。
逆に 言動だけに重きを置くと、うつ病がBPDの陰に 隠されてしまいます。
ふたつの障害は かなり重なり合いますが、違いもあります。
BPDの人は より衝動的で、波乱が大きく不安定です。
うつの人は 強迫的な心配をする人が多く、
自意識が強くて 気分変動はほとんどありません。
対人関係も 長く続く傾向があります。
うつ病の人と比べて BPDの人は、より自己批判的になりがちです。
単独のうつ病の7~8割は 治療が功を奏しますが、
BPDを伴う うつ病は、回復の可能性が 半分になってしまいます。
(続く)
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/54055244.html
〔 参考文献: 「BPDを生きる7つの物語」 (星和書店) 〕