「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

パートナーのもとに留まる場合 (1) -- パートⅤ

2012年05月15日 22時04分44秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 本日から  「パートⅤ 解消の段階」、 最終段階です。

 パートナーとの関係に 取り組む場合、

 精神保健の専門家による治療を、 皆さん自身が受けることが 非常に大切です。

 パートナーのもとに留まるからといって、

 今までと同じ状況のままで ある必要はありません。

 恋愛関係が混乱しても、 平穏を保つことが必要です。

 サポートグループが 生命線となるかもしれません。

 一体何が パートナーの言動を引き起こしているのか、

 不合理な行動の奥に 目を向け、 感情的な根源に迫ります。

 虐待的な言動から 皆さんを守る境界を 設定するうえでも必要です。

 留意すべきは、 ボーダーの人にとって、

 事実よりも感情のほうが 大切だということです。

 現実の状況に取り組む前に、

 パートナーの感情を理解することが コミュニケーションに役立つでしょう。

 皆さんの感情と パートナーの感情を区別することが、境界を保つのに有効です。

 感情的な脅しに対する 手立てのひとつが、 「SOS」 です。

 断ち切り (Stop), 観察 (Observe),

 作戦を立てる (Strategize) というものです。

 ボーダーの人は 相手の 「反応」 を求めています。

 彼らに対して 一切反応せず、 断ち切れば、 関係のパターンが 崩れ始めるのです。

 以下のような言葉を 言ってみてはどうでしょう。

 「今すぐには答えられないわ。 少し考える時間が必要なの」

 「これはとても 重要なことだから、 即断は無理だよ」

 「少しあとで 話し合わないか。 これこれの時間と場所で」

 簡単な時間稼ぎの言葉で、 関係に変化が生まれ始めます。

 約束は余裕を持ってするといいでしょう。

(次の記事に続く)

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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アダルトチルドレンからのアドバイス (8)

2012年05月13日 20時05分41秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
・ エディスの話

 ぜひお子さんに、 ボーダーの親を持つ子供の問題に 詳しいセラピストの

 治療を受けさせてあげてください。

 私が受けた最大の傷は、 誰にも見えない内側にあります。

 それは、 生まれてから最初の1年以内、 愛着過程で始まっているのです。

 ボーダーの親を持つ アダルトチルドレンたちは、

 何かが正しくないということは 分かっていました。

 でも 一体それが何なのか、 全く分からなかったのです。

 彼らは皆、 恐れ, 義務感, 罪悪感という  「霧」 に覆われ、

 すっかり混乱しています。

 彼らは 感情を麻痺させられてしまっています。

 私も 自分が最後に感じた 感情を見つけ出し、

 それが何なのかはっきりするまで、 3年もの間、 仲間の支えが必要でした。

 それは  「羞恥心」 と呼ばれるものでした。

 ボーダーの母の羞恥心, 非難に関連したもので、

 母はそれを 私に投影していたのです。

 ボーダーの人の子供たちは、

 普通とは 一体どのようなものなのかを 分かっていません。

 そのため ボーダーの親の 口汚い言葉を鵜呑みにするか、 拒否するか、

 どちらかのようです。

 人を虐待する権利など 誰にもない、

 今ようやく、 私たちはそのことを知ったのです。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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アダルトチルドレンからのアドバイス (7)

2012年05月12日 19時59分12秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
・ ロンダの話

 両親は離婚するつもりでした。

 ボーダーの母は私に、 お前は誰と住むつもりなのか 決めなさいって言ったんです。

 私は分かっていたんです、 母と暮らしたくないということは。

 でも 分かっていたんです、 父と暮らしたいと 言ってはいけないんだということも。

 そんなことを言ったら、 母はボロボロになってしまうと。

 私は  「親の役割を背負わされた子供」 でした。

 もし 母と一緒に暮らさなかったら、 罪悪感に駆られていたでしょう。

 でも 一緒に暮らしたら、 生き延びられないだろうということも 分かっていました。

 私は、 まだ子供だから決められません、

 お父さんとお母さんが決めてください と伝えました。

 両親は別れませんでした。

 私は、 母が父と 一緒に暮らせるようにすることで、

 母の不幸な人生の 責任をとったのです。

 私が言いたいのは、 子供というのは、

 ボーダーの親の望み通りに 考えるようになってしまうということです。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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アダルトチルドレンからのアドバイス (6)

2012年05月11日 20時19分16秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
・ イーザーの話

 私の父は、 母のボーダーの行動に 全く気付いていませんでした。

 父と母は離婚し、 母のもとに 私と姉を置き去りにしました。

 「私がひどいから、 母は私のことを愛してくれないんだ」

 そういう声が 私に中に組み込まれてしまっているんです。

 それを克服するのが どれほど大変か、

 それを考えると、 もう生きることをやめたくなってしまいます。

 私は今でも 感情のジェットコースターに 乗っているようなものです。

 出口を探して 激しく揺れ動いています。

 私は今、 充分なお金も、 家も仕事もあります。

 でも子供はいません。

 私には 親になることは無理なんです。

 どうしたら親になれるのか、 一度も教えてもらったことがないからです。

 私は このダメージの克服に努めながら、 残りの人生を生きていくでしょう。

 自分は愛されているのか、 人のことを試していくと思います。

 私の心の底には、 今でもあの子がいるんです。

 私が一度も手にすることができなかった、 無条件の愛を 探し続けている子供です。

 もう私には遅すぎます。

 でも ボーダーの親を持つ 他の子供たちには 出口を見つけてほしい、

 それに間に合ってほしい、 そう願っているんです。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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アダルトチルドレンからのアドバイス (5)

2012年05月10日 19時34分44秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

 大人になった私は、 自分を愛してくれる人を見つけようと 死に物狂いになりました。

 でも 私が選んだ相手は、 私のことを 全く相手にしない人でした。

 そうすることで、 母との関係を 何度も再現していたんです。

 そんな私も、 徐々に自分のことを 好きになってきました。

 私のことを見捨てたりしない人たちと 友情関係を持つまでになりました。

 大抵の人は、 相手を愛していることを表すために、

 お前は完璧じゃないなどと 怒鳴りつけはしないのですね。

 私は母から 急速に離れていきました。

 良い母とも 悪い母ともです。

 あれは単に 成長の一環だったのかもしれません。

 大人になるにつれて、 母がBPDであるとはどういうことなのか、

 同情できるようになりました。

 でも 私の中に組み込まれてしまったものは 消えていません。

 夫が声を荒らげると、 例えほんのちょっとでも、

 彼はもう 私のことを愛していないんだと 思い込んでしまうのです。

 いつか彼が目を覚まし、 悪い夫に変わってしまうんじゃないかと 心配になります。

 現実に戻れば、 私自身、 どうして彼の愛を疑ったのか 理解できないんです。

 それでもやっぱり、 彼のことを 何度も試してしまうんです。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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アダルトチルドレンからのアドバイス (4)

2012年05月09日 18時35分45秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
・ ケリーの話

 母は 私の才能を励ましてくれたし、 愛していると言ってくれました。

 でも BPDの性質が現れると、 状況は一転しました。

 突然、  「良い」 母が、 地獄の魔女に変わってしまうんです。

 私は愛されるに値しない、 そう教える 恐ろしい神だったのです。

 私は母に 次のような手紙を書きました。

 でも送ることはありませんでした。

 「私は この人生を通じてずっと、 お母さんのことを恐れてきました。

 いつ爆発するか分からない、 お母さんの激しい怒りのせいです。

 私は二人の親のもとで 育ったようなものです。

 良い母親と 悪い母親です。

 良い母は とても理解があって、 慈しんでくれる人でした。

 でも 悪い母親が現れると、

 良い母親がしてくれたことは 全て一掃されてしまいました。

 私が 家族をメチャメチャにしている 張本人なんかじゃない、

 そう自分に 言い聞かせようとしました。

 それでも私は 母の言うことを信じてしまったんです。

 私はどうしようもない人間、 私は自分を無力に感じ、 恐れました。

 ママはあなたのことを愛しているわ、 良い母はそう言いました。

 そして悪い母は、 お前はなんて酷い人間なんだ と言いました。

 私は母を 信じることができませんでした。

 同時に、 私を愛してくれるのは 母しかいないと思い込んでいたのです。

(次の記事に続く)

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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アダルトチルドレンからのアドバイス (3)

2012年05月08日 20時15分26秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
・ ドナの話

 両親は 私が11歳のとき離婚しました。

 それから、

 「ナダ (BPDの母の名前) のテープ」 が 聞こえるようになったのです。

 「ナダのテープ」 には、 母が私に言った 酷いことが全て収められていて、

 私の心の中で 何度も何度も繰り返し 鳴り響くんです。

 私が大人になっても、 どうにも克服しがたいものでした。

 母は今でも 私の生活, 家族, あらゆることについて 指摘せずにはいられません。

 母とは 電話で話す程度です。

 今は絶対に、 ふたりっきりにならないようにしています。

・ パットの話

 母には3人の夫がいました。

 最初の人 (私の実の父親) は アルコール依存症でした。

 父は 私が虐待されているのを目撃しても、 ただ去っていくだけでした。

 2番目の父は、 いくらか母と私の クッションになってくれました。

 母は少なくとも、彼が出かけるまでは、 私を虐待しないようにしました。

 ある晩、 彼が 予定より早く帰宅して、 母が私をぶっているのを 目にしたんです。

 彼は怒りをあらわにし、 母を殴ったのです。

 母の行動は エスカレートしていきました。

 3番目の父親は、 手を出したり 何か言ったりはしなかったのですが、

 積極的に虐待に加わっていました。

 つまり、 母が私に何をしようが、 知らぬ存ぜぬだったのです。

 ぜひ、 ボーダーの親から お子さんを引き離してください。

 どうか、 お子さんが自分から話せるように 励ましてあげてください。

 どんな小さいことでも、 お子さんが何かをやり遂げたら 誉めてあげてください。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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アダルトチルドレンからのアドバイス (2)

2012年05月07日 20時48分27秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
・ アリソンの話

 私の母親はボーダーでした。

 私の夫ジョナサンは、 人を愛し、 そして憎んでいました。

 境界など 何ひとつ設けずにです。

 彼は独占欲が強く、 私が姉と食事しただけでも 浮気を疑いました。

 僕を置いていかないでくれと 泣きつくこともあります。

 でもそんな涙は一瞬で、 いきなり逆上し、 私が倒れるまでぶち続けるのです。

 私は荷物をまとめて 出ていこうとしました。

 すると突然、 その怒りが止まり、 涙が戻ってくるんです。

 誰も僕を理解してくれないと 言いました。

 彼を理解できるのは 私だけだったんです。

 私が彼の命綱でした。

 私が出ていったら、 彼はペットを殺していたでしょう。

 自分を銃で撃ったかもしれません。

 こんな関係に留まっていたら、 私は死んでしまうと気付くまで、 5年かかりました。

 夫との生活は、 母との生活の繰り返しでした。

 私は 母と結婚したようなものだったんです。

 私は彼の素晴らしさ, 激しさ, 彼の愛を忘れないでしょう。

 でも私は 彼のもとを去ることにしました。

 治療を受けていないボーダーの人には うんざりです。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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アダルトチルドレンからのアドバイス (1)

2012年05月06日 20時42分16秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
 ボーダーの親を持つ アダルトチルドレンの人たちから、

 自分のもう一方の親への アドバイスを聞いてみました。

 ただし ここに出てくるボーダーの親は、 BPD以外の病気を 抱えている人も多く、

 “標準的な” ボーダーの人より 虐待的であることに留意してください。

・ クリスの話

 父は僕が17歳のとき、 僕をボーダーの母親のもとに残して 亡くなりました。

 BPDの狂乱状態に 子供を置き去りにすることは、 絶対にしてはいけません。

 母は僕を罵り、

 愛情を弱さと捉えていたため、 本当の愛情を 一切与えてくれませんでした。

 あんな環境でなかったら、

 少なくとも自分自身の人生を 築くことができたと思います。

・ マーガレットの話

 ボーダーの人は うつ状態からハイな気分へと、 急に変わってしまいます。

 うつは数時間ほど続き、

 こちらが相手を 気の毒に思うと、 相手は面と向かって 嘲り始めます。

 自分がどのような状況にいるのか 分からないんです。

・ グロリアの話

 両親は 私が11歳のとき離婚し、 母親がボーダーでした。

 父は私たちの親権を 得ようとしてくれませんでした。

 もし父がそうしようとしたら、 私は全面的に 父を支持しました。

 法廷でも裁判でも、 母が私をひどく怖がらせたと 証言したと思います。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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5月5日

2012年05月05日 21時33分40秒 | Weblog
 
 この2~3日、 ゴールデンウィークには珍しい 大雨に見舞われましたが、

 本日こどもの日は 気持ちよく晴れ渡った日和でした。

 布団を乾したり、 掃除などをしてから、 近くの神社の つつじ祭りを見てきました。

 生前の心子と 行きたいと思っていて、 行けなかったものです。

 境内には露店が並び、

 拝殿では神主や巫女さんたちが 東日本大震災復興祈願の儀式をやっており、

 珍しいものを見ることができました。

 もっとも ここのつつじは、 何故か年々 花を付けなくなっており、

 今年はほとんど咲いていません。

 別の道路沿いに植えてある つつじの並木が見事に開花していて、

 日の光に輝く 色鮮やかなつつじたちを 堪能してきました。

 眼福、 眼福。

 それから 格安店へ食料などの買い出しに。

 「業務スーパー」 といって 最近 首都圏にできてきたチェーン店です。

 業務といっても ほとんどが一般の客で、 土日などにはごった返します。

 普通のスーパーの特売と比べて、 半額くらいの品も沢山あります。

 昼食後、 食器洗いや部屋の片づけなど また雑用に大分時間を取られ、

 「BPD家族会」 の仕事で パソコンに向かい。

 夕食の時間が 半端になってしまったので、

 柏餅3個 (大きい) を 晩飯代わりに。  (^^;)

 そして銭湯。

 いつも行く銭湯の近くにある 別の銭湯では、

 毎年 煙突に鯉のぼりを 一杯泳がせるので、 まずそれを見に行きました。

 大きいものは6~7メートルあり、 30匹近い鯉が

 程よい風で たゆたうように空に漂っています。

 眼福、 眼福。

 いつもの銭湯は 菖蒲湯でした。

 念入りに体を洗い、 ゆっくりお湯に浸かって 戻ってきました。

 帰り道、 空には まん丸い月が輝いています。

 明日が満月だそうです。

 今日は そんなこどもの日でした。 (^^;)
 
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研究から何が言えるでしょうか (5)

2012年05月04日 22時53分14秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

・ 幼稚な子育て

 このタイプの親は たいてい低機能で、

 仕事を続けられなかったり、 自傷行為や自殺の脅しをするかもしれません。

 幼稚な親は わが子を 虐待的な親から守ることができません。

 子供と役割が逆転し、 子供が 親の面倒を見ていることもあります。

 世話をしてもらうことで、 相手をコントロールしようとするといいます。

 破壊的な親と 組になることも多いようです。

 子供は多くの場合、 忠実なノン・ボーダーラインになるよう 教え込まれます。

 彼らは世話人となり、 自分のニーズを後回しにすることに 慣れてしまいます。

 感情、 特に怒りや憤りを 表現することが難しくなります。

 彼らは幼稚な親を  「良い」 と考えているのかもしれません。

 もうひとりの親が 自分を守ってくれないことを、 見落としているのかもしれません。

 他人を優先し、 境界の設定を 難しくさせてしまうのです。

・ 自己愛的な子育て

 自分を中心に世界が回っている という傾向は、

 多くのボーダーの人に 共通しています。

 自己愛的な親は、 子供は 自分と同じように 物事を捉えるべきだと言います。

 意見の違いは全て、 自分に対する攻撃と見なします。

 彼らは、 わが子を自分の一部と 感じているのです。

 子供が離れようとすると、 彼らは傷つき、 打ちのめされてしまうでしょう。

 それを揉み消し、 できるだけ わが子を自分のもとに 引き止めるのです。

 子供たちの中には、 自分が高齢になっても 親を恐れる人がいます。

 自分自身の 考えや感情を持つことに 罪悪感を覚えます。

 子供の存在は色あせ、 才能や能力は 未発達になるかもしれません。

 わが子の才能や能力こそ、 自己愛的な親を 恐怖に陥れるのです。

 子供は 自分の力を理解できなかったり、

 あるいは 完璧になろうとして、 過剰にそれを 補おうとするかもしれません。

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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研究から何が言えるでしょうか (4)

2012年05月03日 22時57分20秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

・ 搾取的な子育て

 自分が 最もよいと思うことが、 わが子にとっても 最もよいと確信しています。

 片親引き離し症候群 (片親疎外/PAS) の 例によく見られます。

 親は、 自分がそこから 何を得られるかという観点で 生活を捉えがちです。

 子供のニーズが 自分のそれと反する時、

 子供は厄介な存在だとか、 脅威と見なされます。

 忠誠, 賞賛, 服従を求めることで 相手を支配しようとします。

 感情的に未熟で、 他人のニーズや感情に 鈍感です。

 子供は、 利用されているように感じ、 自己イメージが貧弱で、

 愛について 誤った考えを持っています。

 感情的に 自分を労ることができません。

・ 虐待的な子育て

 「~しなさい、 さもないと」 子育て と呼ばれます。

 他の子育てとの違いは、 彼らの破壊性です。

 親はまるで わが子を破壊しようとしているかのようです。

 搾取的な親は 子供の忠実さを食い物にし、

 虐待的な親は 子供を力ずくでねじ伏せようとします。

 子供を身体的に虐待し、 おおっぴらに彼らをけなします。

 子供が従わないと 屈辱を感じ、 過剰に反応したりします。

 自分と子供のニーズを 区別できません。

 身体的, 性的虐待と同じく、 言葉の虐待も破壊的です。

 最も深刻なのは 子供がこう思ってしまうことです。

 「私を守ってくれるはずの人が 私を傷つける。

 それに対して 私はどうすることもできない」

 その結果 起こりうるものとして、 うつ, 依存症, PTSDなどがあります。

 自分は虐待されても当然 と考えたり、 人を信頼できなくなったりします。

 彼ら自身が ボーダーになる可能性もあります。

(次の記事に続く)

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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研究から何が言えるでしょうか (3)

2012年05月02日 19時36分18秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

・ 無秩序な子育て

 ボーダーの家庭では ほとんど普遍的に見られます。

 ボーダーの親は情緒不安定で、 予測がつきません。

 ダブルバインド (二重拘束) 〔*注〕 を用いたり、

 子供を八方塞がりの状況に 陥れたりするかもしれません。

〔 *注: 相反する意味の ふたつのメッセージを同時に送り、

      相手がはどうしたらいいか 分からなくなってしまうこと。〕

 ほんの気まぐれで、 いつ爆発するか 分からないような生活です。

 親は 感情的な妥協点を見つけられません。

 子供の欲求を抑えつける親は 子供に近づきすぎ、

 剥奪的な親は 距離を置きすぎるのですが、

 無秩序な親は その両極がどちらも見られます。

 「お母さん (お父さん) が 私を愛しているのなら、

 どうして私を傷つけるんだろう?」

 この根源的で 恐ろしい疑問が、 絶えず子供たちの心に 付きまといます。

 そして 彼らが出す答は こうなります。

 「私が悪い子だから …… そうされても 仕方のない子だから ……

 お母さん (お父さん) は 私を愛しているからこそ、 私を傷つけるんだ」

 愛情は苦しみと等しく、 無秩序が 普通の状態になってしまいます。

(次の記事に続く)

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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研究から何が言えるでしょうか (2)

2012年05月01日 10時09分15秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
(前の記事からの続き)

・ カルト的な子育て

 ボーダーの人の中には、

 世界を  「善と悪」 に二分するような組織に 引き寄せられる人が大勢います。

 このような組織は、 彼らの分裂した世界観を強化し、

 仲間を与え、 虚しさをを紛らわせてくれます。

 儀式と信仰への 絶対的な忠誠によって、 彼らは子供の支配権を握ります。

 子供は、  “よそ者” や 自分の教え以外のものには 不信感を抱きがちです。

 または とても騙されやすいかもしれません。

 家族全体が 子供たちを、

 “よそ者” の考え方をしたと言って 罰することもしばしばです。

・ 剥奪的な子育て

 支配的な愛情は 剥奪的な子育ての 証だと言います。

 そのような親は、 わが子が 自分の望み通りである限り、 彼らを感情的に支えます。

 しかし失望させられると、 途端に愛情を撤回します。

 即刻、 そして 完全にです。

 愛情を注いだり、 撤回することで わが子をコントロールしようとします。

 子供は、 心の底で、 自分は愛されていない, 愛されるに値しないと感じています。

 友人や恋人ができても、 誰かに愛されると 信じきることができません。

 拒絶されると感じると、 敏感に反応します。

 社会的技能の発達が遅く、 うつ状態や自己不審が認められます

(次の記事に続く)

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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