「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

アダルトチルドレンからのアドバイス (4)

2012年05月09日 18時35分45秒 | 「愛した人がBPDだった場合のアドバイス
 
・ ケリーの話

 母は 私の才能を励ましてくれたし、 愛していると言ってくれました。

 でも BPDの性質が現れると、 状況は一転しました。

 突然、  「良い」 母が、 地獄の魔女に変わってしまうんです。

 私は愛されるに値しない、 そう教える 恐ろしい神だったのです。

 私は母に 次のような手紙を書きました。

 でも送ることはありませんでした。

 「私は この人生を通じてずっと、 お母さんのことを恐れてきました。

 いつ爆発するか分からない、 お母さんの激しい怒りのせいです。

 私は二人の親のもとで 育ったようなものです。

 良い母親と 悪い母親です。

 良い母は とても理解があって、 慈しんでくれる人でした。

 でも 悪い母親が現れると、

 良い母親がしてくれたことは 全て一掃されてしまいました。

 私が 家族をメチャメチャにしている 張本人なんかじゃない、

 そう自分に 言い聞かせようとしました。

 それでも私は 母の言うことを信じてしまったんです。

 私はどうしようもない人間、 私は自分を無力に感じ、 恐れました。

 ママはあなたのことを愛しているわ、 良い母はそう言いました。

 そして悪い母は、 お前はなんて酷い人間なんだ と言いました。

 私は母を 信じることができませんでした。

 同時に、 私を愛してくれるのは 母しかいないと思い込んでいたのです。

(次の記事に続く)

〔「愛した人がBPDだった場合のアドバイス」 星和書店(ランディ・クリーガー)より〕
 
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