「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

※ アクション・ステップ5 子供のための評価基準

2015年02月04日 18時24分36秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 以下は ボーダーラインの子供たちのための 評価基準リストです。
 
 1 (非常に特徴的) から 5 (非常に非特徴的) までの5段階で、
 
 あなたの子供を評価してみてください。

_ 非常に早期から  「正常ではない」 というふうに見えましたか? 
 
_ 大半の子供より長く 恨みや侮蔑を抱き続けますか? 
 
_ 典型的な親の罰による 効果が少ないですか? 
 
_ 話を粉飾したり、 嘘をつくことも巧みですか? 
 
_ 子供時代 (話せない頃) のトラウマ体験,
 
  特に 親との別れを含む トラウマがあったと思われますか? 
 
_ 刺激 (音, ちくちくする服など) に対して 非常に敏感ですか? 
 
_ 眠りが浅いですか? 
 
_ 集中力が貧困ですか? 
 
_ 良心がないように見受けられますか? 
 
_ 特別な注目を要求しますか? 

〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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※ アクション・ステップ4 DSM-Ⅳの基準に当てはまりますか? (3)

2015年02月03日 20時14分39秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
8. 不適切で強い怒り, 怒りをコントロールすることの困難
 
 「コントロールを失う恐怖や、 相手が去っていく恐怖を感じたり、
 
 人生は不公平だと感じたときに 激怒します。
 
 あまりに酷く苦しんでいて、 誰も分かってくれないので、
 
 苦痛を外に出して怒るのでしょう。
 
 激怒しているときには、 聞く耳を持たないのです。」
 
9. 一過性のストレスに関係した 妄想的観念, 重篤な解離症状 (幽体離脱)
 
 「人生に対処するために、 解離を使ってきました。
 
 小学生の頃、 いじめにあったとき、 頭の中を真っ白にしてしまいました。
 
 母が大声で怒鳴るときも、 頭を真っ白にしてしまうのです。
 
 人生の中で、 思い出すことができない時期もあります。
 
 人から 『ぼうっとしている』 と言われ、 用事も忘れてしまうのです。」
 
 
 DSM-Ⅳのモデルは有用ですが、 不備な点もあります。
 
・ 次のような ボーダーラインの本質的な特徴が抜けています。
 
 羞恥の感覚
 
 ひとりでいることの困難, 
 
 脆弱な対象関係
 
 (ある人がそばにいないとき、 その人の愛情を 思い出すことの困難)
 
 脆弱な境界 (自分自身の境界維持と、 他者との境界の尊重)
 
 コントロールの問題
 
 ある状況では大変有能なのに、 他の状況ではそうでないこと
 
 自己愛的な要求
 
 必要なものを手に入れる 洗練された手段の欠如
 
・ DSM-Ⅳの 「5.自殺行動, 自傷行為」 は、
 
 科学的に基礎づけられたものではありません。
 
 また、 9つの特徴のうち5つということは、 何千通りもの組み合わせがあり、
 
 同じ特徴でも 人により違う形で表されるので、 不正確でもあります。
 
・ ボーダーの人と 関わる人たちの間の、
 
 複雑な相互作用を 実際には説明していません。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
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※ アクション・ステップ4 DSM-Ⅳの基準に当てはまりますか? (2)

2015年02月02日 20時38分09秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
(前の記事からの続き)
 
3. 自己同一性障害: 自己像 あるいは自己感が、 際立って継続的に不安定
 
 「一連の見せ掛けを装うことで、
 
 私はアイデンティティの欠如を カバーしてきました。
 
 自分は何者かという 永遠の謎に対して、
 
 避けたり逃げたり、 絶望しないように、 じっとしていないようにしました。
 
 アイデンティティの危機という苦悩に、
 
 自分という存在を ゆっくりと破壊することで 解決を図っていたのです。」
 
4. 潜在的に自己を傷つけうる、 少なくとも2つの領域における 衝動性
 
 「当時はすべてかっこいいことだと 思っていました。
 
 酒に酔い、 麻薬でハイになって、 悪さの限りを尽くしました。
 
 親にとって価値のあった 私の一杯の賞状を、 ぐちゃぐちゃにして火をつけました。
 
 後悔と復讐のほろ苦い感覚に 満たされたのです。」
 
5. 自殺的行動, 自殺のそぶり, 自傷行為の繰り返し
 
 「常に死について考えているけれど、 本当は死にたくはありません。
 
 あまりに感情的に苦しいので、
 
 その苦しみを払拭するため 唯一考えられるのが自殺なのです。
 
 どのように自殺しようかと 想像するのです。
 
 死が たったひとつの出口となるのです。

 
 自分はなんて忌まわしい奴なんだ と考えながら、 鋲を腕に刺しました。
 
 愛する人を傷つけるようなことは 嫌いです。
 
 いかに傷つき、 怒っているのか、 私には知るよしもありません。
 
 今は不快な気分のとき、 正体がなくなるまで飲みます。
 
 死ぬよりはましです。」
 
6. 激しい情緒不安定, いらだち, 不安, 激怒, 絶望
 
 「自殺したいと思う日もあり、 誰かを殺したいと 思う日もあります。
 
 何かが自分のコントロールを超えたとき、 非常に欲求不満を感じるのです。
 
 ボーダーラインの感情は 普通の人の感情と行動を、 奇異に誇張したものです。」
 
7. 慢性的な空虚感
 
 「私は 何もない地表にあいている 穴が恐ろしいのです。
 
 かつて 何かがあった場所なのですから。
 
 何がその穴を埋めるのでしょう? 
 
 地獄のような状態, 無の状態を どうやって扱えばいいのでしょうか? 
 
 他に何を 永遠に失うのでしょう?」
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
(次の記事に続く)
 
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※ アクション・ステップ4 DSM-Ⅳの基準に当てはまりますか? (1)

2015年02月01日 21時08分21秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 ボーダーラインを定義し、十分に理解すれば、
 
 どういう状況が BPの最良面や最悪面を引き出すか 予測できるでしょう。
 
 パーソナリティ障害とは、
 
 「その人の属する文化で 期待されているものから 著しく逸脱している、
 
 恒常的な体験や行動のパターン」  というものです。
 
 パーソナリティ障害は 次の基準に合致するものです。
 
・ 特徴が長期間続いている (数年間)。
 
・ 行動が激烈である。
 
・ 行動が広範囲に及ぶ (ほとんどの人間関係か、 少なくとも親しい家族に及ぶ)。
 
 パーソナリティ障害は成人早期に始まり、
 
 対人関係, 自己イメージと気分の不安定性, 衝動性という、
 
 広汎で不安定なパターンです。
 
 DSM-Ⅳの9つの特徴のうち、 5つ以上の特徴を 示すことが必要です。

 
 18才未満の場合は、 ボーダーラインの特徴が 少なくとも1年間続いていて、
 
 物質乱用, 抑うつ, 摂食障害など 一過性の状態として、
 
 的確な説明がつかない場合に 診断される可能性があります。
 
 
※ アクション・ステップ4 DSM-Ⅳの基準に当てはまりますか? 
 
 正確な診断を下せるのは、 資格と能力のある臨床家だけです。
 
 以下に、 DSM-Ⅳの基準と、 そのBPDの人の例を記します。
 
 ボーダーラインの内側にいるとは どういう感じなのか、 知るのに役立つでしょう。
 
1. 現実的に あるいは想像の中で、
 
 見捨てられることを避けるための 殺気だった努力
 
 「自分から夫と別れるべきでしたが、 ひとりぼっちになるのが恐ろしくて、
 
 身体的や言葉の虐待の関係に 留まっていたのです。
 
 夫が去って行ったら、 すぐに他の男性と 付き合い始めました。
 
 “親密さ” のかけらが欲しくて、 倒錯的なことをしていました。」
 
2. 理想化と、 こき下ろしの 両極の間を揺れ動く、
 
 不安定で激しい 対人関係のパターン
 
 「同僚がリーダーになったことに 大変嫉妬しました。
 
 その人が関係した 事実をねじ曲げて、 大袈裟にけなしたのです。
 
 入念に事実ねじ曲げ作戦を 計画実行していました。」
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
(次の記事に続く)
 
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