今日は9月1日となり、今年の8月が終わってしまいました。
夏休みの課題図書(ではないですが)、自宅から持参した数冊の本と当地自治体図書館で借りた何冊かの本がまだ全部は読み終わっていません。
今年は戦後70年ということで、8月初めころには第二次世界大戦とそれ以降の現代史が話題になっていたので、こんな本をかりてきました。
池上彰さんが東京工業大学で14回おこなった現代史の講義をまとめたものです。
日本史は、高等学校では(多分)選択制になっているし、現代史はその解釈に異論が多いので「大学入試には出ない」ことになっているため、中学高校では教えない。特に理工系の人には、若い時には関心がない人がおおいので「常識のエアポケット」になっています。
この池上さんの本では、「東西冷戦」から始まって、「ソ連崩壊」「台湾と中国」「北朝鮮」(朝鮮戦争)、「中東」(イスラエル建国、中東戦争)と続きます。
朝鮮戦争の理由、経緯と結果は、知っているつもりでしたが、この本で北と南の軍事支配地域の変化を地図で表していて、よく理解できました。38度線から侵入した北朝鮮軍があっという間にソウルを占拠し(武器弾薬・パイロットはソ連軍が供給)、油断していた韓国軍はプサンに押し込まれてしまいました。慌てたマッカーサー率いる国連軍(実態は米軍)は日本にある基地から出動します。北朝鮮軍の背後をついて、インチョン(今は仁川国際空港のある場所)に上陸して北を追い詰め、ピョンヤンを占拠しさらに中国国境近辺まで押し込めました。
今度は、中国の共産軍が「義勇軍」と名を変えて参戦。再度、ソウル周辺まで押し返されました。
国連安保理事会の決議をへて、38度線の板門店で休戦ラインをひいて「休戦」となり、現在につながっています。
・・「キューバ危機」、「ベトナム戦争」「カンボジア大虐殺」このあたりからは、同時代的にニュース報道などで記憶があります。「天安門事件」「中国(経済成長)」「通貨」「エネルギー(イランイラク戦争等)」「EU」「9.11」。
もう一冊の半藤一利「昭和史 戦後編」では、GHQマッカーサ-の占領政策の実態が強烈な感想をもたらしました。
農地開放、公職追放、そして「東京裁判」。A級戦犯の意味(=平和に対する犯罪)、B級やC級との違いを知りました(刑罰の大きさではありません)。実際、A級では28人が起訴されて、有罪判決は15人(3人は獄中病死・精神異常釈放)、うち死刑は7人。
BC級は国別に(連合国、米、英、豪、オランダ、中、仏、フィリピン)延べ5702人が告訴され、その内948人が捕虜虐待や残虐行為で死刑となりました。ソ連関係では、ソ連国内に強制連行した約1万人が裁判にかけられて有罪となったようです。
この本では、天皇を訴追しないことを決定した事情が詳しく書かれていました。要は、マッカーサーにとって当時の日本を安定的、平和的に統治する最もコストの低い施策がこの方法であったことです。(ゲリラ戦による国民の軍事的抵抗を避ける)
憲法制定に関して、GHQと日本政府との確執が生々しく描かれています。
長くなってしまったので、「Chikirinの日記」の「2015-07-29 『昭和史 戦後篇』 を読んで」を参考までにリンクしておきます。(自分の備忘のため)
※彼女のブログで「岸信介はA級戦犯」に関しては、脚注で解説します。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20150729
半藤さんの本は、まだ1/3くらい残っているので、楽しみながら今日明日中に読破します。汗
~~~~
脚注:岸信介さんはA級戦犯か?・・半藤さんの本に記述がありますが、岸氏は「公職追放(A項)」(A項は”戦争犯罪人”:彼は満州国官僚、東条内閣閣僚)でした(p.145)。東京裁判では準A級戦犯容疑者になっていたのですが、最初の告訴28人には含まれませんでした(p.247)。
その後、残りの訴追裁判が中止となります。当時朝鮮戦争が始まったこと、冷戦対応で日本の経済復興を優先するため、東京裁判の終結、公職追放の解除、マッカーサー罷免(トルーマン大統領の決定)、警察予備隊創設(占領米軍が朝鮮に出動したので、北海道へのソ連侵略を牽制する目的)、日米等講和条約(ソ連・中国を除く)なと、占領政策の急転換がなされました。
※岸信介元首相の経歴追記: A級戦犯容疑者として巣鴨拘置所に拘束されていたが、東京裁判が中止されたので釈放(p.416)。その後、公職追放になった。弟に佐藤栄作元首相、安倍晋三現首相は孫です(念のため)。
夏休みの課題図書(ではないですが)、自宅から持参した数冊の本と当地自治体図書館で借りた何冊かの本がまだ全部は読み終わっていません。
今年は戦後70年ということで、8月初めころには第二次世界大戦とそれ以降の現代史が話題になっていたので、こんな本をかりてきました。
池上彰さんが東京工業大学で14回おこなった現代史の講義をまとめたものです。
日本史は、高等学校では(多分)選択制になっているし、現代史はその解釈に異論が多いので「大学入試には出ない」ことになっているため、中学高校では教えない。特に理工系の人には、若い時には関心がない人がおおいので「常識のエアポケット」になっています。
この池上さんの本では、「東西冷戦」から始まって、「ソ連崩壊」「台湾と中国」「北朝鮮」(朝鮮戦争)、「中東」(イスラエル建国、中東戦争)と続きます。
朝鮮戦争の理由、経緯と結果は、知っているつもりでしたが、この本で北と南の軍事支配地域の変化を地図で表していて、よく理解できました。38度線から侵入した北朝鮮軍があっという間にソウルを占拠し(武器弾薬・パイロットはソ連軍が供給)、油断していた韓国軍はプサンに押し込まれてしまいました。慌てたマッカーサー率いる国連軍(実態は米軍)は日本にある基地から出動します。北朝鮮軍の背後をついて、インチョン(今は仁川国際空港のある場所)に上陸して北を追い詰め、ピョンヤンを占拠しさらに中国国境近辺まで押し込めました。
今度は、中国の共産軍が「義勇軍」と名を変えて参戦。再度、ソウル周辺まで押し返されました。
国連安保理事会の決議をへて、38度線の板門店で休戦ラインをひいて「休戦」となり、現在につながっています。
・・「キューバ危機」、「ベトナム戦争」「カンボジア大虐殺」このあたりからは、同時代的にニュース報道などで記憶があります。「天安門事件」「中国(経済成長)」「通貨」「エネルギー(イランイラク戦争等)」「EU」「9.11」。
もう一冊の半藤一利「昭和史 戦後編」では、GHQマッカーサ-の占領政策の実態が強烈な感想をもたらしました。
農地開放、公職追放、そして「東京裁判」。A級戦犯の意味(=平和に対する犯罪)、B級やC級との違いを知りました(刑罰の大きさではありません)。実際、A級では28人が起訴されて、有罪判決は15人(3人は獄中病死・精神異常釈放)、うち死刑は7人。
BC級は国別に(連合国、米、英、豪、オランダ、中、仏、フィリピン)延べ5702人が告訴され、その内948人が捕虜虐待や残虐行為で死刑となりました。ソ連関係では、ソ連国内に強制連行した約1万人が裁判にかけられて有罪となったようです。
この本では、天皇を訴追しないことを決定した事情が詳しく書かれていました。要は、マッカーサーにとって当時の日本を安定的、平和的に統治する最もコストの低い施策がこの方法であったことです。(ゲリラ戦による国民の軍事的抵抗を避ける)
憲法制定に関して、GHQと日本政府との確執が生々しく描かれています。
長くなってしまったので、「Chikirinの日記」の「2015-07-29 『昭和史 戦後篇』 を読んで」を参考までにリンクしておきます。(自分の備忘のため)
※彼女のブログで「岸信介はA級戦犯」に関しては、脚注で解説します。
http://d.hatena.ne.jp/Chikirin/20150729
半藤さんの本は、まだ1/3くらい残っているので、楽しみながら今日明日中に読破します。汗
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脚注:岸信介さんはA級戦犯か?・・半藤さんの本に記述がありますが、岸氏は「公職追放(A項)」(A項は”戦争犯罪人”:彼は満州国官僚、東条内閣閣僚)でした(p.145)。東京裁判では準A級戦犯容疑者になっていたのですが、最初の告訴28人には含まれませんでした(p.247)。
その後、残りの訴追裁判が中止となります。当時朝鮮戦争が始まったこと、冷戦対応で日本の経済復興を優先するため、東京裁判の終結、公職追放の解除、マッカーサー罷免(トルーマン大統領の決定)、警察予備隊創設(占領米軍が朝鮮に出動したので、北海道へのソ連侵略を牽制する目的)、日米等講和条約(ソ連・中国を除く)なと、占領政策の急転換がなされました。
※岸信介元首相の経歴追記: A級戦犯容疑者として巣鴨拘置所に拘束されていたが、東京裁判が中止されたので釈放(p.416)。その後、公職追放になった。弟に佐藤栄作元首相、安倍晋三現首相は孫です(念のため)。