吉崎達彦氏(双日総合研究所チーフエコノミスト、1960年富山県生まれ)が2016年12月に新潮新書よりこんな本を出版しています。
曰く「遊民経済学」だそうです。
なにかと悲観的な日本の将来予想が多い昨今ですが、「第2の人生」とかの帯に吊られて購入してみました。
トランプ大統領の就任でTPPもご破産だし、急速な少子高齢化の日本、草食志向、内向きで外国への興味・旅行・留学に向かう若者が減少したこの国・・さてこの筆者のご意見はいかがでしょうか。
写真はいきなり第7章のタイトルですが、「第2の人生こそが本物の人生だ」だそうです。
ついでに、第1章のつかみ文も、写真で引用します:
”経済の中心が「パンよりサーカス」に
人はパンのみにて生きるものにあらず(聖書)
衣食足りて礼節を知る(論語)
・・(中学の)「公民」の授業の記憶である。・・「この2つのことは、違うことを言っているのか、それとも同じことを言っているのか」”
この著者が主張する、ツーリズム(外国からの観光客の落とすお金)や、IR(統合リゾート施設+カジノ)の将来がそれほど明るいとは思えませんが、
地方の可能性は、まだまだ大きいと思います。若者の働く場所とエンターテイメント、交流の条件整備にもっともっと投資せねばなりません。
それから、
重要なメッセージは「高度経済成長期に資金を蓄えた老人は、もっともっと自分や家族のためにお金を使うべき。できれば社会にも貢献度を拡大するべき」「過剰に後期老後の医療資金に残しすぎないようにするべき」と提言しています。
最後の章に、”「第2の人生の達人」伊能忠敬”、”「50代のお父さん」になった日本経済”が、まとめの話題に取り上げられています。
伊能忠敬は、家業(千葉県佐原)に成功して十分に資金を蓄えたあと、50歳になってから家督を譲って自らは江戸に出て易学と測量を学び、その後全て自費で全国の地図測量を開始する。ついには国家事業に格上げされて、全国地図を完成させています。
米国のベビーブームは、日本よりひと足早く1946年に始まっています(欧州戦線終結)。この年に生まれたのは、ビル・クリントン、ジョージ・ブッシュ、そしてドナルド・トランプ。スティーブン・スピルバーグ(映画監督)、シルベスター・スタローン(俳優)、ジャネット・イエレン(FRB議長)が。47年生まれにも、ヒラリー・クリントン、アーノルド・シュワルテュネッガー(知事・俳優)・・・
いかがでしょうか。