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零戦と日本人――特攻の精神〜特攻に散華した英霊に畏敬の念を込めて(1)

2014-01-15 10:17:05 | 歴史・歴史問題・戦争

零戦と日本人――特攻の精神〜特攻に散華した英霊に畏敬の念を込めて(1)

[HRPニュースファイル882] 

 文/岐阜県本部副代表 河田成治 

 【特攻への評価】 

 ◆映画「永遠のゼロ」

「永遠のゼロ」という、特攻をテーマとしたゼロ戦パイロットの映画が大ヒット中です。戦争モノで、映画館が満席になることはめずらしいのですが、私が見に行ったときも、若いカップルや学生などがたくさん来ていました。評判どおり、たいへん素晴らしい映画で、感動と涙を抑えられませんでした。

私は、こういう映画が創られ、流行ったという驚きと共に、日本の新たなる胎動を感じました。戦後レジュームからの脱却と、新しい時代の到来を予感させます。

映画がヒットする中、安部総理が靖国神社に参拝したのは、当たり前のことでしたし、首相にしても、映画は「渡りに船」であったことでしょう。

いまこそ、自虐史観を払拭し、日本人としての誇りの上に、新しい日本の繁栄を築いていきたいと願います。

「大空のサムライ」という世界的ベストセラーを書いた、撃墜王・故坂井三郎氏をご存じでしょうか?坂井氏の著作の中に、こんな箇所があります。

「昔、日本って、アメリカと戦争したらしいよ」「エーッ、マジ!?で、どっちが勝ったの?」たまたま乗り合わせた電車の中で、坂井氏が聴いた若者達の会話です。坂井氏は、心底、落胆したと書いておられました。

戦後70年が経って、先の大戦は遠い昔の話になりつつあります。しかし、日本の繁栄を信じて散華した英霊の歴史は、けっして風化させてはなりません。

特攻隊員の英霊の皆様への供養の念いを込めて、何回かにわたって書いてみたいと思います。 

 ◆「犬死」や「特攻くずれ」と呼ばれた特攻隊

神風(しんぷう)特別攻撃隊は、昭和19年、南方からの資源輸送ラインの死守がかかった天王山、フィリピン決戦において結成された、決死の攻撃隊でした。

100%の死を前提とした攻撃部隊は、人類の歴史上、先にも後にも、この特攻以外には見当たりません。この「カミカゼ」と呼ばれた特攻隊の戦死者は、軍神として畏敬の念をもってあがめられました。

米軍空母を撃沈し、特攻第一号となった敷島隊の関大尉は軍神となり、関大尉のお母さんも、軍神の母として讃えられました。

ところが戦争が終わると、「特攻隊員は軍国主義によって洗脳された若者たち」であり、戦死した隊員は「犬死」、特攻に行き損ねた隊員は「特攻くずれ」と手のひらを返したように冷たくされました。
関大尉のお母さんも、生活に困窮し、草餅を作って売り歩きましたが、石を投げつけられたり、関大尉の墓を作ることも許されなかったと聞いています。命を賭けて戦った勇敢な英霊に対して、あまりにヒドイ仕打ちでした。

なお特攻は、戦闘機のほかに、人間魚雷「回天」や特攻モーターボート「震洋(しんよう)」などがあり、合計で約6千人もの若い命が捧げられました。

私はこれらの方々が、単なる「犬死」であったとは到底思えませんし、絶対に名誉の回復が必要だと考えています。 

 ◆英雄と考える海外の人々

実際のところ、海外での特攻の評価は、驚くほど肯定的です。例えば、特攻第一号の関大尉が出撃した、フィリピン・マバラカットの日本軍飛行場跡には、特攻隊戦没者の祈念碑があります。

これは特攻隊の偉業を外国人が認め、顕彰したものです。そこにはフィリピン人の手による言葉が刻まれています。

「(略)カミカゼ特攻はすべての世界史に記録の例のない壮挙であり、(略)その背後にあった理念は、(略)世界の秩序と平和の確立をひたむきに願い、その実現のため散華したことです。」(碑文は英文)と書かれています。

特攻を詳しく知らない西欧人は、「カミカゼ」と聞くと「狂気の沙汰、集団ヒステリー、非人間的な強制行為」というイメージを持つようです。

しかし、フランス人のジャーナリストで、太平洋戦争を研究したベルナール・ミローは、「カミカゼを研究した結果、そのような評価は余りにも皮相的で上っ面な偏見だった」と、180度考え方が変わったことを表明しています。

ミローは著作の中で、特攻があまりに空しく、不合理で、恐ろしいものだったと前置きしつつも、次のように述べています。

「(カミカゼ)を、我々西欧人は笑ったり、哀れんだりしていいものであろうか。むしろそれは偉大な純粋性の発露ではなかろうか。日本国民は(特攻を)あえて実行したことによって、人間の偉大さ、人生の真の意義を示した世界で最後の国民となったと著者は考える。

また、当時のビルマ(現ミャンマー)の初代首相バー・モウも「特攻隊は世界の戦史に見られない愛国心の発露であった。今後数千年の長期にわたって語り継がれるに違いない」と語っています。(黄文雄著「日本人はなぜ特攻を選んだのか」)

これが特攻の本当の姿に触れた人の想いなのです。

次回は、「特攻に込められた想い」についてお伝えします。

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