ちょうど、9年前のGW明けから行政書士の勉強を始めたのでした。当時、海外プロジェクトの現地最高責任者だった私は、本当に疲れ切っていました。出がらしのお茶っ葉のように、今まで持っていた経験やノウハウをすべて出し切ってしまった様な感じがしたのでした。とにかく、何かを学び、充電したかったのでした。
4月上旬、海外出張から戻ったばかりの私は、たまたま開いた夕刊で、目に留まった記事が「国家資格行政書士受験講座の無料オリエンテーション申込受付中」と書いてあった、資格受験学校の宣伝でした。「行政書士?何をする仕事だろう??まあいいか、何かの勉強だし、無料だから聞きに行ってみよう!それに日曜日だし!」と、早速電話で申し込んだのでした。
色々と説明があったようですが、あまり意味も分からずに、個人インタビューなどもありまして、「中村さんの経歴だったら、是非この資格をお取りになって開業されたら良いですよ!」と、営業トークのような口調で(実際、講師の先生だった方で、当時本当にそう思われたのだそうです。大変失礼いたしました。)勧められたからではないのですが、「まあ、会社が終わった後の夜間の講座だし、授業料の補助もありそうだし、日曜日にも重複して受講もできるらしいし、とにかく通ってみよう!」と、即決したのでした。
変な話しですが、この時点で、行政書士という国家資格者は、具体的に何をする職業なのかを本当によく知りませんでした。まして、外国人の在留資格申請手続の代行が出来る唯一の国家資格者(日本では、弁護士が申請代行できるようになったのは、ほんの2年程前からで、長年のあいだ、もっぱら行政書士の独壇場の仕事だったのです!)であった事など全く知らなかったのですから・・・。
もし、私が見た夕刊の資格受験講座の広告が、司法書士や社会保険労務士などの資格講座であれば、間違いなく、その講座を受講していたと思いますし、それで、仮に合格(たぶん、合格はできないでしょうが・・・)したとしても、司法書士や社労士には決してならなかったと断言できます。それは、当時の私は、とにかく何か勉強でもして、充電がしたかっただけですから、勉強するテーマは、実際何でも良かったのでした。
本当に不思議な縁と言いましょうか、運命のような巡り合わせだと、今でもときどき思ってしまいます。
もう、開業して丸8年が経ち、9年目に入りましので、本当に様々な事件を処理して参りました。そして、何百人とは申しませんが、少なくとも、何十人かの方々の人生には、確実にお役に立つことが出来たと、自負している次第です。
まさに、天職のように巡り会った、この行政書士という、エンドレスに知識や情報を更新してゆかねばならない、決して楽ではない仕事ではありますが、今後も自己研鑽を怠らずに、引き続きクライアントの皆様に代わって、行政官庁への申請代行者、或いは、代理人として、お役に立ち続けることができるのであれば、本当に幸せな限りであります。