昨日、クライアント一家の帰化申請書類の事前審査の為に、山のような一連の提出書類を抱えて、横浜地方法務局に行きました。台風が来るという事だったので、30分近く早く到着した私は、待合室にあるTVで流されていた鳩山新総理大臣の所信表明演説を何となく聴いておりました。
ところがこの演説、少なくとも私にとっては中々の素晴らしい演説だったのです。実際の逸話を交えた、鳩山政治が目指すその方向性や基本姿勢が、実にはっきりと明白に打ち出せていたのでした。
社会的に弱い人々が絶望する世の中からの希望の持てる世の中への転換。人が人を生き甲斐を以て助け合える社会を目指す。これらの考えに賛同するかどうかは兎も角としても、実に明確なビジョンを鳩山首相は打ち出していたのでした。
ところが、野党である自民党、公明党や共産党曰く、具体性に乏しい内容で、抽象的だと酷評するばかりでした。所信表明演説で、具体案を説明する必要があるのでしょうか?具体案は、大臣や官僚達が総理のビジョンに従って、それを作り上げて行くべきものだと私は思うのですが・・・。
過去の所信表明演説は確かに、何かの説明はしていましたが、それこそ抽象的で、自画自賛のような数字の羅列の演説に終始しており、それこそ一国民としては欠伸が出るような内容ばかりだった記憶しかありません。
ところが、鳩山首相の演説は中々のものでした。新政権の姿勢や方針、その方向性が実に明白に見えた演説だったのです。ですから、当然野党からの野次や怒号が少なかったのです。
本当の強者は、何も政府からの庇護などは必要がない筈です。むしろ、過去に於いては政府からの干渉や介入を極力避けて来たのでした。それが、バブル崩壊以降、都合の良い部分だけを政府に頼ろうとする、米国のお馬鹿な高給取りの経営者のごとく振る舞う日本の経営陣が余りにも増え過ぎたことが、日本という国がここ20年で凋落した最大の原因のような気がしています。
どこかの御用学者だか政治屋だかに言われるままに、間違った米国式のスタンダードを採用してしまった事こそが、日本が凋落した最大の原因であると私は思うのです。
鳩山首相はそういった、誤った昨今までの路線を政治的に修正しようと表明したのだと、私には聞こえました。それを、「日本は社会主義国家にでもなるのか」と切り捨てた幾人かの政治家は、もはや政治家では無く、単なる政治屋にしか見えませんでした。
頑張れ!鳩山首相! 貴方の考え方どおりに行政機関を動かして機能させれば、日本という国は必ず復権し、復活します! そう言いたくなった、偶然に見た鳩山新総理の所信表明演説でした。