選挙カーが町中を候補者の名前を連呼して回り、候補者のダイレクトメールばかりが届いていたあの騒々しかった参議院議員選挙が終わって1週間が経った。なにか、あの喧騒は何ヶ月も前の遠い昔のことの様な気がしてしまうのだが・・・。
ところで、政治家をグー、官僚をチョキ、国民をパーとする、ジャンケンのような力関係がバランス良く構成できていれば、良い国家であると私は思っている。
つまり、グーである政治家が強すぎると、官僚は政治家の単なるお追従機関と成り下がって、下手をすれば国民を管理・監督するだけの機関となってしまう。これが圧政である。
次に、官僚機構が強すぎると、官僚のモラルが高い時代であれば機能することもあるのだが、いずれは自己保身や自己利益ばかりを考えるようになって行き、公金を流用したり、自らの地位を確保するばかりの政策立案に腐心して、国家国民の事を考えることなく国の衰退をもたらせて行くことになって行くのである。
前者は戦前の日本であり、後者はつい昨今までの日本に類似しているような気がする。
そして、昨年の衆議院選挙でもそうであったが、今回の参議院議員選挙でも、有権者である国民が選挙によって民意を政治に反映していると思えるような状況に、歴史上はじめて突入して来たような気がするのである。
つまり、自民党による政治は暫くはご遠慮頂きたい。民主党政治に期待はしてみたが、どうもはっきりとした政策が見えてこないので、任せっきりにすることはもはや出来ない。しかしながら、自民党政治に戻すつもりもない。かと言って、新しい小政党にも大きな期待はできない。などという感じの方々が実は一番多かったのではなかろうか。
昨年誕生し、期待の大きかった民主党に失望した彷徨える有権者が大変多かった今回の選挙戦ではあったのだが、唯一はっきりと国民が政治家に表明したことがある。
それは、東京選挙区の蓮舫議員の圧倒的な得票数であった。これを見る限り、民意は政府機関の無駄は徹底的に見直し、公金の流用とも思えるような隠れた施策は一切認められないという強い民意の現れであったと確実に言えると思うのである。
この一番大事な民意の現れを自覚していた政党が少なかったのは、まだまだ政治の混迷が続くのではないのかと思わせた選挙後の各党の対応であった。
とはいえ、徴税権や許認可権限など国民に対する強大な権力を持つ官僚機構に対して、唯一の影響力を行使でき、官僚達が執行官として正しくその使命を遂行するように国民の代表として目を光らせる事が出来る政治家を選出できるという、このありがたい制度を上手に行使して行く感覚こそが、これからの本当の成熟した国家への道なのかもしれないと思った今回の選挙結果であった。
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