私の老父は、慢性硬膜下血腫を患って外科手術を受け、無事に退院はしたものの、今現在療養を兼ねて某有料老人ホームにショートステイしている。
27日の日曜日に、カミさんと見舞いに行ったら、その93歳の父が、
「そろそろ、日の出時間が1年で一番遅くなる頃だから。」と呟いたのである。
「あれ? 今年の冬至は22日に終わったから、もう日の出時刻は早くなって、日の入り時刻は遅くなっているでしょう!」
と、私はとうとう父が惚けたのか思ったのである。
ところが父曰く
「いやいや、冬至の日が1年で日の出時間が1番遅いのではないのですよ。日の入り時間も同様でなのです。冬至は、1日の日照時間が短いというだけの暦なのです。」
「ええっ! 冬至、つまり今年で言うと12月22日が日の出時間が1番遅く、日の入り時間が1番早い日ではないっ! って言うの!」と、私、
「日没時間が1番遅いのは、冬至ではないのですよ。調べてご覧なさい。」と、再び父、
「んんん・・・、冬至の日が、日の出時間が1番遅いと思っていたし、日没時間が1番早いと思ってたんだけど・・・」と、どこか半信半疑の私であったのであった。
それは、記憶障害や麻痺が診られた為に、硬膜下血腫であることが判明したばかりだったので、もしかしたら再発したのか! とも思ったからである。
ところが、先ほど国立天文台の天文情報センンターのサイトの”今週のこよみ”で確認したところ、確かに父の言うとおりだったのだ!
つまり、東京都では日の出時間が最も遅いのは、12月27日から1月14日の間で、時刻は6時50分となっているのだ。ちなみに、冬至の12月22日の日の出時刻は、6時47分で3分ほど早いのである。
一方、日の入り(日没)時刻も、11月29日から12月13日までの間が、16時28分で最も早い日の入り時刻であって、12月22日の日の入り時刻は16時32分であって日の入り(日没)時刻が4分程遅いのだ。
「んんん・・・、知らなかった。 冬至の日が日の出時刻が最も遅く、日の入り時刻が最も早いと思っていたのに・・・」
来月94歳を迎える惚けかかった老人かと思っていたのだったが、さすが東京物理学校(現、東京理科大学)応用物理学科卒業だけのことはあるようだ。