行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする25年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

消費税だけになったらどうなる?

2008-08-28 00:28:12 | 社会・経済

 もし、所得税が全廃されて、消費税のみの社会になったら、一体どうなるのだろうか?

 仮に、消費税率を30%として、夫婦2人の所得が月額30万円で、その全額を消費しているとした場合、支払っている税額は月額9万円、年額で108万円となり、所得に対する税率はそのままの年率30%となります。

 一方、夫婦2人の所得が月額300万円で、月60万円を消費している場合、支払っている税額は2倍の18万円となりますが、税率で言いますと僅か6%です。そこで、毎月の消費額を倍の120万円に増やせば、支払う税額も4倍の月36万円になります。しかし、それでも所得に対する税率は僅か12%です。つまり、今の所得税・住民税合計の税率の数分の1の程度の税率に下がってしまうのです。

 更に、この夫婦が、残りのお金である月額180万円を全額貯蓄したとすると年間2,160万円貯蓄できます。それを30年間続けたとすれば、何と6億4,800万円になります。これに利息を加えれば、おそらく10億円前後になるかと思われます。そして、この夫婦がこの10億円を一人息子に贈与又は相続をして、その時に贈与税や相続税が全くかからなかったと仮定すれば、この一人息子は30歳で、何もせずに10億円の資産を持つことになります。これが消費税の実態なのです。

 現在の所得税制は、累進課税制度を採用していますから、所得額の多い者ほど税率が高くなっています。つまり、社会的・経済的に強い者にはハンデを付けて社会的なバランス調整をしている訳です。ところが、この消費税という税制は、税率で見る限り、強い者が絶対に有利な税制度なのです。累進税率を緩和させて、ハンデを少なくするどころか、強い者がより強く・有利になる税制度なのです。

 アメリカでは、所得税率が日本より低いので、経済が活性化すると言う専門家が多くいますが、本当にそうなのでしょうか?アメリカではマイクロソフトのビル・ゲイツ氏をはじめとするビジネスでの成功者は、その莫大な資産の多くを、いとも簡単に寄付したりします。また、芸能人やスポーツ選手、マスコミ関係者などの有名人もポケットマネーを当然のように寄付します。

【芸能・スポーツ・マスコミ関係者の寄付金額ランキング】

  1位 オプラ・ウィンフリー(司会者)5020万ドル
  2位 ハーブ・アルバート(ミュージシャン)1300万ドル
  3位 バーブラ・ストライザンド(ミュージシャン)1100万ドル
  4位 ポール・ニューマン(俳優)1000万ドル
  5位 メル・ギブソン(俳優・監督)989万ドル
  6位 アンジョリーナ・ジョリー&ブラッド・ピット(俳優)840万ドル
  7位 ランス・アームストロング (スポーツ選手)500万ドル
  7位 マイケル・ジョーダン(元スポーツ選手) 500万ドル
  7位 エリック・リンドロス(スポーツ選手)500万ドル
10位 ラッシュ・リンボー(ラジオ司会者)420万ドル

 こういった慈善行為に対して、アメリカ社会は特に驚いたりはしません。寧ろ、社会人として当然な行為と受け取られているようです。それは宗教観の違いなのでしょうか、社会的に強い者達は、当然に社会に還元すべきだと社会全体が思っているようです。

 しかし、ここ日本では、にわかIT成金の〇X衛門さんや海外に会社を移した元官僚の投資ファンドオーナーの△Xさんが、このように寄付をしたとは聞いたことはありませんし、将来そのような事をするとは到底思えません。せいぜい、相続税や贈与税を下げろと、逆に日本政府に文句を言いそうな雰囲気です。

 仮に将来、消費税率がどんどん上がって、所得税、贈与税、相続税が逆に下がるようになれば、日本とういう国には未来がないような気がしています。おそらく日本という国は、どこかの国でみかける、数%の人々が90数パーセントの人々を支配するという国に成り下がってしまうような気がします。日本が、その方向へ少しずつ進んでいるかのように見えるのは、私だけの錯覚なのでしょうか?

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頑張れ!益田由美アナウンサー

2008-08-21 12:23:40 | テレビ番組

 その昔、”なるほどザワールド”なる海外を紹介するフジテレビの超人気番組がありました。その番組中で、突撃レポーターとして”ひょうきん由美”の愛称で、タレントのように振る舞っていた益田由美アナウンサーという方がおりました。その愛称のとおり、美人女子アナというよりは(決して美人でないとは言っていませんよ!)、お笑い系の若手女子アナ、体力系レポーターで親しまれていた方でした。40歳以上の方では、ほとんどの皆さんがご記憶のあるアナウンサーだと思います。今でいうところのタレント女子アナの走りのような方でした。それに確か、1954年生まれの私と同じ頃の年代だった記憶があり、何となくその動向が気になっていた方でした。

 そんな人気アナも、バブルが弾けた頃からだったでしょうか、いつの間にかブラウン管から姿が消えてしまい、過去の人になっていたのでした。いや、厳密に言ったら違うかもしれませんが、少なくともゴールデンタイムや祝祭日の人気TV番組に顔を出すことはありませんでした。やはり、女子アナのタレント化では著名なフジテレビの事ですから、事実上辞めさせられたのかなぁ・・・、或いは寿退社なのかなぁ・・・、でもそんな話がゴシップ記事に載っていなっていなかったようだしなぁ・・・などと思っていたのでした。

 ところが、最近朝方の某番組での中で”とうきょう歩き”のレポーターとして出演しているではないですか!それも、渋い、味のあるレポーターになっていて。大変愕くと共に、懐かしい同級生に巡り会ったような感じがしたのでした。勿論、当時のような”ひょうきレポーター”ではなく、某国営放送のような落ち着いた町歩きのレポートぶりにちょっと感動しました。

 ところで、その昔フジテレビは女子アナを正社員として採用していなかったようで、この益田由美さんは当初は契約社員だったのだそうです。70年代80年代生まれの女子アナが跋扈する今日この頃で、50年代生まれの生まれの女子アナがニュースとかの報道番組ではなく、民放の一般番組で生き残っているのは本当に希ではないかと思います。

 そういえば、最近フジテレビでは阿部千代さんとか松尾さん田代さん小幡さんといった60年代生まれ?の女子アナ方々を、おやって言う感じで時々拝見することがあります。以前はタレント並に使い捨てされていた?と思われるような使い方をされていた女子アナの方々ですが、どうもフジテレビではアナウンス部等の内部改革が進んでいるようです。これも、益田さん達の地道な頑張りによるものなのでしょうか・・・。同年代として、今後も応援して行きたいと思っています。

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昔の負け組は、今の勝ち組?

2008-08-15 10:34:39 | 日系人について

 ある同業の方と共同して、某南米系の巨大企業の仕事をすることになった。その会社に働く人々は、都心の一等地のビジネス街に通い、英語も話すので、欧米諸国のビジネスエリート達と何ら変わりのないリッチな方々である。愛知県、神奈川県、そして群馬県などでみかける南米系の日系人とは、まったくの別世界に住んでいるエリート達である。いわゆる、経済的な勝ち組といえる方々である。

 ところで、63年前の今日8月15日に、日本は現国連の常任理事国を中心とする連合国に対して無条件降伏を受諾して敗戦した日である。その敗戦が海の向こうで新たな悲劇を生んだ事は意外と知られていない。そして、今となってはその事を敢えて誰も語ろうとしないようだが・・・。

 本来の”勝ち組”とは、第二次大戦終戦直後に、その南米某国政府より情報を遮断された一部の狂信的な日系人移民達の間で「日本が戦争に勝った」と思い込んだ過激な日系人グループの事を指すのだそうだ。つまり、経済的に勝ったか、負けたかでは無く、日本が戦争に勝ったと思い込んだグループを”勝ち組”と呼び、負けた事実を知っていたグループを”負け組”と呼んだようだ。

 当時欧米諸国と交易をしていた比較的裕福な日系人達は”日本が全面降伏した”という正しい事実を知っていたのである。それに対して、某国政府から敵国民とされて、日本の情報を完全に遮断されてしまった低所得層の日系人グループは、何を間違ったのか「日本が戦争に勝った」というデマに踊ってしまったのであった。勝ち組の日系人グループは”日本が負けるはずなどない”と怒って、日本の敗戦を主張した”負け組”である裕福な日系人に対して襲撃事件を起こし、殺傷事件まで起こすように事態にまで発展してしまったようである。それは、単なる日本人の誇りとしての怒りだけではなく、実際は、貧富の差に対する怒りでもあったようだ。

 ところで、残念ながら、グローバリゼーションの帰結なのであろうか、日本に住んでいる南米系日系社会にも、今で言うところの勝ち組、負け組が歴然と存在しているようである。勿論、あちらの本場南米日系人社会でも、お手伝いさんや家事使用人を沢山抱えた経済的な勝ち組の日系人と、低賃金で日夜苦労して、日本に出稼ぎに来なければならないような経済的負け組の日系人とが歴然と混在しているようである。

 この同業の方には、私の持つノウハウを無償で提供する代わりに、報酬額の多少に関わらず日本での生活に関する手続きや相談に協力して欲しいとお願いしている。そうして頂ければ、私としては、とても有り難い話しなのである。

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新型インフルエンザは、やはり流行する???

2008-08-12 01:11:53 | 街で聞いた話

 つい最近のこと、「厚生労働省は医療従事者を中心に検疫官、空港警察官など感染リスクの高い職業から選ばれた計6400人に対し、免疫持続性や副作用といった研究の一環として、新型インフルエンザの予防接種を試験的に開始した。来年春までにデータを解析し、ワクチンの有効性と安全性が確認できれば、社会機能の維持に必要な職業の人を優先し、段階的に1000万人へ事前接種する計画にしている。」こんな、物騒な新聞記事が目に留まったのである。

 やはり、全世界で感染者6億人、死者4000~5000万を出したスペイン風邪のようなインフルエンザは、現実に流行するのであろうか?そうなれば、只でさえ風邪をひき易い私などは、真っ先に罹患して、あっという間に死んでしまうような気がするのだが・・・。

 そうなっては大変!!!・・・とばかりに、早速パンデミック対策グッズ(http://thumbnail.image.rakuten.co.jp/s/?@0_gold/bousaikan/img/432001.jpg)をネットで発注してしまった。それが昨日届いたのであるが・・・。

 ところが、このパンデミック対策グッズを着用した姿は、映画に出てくる汚染処理班の防護服のような格好であり、とても町中を歩くわけには行かないのである。苦し紛れに、カミさんに「食料の買い出し用だよ!」と言ってはみたものの、実際本当に流行し出したら、店舗もほとんど閉まってしまっていることであろうし、こんな格好の客は店の中には入れてはくれまいと思うのである・・・。ふぅん~む、困まったものである・・・。

 やはり、インフルエンザの流行が沈静化するまでの約1ヶ月間、家から外出せずに、じっと家に居るしか手はないのかもしれない。ちなみに、実は高性能の医療用マスク20個ほども、既に買い込んでいる私なのだ(>_<)。ちょっと、やり過ぎでんなぁ。

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歴史は繰り返される?

2008-08-06 00:36:12 | 社会・経済

 1979年1月、1バーレル12ドル前後だった原油価格は急騰して、80年には1バーレル38ドルの歴史的な高値を付けました。

 その昔、原油価格は1バーレル1~2ドル程度でした。しかしアラブ諸国をはじめとする産油国は彼等自身の石油採掘権を国際石油資本であるメジャー7社から奪還し国有化しました。原油価格はその後インフレと共にじわりじわりと上昇し、1977年にはやっと1バーレル10ドルを超すようになったのでした。ところが、原油価格はその後1年半程度の短期間であっという間に3倍を超したのでした。当時としては、異常な高値だったのです。そして、その高値の原因は、明らかに投機マネーによるものでした。

 80年に1バーレル38ドルもの高値を付けて、50ドル超もあり得ると言われた原油価格は、その後じりじりと値を下げ、82年頃は再び30ドルを割りました。そして、85年には高騰する前の価格であった1バーレル12ドルまで値を下げたのでした。その後、1986年~99年までの原油価格は、17ドル~19ドルと安定して推移していたのでしたが・・・。

 ところが、中国・インド・ロシア・ブラジルなどの新興大国の急速な経済成長により原油価格は、2000年~2003年では、24ドル~28ドル、2004年~2006年では、30ドル~50ドルと、徐々に上昇して来ました。

 そして、2007年の夏、原油価格は1バーレル60ドルから急騰を始めて、2008年の年初には、ついに1バーレル100ドルを超えるような歴史的な高値になってしまったのです。昨日のニューヨークのWTI先物原油価格動向は約120ドルですから、それでも17ドル~19ドルで推移していた頃の6~7倍です。147ドルまで上昇した原油価格は、ここ数週間でいくらか値を下げているようではありますが、それでもまだまだ高値です。一部には、年末冬に向けてまた上昇するとの声もありますが・・・。

 こんな高値を続けている原油価格と、今後の市場価格の動向を聞いていて、私は”オヤっ”と思ったのでした。つまり、80年当時に起きた原油価格高騰の時の投機マネーの動きに実によく似ていたからです。

 これは飽くまでも推測に過ぎませんが、もし歴史が繰り返されるのならば、来年2009年には原油価格はピークを迎える(或いは、もうピークは過ぎているのかもしれませんが・・・)筈です。そして、それ以降は原油価格はじりじりと下落が始まり、2011年には100ドルを割り、2014年頃には、再び1バーレル40ドル前後の価格に落ち着きます。

 ちなみに、当時の金の国際価格も1オンス280ドルだった価格が原油高につられて800ドル以上の高値を付けたのでした。その後は、原油価格の暴落につられて、結局は1985年には元の価格に近い1オンス300ドル程度まで急落したのでした。その後は、1オンス400ドル前後で2003年まで安定して推移していました。従って、金価格も同じように1オンス400ドル~500ドルの価格帯に落ち着いたとしても何ら不思議はありません。

 こんな時期にFXなどを始めたら、確実に大損するような気がします。それは、異常な一本調子の原油高だったのが、ここへ来て陰りを見せているからです。こんな時に限って、商品先物取引業者は取引の勧誘をますます強化します。それは、まるでトランプのばば抜きで「機関投資家が売り逃げして値崩れするのを防ぐために、素人さんはばばを引け」と囁いているように私には聞こえるのですが・・・。

 私は、経済アナリストでも評論家でもありませんので、原油や金の国際価格がどうなるか、確かな事は何も分かりません。しかし、歴史は繰り返すという言葉が妙に私の頭の中で踊っているのです。世界恐慌、バブル経済の崩壊、サブプライム問題とその形態、手法は変わっていても、投機経済の破綻へのプロセスはいつも同じにように見えるのは、私だけの錯覚なのでしょうか?

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