行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

外国人社員の一番多い離職理由とは(シリーズ 第28回)

2009-08-24 10:13:20 | 行政書士のお仕事

 社員の多くが博士号を持つような、某会社の社長に、外国人社員の転職でボヤかれてしまいました、

「先生、ご無沙汰しております。実は、昨年先生に在留資格の手続をして頂いた△△人のXXの件でちょっと伺いたいのですが・・・」

「はい、何でしょうか?」と私。

「本人は、帰国すると云っているのですが退職証明書を出してくれって云うのですよ。多分転職するような気がするのですが、先生、何かご存じないでしょうか。」

 退職証明書は、新しい勤務先で取得する就労資格証明書の申請や在留期間更新申請の時に必ず必要となる書類である。本当に帰国するのならば、退職証明書などは不要なのである。寧ろ、次の就職先用の英文推薦状でも書いて欲しいと言う筈である。

「退職証明書ですか・・・。うう・・・んんん。これは、やはり転職でしょうね。」

「やっぱり、あんなに面倒を看てやったのに。それに、もう少ししたら待遇も考えてやるつもりだったのに・・・。やっぱり、外国人は使い難い・・・。」

「社長!おそらく、XXさんは社長がちっとも認めてくれないと勘違いしていたところに、条件の良い話が舞い込んだのだと思いますよ!きっと。」

「外国人は、どうも我慢が足りない!もう少し待てば、それなりの待遇にしてやるつもりだったのに・・・。そうか、今の若い奴らも同じようなものだしなあ・・・」と、さすがにご自分のコミュニケーション不足に気付かれたようでした。

 経営者と外国人社員との価値観のズレや意思疎通不足による、人材流失の典型例です。

 彼等、外国人は一般的には業務成績を上げた場合、給料やらインセンティブなど即時の結果を求める傾向にあります。それは、終身雇用制度が長かった日本企業の経営者の方々からみれば、実に短絡的に見え、”がめつい”との誤解を受け易いのですが、必ずしもそうではありません。

 彼等は、必ずしも金銭的な評価のみを期待している訳では無いのです。しかし、日本人的な評価方法による、”この功績は遠くない将来、必ず評価する”という手法は、実は日本でしか通用しない評価方法であり、結果として彼等外国人を失望させることになってしまう可能性が高い手法なのです。

 残念ながら、この会社さんとは在留資格手続きの個別契約だけで、外国人社員に関わる顧問契約はさせて頂いておりませんでした。

 一方、別なケースで、今度はC国のM君から相談を受けたのでした。

「先生、僕、転職しようと思うのです。もっと時給の良い会社に転職しようと思うのですが・・・。」

 私は、彼の上司でもある日本人のY氏から、彼を高く評価しており、近い将来彼を引き上げるつもりだと聞いていたので、ちょっと驚いたのでした。

「どうしてなの?だって、M君はYさんの重要なアシスタントだし、Yさんの評価も高いと思うのだけど・・・」

「いやぁ、そんな事は無いと思う。Yさんは、課長から今は取締役◇◇になったのに、僕は未だに正社員じゃないし、給料も上がってない!Yさんは、僕を評価はしてくれていないと思う。」

 実は私、この会社さんとは顧問契約をしていて、YさんがM君を社員として引き上げる為に、今現在様子を見ている事をYさんから聞いて知っていたのでした。そこで、

「M君さあ、日本ではね。社員に対する評価ってのはね、直ぐには行われないんだよ!評価はね、場合によっては、数年後になる場合もあるんだよ。石の上にも3年っていう格言があってね。直ぐに評価しない会社が多いんだよ。知っている?」

「本当ですか?何か信じられないなあ。今のままでは、一生懸命頑張り続けても、いつになったら評価してくれるのだろうか・・・先生。僕の奥さん(日本人)も、転職した方が良いと言っているし・・・。」

「M君さあ、私は日本人ではあるけれど、M君の国のC国やM国、S国、それにこの日本でも勤めた経験があるんだよ。だから、M君よりもず~と日本の会社や世界の会社の事を知っているんだよ。だからさ、騙されたと思って、あと1年間だけ我慢して、Yさんの下で頑張ってみてご覧よ。」

「ん~~」と、ちょっと躊躇していたM君でしたが、

「分かった先生。もう少し頑張ってみるよ。」

 そして、私がM君にこの様にアドバイスしてから半年後、幸いにもM君は正社員になりました。しかも、その後6ヶ月も経たない内にあのリーマンショックが起こったのでした。そんな事があった後のある日、M君に早々と永住許可が降りたので旅券を受取に再び事務所にやって来たのでした。

「先生にアドバイスされた事を守って良かったよ!本当に感謝している。」

「それは良かったね。もし、高い時給に目が眩んで転職していたら、今頃は他の日系人と同じように失業していたかもしれないね。」

「本当に、そのとおりです。ありがとうございました。先生、また何かあったら相談してもいいですか?」

「ああ、どうぞどうぞ。M君は古いクライアントでもあるし、会社さんもクライアントだからね。どうぞ、何か心配事があったらいつでも来て下さい!」

 この様に、有望な外国人スタッフの流失を防ぐための、目に見えないカウンセリングも、外国人雇用・採用コンサルタントの仕事なのです。

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年金受給資格の加入最低年数を10年に!

2009-08-19 01:28:14 | 社会・経済

 今月末の30日には日本国民は、今後の日本という国の運営を自民党・公明党に引き続き任せるのか、或いは、野党の民主党を中心とした勢力に任せてみるのかの選択をしなければなりません。

 分からない、或いは期待できないから棄権する人も居るようですが、選挙に行かないという事は、実質的には今の政治への信任と同じ行為であることを忘れてはいけないと思います。

 ところで、与党側のマニフェストに年金受給資格の為の年金加入期間年数を、現行の25年から10年に検討するというような記事が書かれてありました。

 この政策について言えば、個人的には大賛成です。と、いうか早急に検討すべき政策だと私は思うのです。

 おそらく具体的な数値は無いでしょうが、在日外国人の方々のうち、二国間協定で自国の年金加入期間として認められる一部の外国人の方々を除くと、年金に加入している者はおそらく50%にも満たないと思われます。

 それも、永住権(特別永住者を除く)を持っている外国人に至っては、おそらく30%にも達していないものと想像します。

 その考えられる年金加入率の低い最大の理由として、永住権を取得してしまった後、年金が受給できる為の加入最低期間である25年間もの気の遠くなるような長期間を日本に居住し続けられる外国人が極めて少ないが為に、結果として、殆どの外国人の方々が年金を脱退してしまうからなのです。

 おそらくこういった年金未加入外国人、或いは、年金脱退外国人の総数は100万人以上いると思われます。

 こういった外国人の方々にとって、日本人とご結婚されているような方々を除けば、25年間もの長期間、国民年金や厚生年金を払い続けることなど、常識的に考えてみれば到底容易なことではありません。それこそ、年金を払い続けても貰えないのではないかと外国人の方々が思うのは至極当然な事なのです。

 一般的な永住許可要件の一つに、10年間以上日本で留学及び就労し、そのうち5年間以上就労した者が永住申請できる(日本人と結婚した方々等の場合には、例外規定があります。)とありますから、これら永住を希望する外国人の方々の年金制度未加入、或いは、脱退を防止する意味でも大変重要な施策だと私は思います。

 もし、将来何百万人もの外国人が新たに来日して、日本に永住するようになり、彼等だけが年金制度未加入者となってしまった場合、例えば、今回大量に解雇された日系外国人永住者のうち、高齢者の方々のような場合には、政府としては生活保護支給で対応するしか方策がなくなってしまうからです。

 そんな何百万人の外国人生活保護者の為の予算を、簡単に確保出来るなどとは到底思えません。そうすると永住外国人を切り捨てるという、最悪の選択肢しか無くなってしまうのです。

 野党側も政策として、この問題を早急に検討すべきだと私は思います。日本という国が本当に国際社会の中で生きて行きたいのであれば、この問題は当然真剣に考えるべき重要なテーマである筈です。

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暑苦しい夏の夜にお安く楽しめる、ノスタルジックアーティスト達の今昔映像

2009-08-14 00:40:05 | デジタル・インターネット

 世間では、夏休みとかやらで、ご旅行にお出かけの方々やら、帰省している方々が多いのでしょうね・・・。

 私はといえば、残念ながら旅行に出かけるほどの余裕も時間もないので、退屈凌ぎに暑苦しい夏の夜長に、インターネットでYou Tubeを見ております。

 こうして見てますと、懐かしのミュージシャンやらの今昔画像に、遭遇する事が出来たりして案外と楽しめるのです。

 例えば、この1947年生まれのオジさん、皆さんご存じでしょうか?

</object>
YouTube: James Taylor You've Got A Friend

 なかなか味のある歌い方だと思うのですが・・・。

 私は、曲を聴いたら、直ぐに分かりましたが、

 でも画面だけですと、

 「だれだ!このオッサンは?」という感じでしたが・・・。

 ちなみに、このオジさんが24歳の時に、同じ曲を歌っていた時のシーンです。

</object>
YouTube: James Taylor & Carole King - You've Got a Friend (HQ) (Uploaded by Tornike Ivanishvili)

 私も、この頃はまだ17歳でして、こんな風に長髪にして時代があった(-_-;)ようです。

 一方、さっきのオジさんより10歳ほど若い、どちらというと私の年代に近い方で、おそらく今でも女性達に愛され続けている、あの名曲を作詞・作曲した方の画像も見つけました。

</object>
YouTube: 尾崎亜美「オリビアを聴きながら」.wmv

 たまに、ご自身の歌を歌うときには、必ずピアノを弾きながら歌いますので、個人的にはなかなか味があって好きなシンガーでもあるのですが・・・。

 楽曲を提供してヒットさせたシンガーのイメージが強すぎるのでしょうか、意外とこの方をご存じない人が多いようです。

 最後に、こんなお洒落なグループもいましたっけね!

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YouTube: ミスター・サマータイム サーカス UPC‐0118

 当時よりも、今の方がかえって上手くなったような気がしますが・・・。

 この暑苦しくてなかなか眠れない雨が多い今年の夏の夜に、皆さんお気に入りのノスタルジックアーティストの今昔を見比べるなどして、お安く楽しめる夏休みを過ごしてみては如何でしょうか?

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DNA鑑定書(シリーズ 第27回)

2009-08-07 09:40:00 | 行政書士のお仕事

 滅多にあることではないのだが、DNA鑑定書を立証資料として添付する場合がある。

 一般的には親子関係を立証す為には、STR(短鎖縦列反復配列)法という検査方法が最も良く用いられるようである。

 染色体DNAの場所を表す領域をローカス(LOCUS)と呼ぶそうだが、ヒトにはこのローカスが約150万存在するらしい。そのローカス塩基それぞれに1対2つの反復回数単位があり、一つは父親から、もう一つは母親から必ず受け継がれているのである。(以下の図参照)

Samplednaexamen_3

 上記のサンプルで見られるように、子のローカス(真ん中)には、父親のローカス(右側)の一対の一つの反復回数単位を持つ塩基(緑色)が必ず一つ組み込まれている。また、同様に母親のローカス(左側)の一対の一つの反復単位を持つ塩基(ピンク色)も必ず一つ組み込まれているのである。

 では、実際に行われた鑑定(海外)の場合だと、次のような鑑定結果が得られるのである。(以下の図参照)

Examendnaconclusion

 擬父(Suposto  pai)の対の反復回数単位を持つ塩基のうち、13.2、18、10、11、11、10、12、21か15、11、32.2か30、12、15、10、3.2、20、23、8、7、11、20とローカス20領域のすべてに対して、擬父の持つ塩基の一つが必ず子(Filho)に受け継がれていることがはっきりと分かる。

 従って、この鑑定書の結論の部分に書かれてあるとおり、99.99%の確率でこの擬父はこの子の生物上の父であるという検査上の推論が出せるようだ。

 勿論、これら検査の為の検体の採取方法が厳格でなければ、たとえ検査結果が99%以上であっても、折角の親子関係の信憑性に重大な疑義が持たれしまうのである。

 ちなみにこの検体採取では、公証人が検体対象者、医師2名の身分を確認の上、検体の採取と封印に立ち会っており、それを公正証書にして貰っているので、信憑性は極めて高いのである。

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SEO対策とは言うけれど・・・

2009-08-03 09:53:00 | デジタル・インターネット

 趣味と言うべきなのか、実は私は以下の7つ(うち、外国語のHP1つと携帯用1つ、それに私が協力しているある業務のHP1つ)のホームページを開設している他、ブログ1つを落書きのように時々書き綴っている。 

 1. http://www.nakamura.jimusho.jp (外国人雇用・採用関係)

 2. http://www.nakamura-office.com (プラス、就労者人口、公正証書、相続関係)

 3.  http://www.nakamura-jimusho.biz (会社設立手続関係)

 4. http://www.nakamura-office.biz (雇用できる外国人、雇用できない外国人一覧)

 5. http://www11.ocn.ne.jp/~jpconsul (本格カレーハウス開業コンサルティング)

 6. http://elegibilidad.web.fc2.com (スペイン語 在留資格)

 7. http://inmigracion.web.fc2.com (スペイン語携帯サイト用 永住)

 8. http://nakamura-office.blog.ocn.ne.jp/ (ブログ)

 これらのホームページ等すべては、まさにハンドメイド(勿論、市販のソフトを使っています。)で製作したもので、当然ながら私はプロではないので、デザインセンスには全く欠けている。というか、一見してのド素人の仕事なのである。

 更には、複雑なSEO対策なるものは、特に行っていない(というか、出来ない!)のである。しかし、それぞれのホームページでは、専門的な内容の記事に特化しているので、結果として検索にかかり易いようである。

 例えば、「外国人雇用・採用コンサルタント」とGoogleやYahooで検索してみて頂くとお分かりになると思うのであるが、私のホームページ数本が、ずらっとトップに並んでいるのをご覧になることができると思う。

 ちなみに、私は外国人雇用・採用コンサルタントとしては、日本ではそこそこの存在だとは自負はしているのではある。だから、特にホームページに何らかの仕掛けをした訳でも何でもないのである。ただ単に、外国人の雇用・採用について、一般企業の方々がご理解頂けるような多少専門的な内容を含んだページを書いているに過ぎないだけなのである。

 しかし一方で、不思議なのは、私は経済学者や評論家でもなく、ましてや金融機関に勤務していたこともないのであるが、Googleで「経済危機 原因」と検索すると、並みいる経済誌系の記事や経済通のブログよりも、なぜか私のブログの記事が上位というか、トップに出てくるのである。

 また、同じくGoogleで「東京都行政書士会 会長」と検索すると、日本行政書士会連合会のホームページの次に、私のブログ記事が表示され、東京都行政書士会のホームページよりも上位に出て来てしまうのである。尤も、私のブログ記事の内容がそれなりには面白いのかもしれないが・・・。

 まあ、要するにプロが言うようなSEO対策なんていうのは実際はあてにならず、内容のあるホームページや面白いブログ記事で構成されない限りは、検索しても絶対に上位に並ばないという事なのだと私は思うのである。

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