行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする26年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

WBC日本人プレーヤーに見る運と実力!

2009-03-26 02:54:37 | スポーツ

 ”運も実力のうち”と、良くいわれますが、WBC決勝戦の日本代表チームで、それを3回も見ることが出来ました。

 先ずは、リリーフとして登場したダルビッシュ有が連続二四死球を出した場面でした。制球に苦しむダルビッシュに、更に四死球を出されたら満塁となり、日本チームが完敗する危険が高かった筈です。しかしながら、一方では投手を交代させても、その投手が必ずしもバッターを押さえ込むという確証がある訳でもなかったのです。監督によってはピッチャー交代という選択肢を採る事も采配の一つだった筈です。

 仮に、ダルビッシュが二四死球を出した後、崩れて大量失点した場合を考えると、原監督もダルビッシュも共に、優勝できなかった最大の原因として言われることは間違いないと思われます。

 ところが、結果はご存じのとおり、同点にはされましたが、相手を勝たせる失点はならなかったのです。この起用方法について、原監督は褒められてこそすれ、非難されることはあまり無いと思います。

 そして、二四死球の後、踏ん張って押さえたダルビッシュも評価はされても、非難されることは無いのです。勿論、打たれていれば、非難される事は必死の状況だったと思います。そうゆう意味で、二四死球を出した後、踏ん張って押さえたダルビッシュのシーンと最後のバッターを打ち取ったシーンがそれに繋がります。彼には、勿論実力もあるのでしょうが、やはり運があると私は思ったのでした。

 そして、やはり極めつけはイチローです。今回のWBCは、本人も言っているように、日本チームの足を引っ張った場面や試合が確かに多々あったと思います。それが、同点延長10回の表で、あのランナー1塁3塁の場面に登場できたのです。そして、驚いた事に、1塁ランナーが2塁に盗塁して、1塁ベースがポッカリと空いてしまったのです。セオリーどおりならば、当然敬遠策が採られる筈です。ところが、韓国チームは、何故かイチローと勝負に出たのでした。

 私は、この場面を見ながら、

 「ここで凡打したら、イチローはボロクソに言われるだろうなぁ。」

 「でも、ヒットでも打って、それが決勝打点になったら、今までの不振はすべてチャラになっちゃうんだろうなぁ。」

 と、考えていたのでした。しかし、イチローはファールで粘りに粘っていたのでした。

 「そうか!フォアボールでも、ここは彼の役目どおりだし、褒められても非難はされないよなぁ。」

 と思っていた矢先でした。ご存じの通り、2点タイムリーヒットを打って、これが決勝打点になって、この試合のヒーローとなり、日本を優勝に導いたのでした。もし逆に、イチローが敬遠されていれば、もしかしたら韓国が勝っていたかもしれないのです。そう考えると、イチローの世界的な強運と言おうか、世界的な実力を感じたのでした。

 原監督やダルビッシュも、人並み外れた実力と運は確かにあるのですが、やはり世界のイチローの実力と運は並大抵の人間が持っている運ではありませんでした。あの場面を持って来られる運と実力というのは、やはりスパースターでしかできない芸当だと思います。

 かつて、ON(王や長嶋)に打たれた投手達が、

 「誰も、好きこのんで長嶋さんや王さんに打たれる投手なんかいませんよ!寧ろ、他のバッターに対してより更に、全神経を集中して、全力で投げるのですが、なぜか玉が甘いコースに行ってしまうのですよ!信じられないでしょうが・・・。」と答えた選手がいました。

 まさに、その通りなのです。実力のある者というのは不思議と、こういった場面を自ら呼び込む能力があるらしいのです。千両役者なんて言われますが、こうした場面を自ら作って、その期待に答えてしまうから実力者は凄いのです。つまり、”運は確かに実力のうちなのだ”と再確認出来た今年2009年のWBC決勝戦でした。

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上陸特別許可(シリーズ第20回)

2009-03-24 01:40:55 | 行政書士のお仕事

 入管法の第5条には、いわゆる入国拒否に該当する外国人について書かれてあります。例えば、以下のような外国人は入国(上陸)を拒否されます。

 1.政令の定める感染症患者

 2.省令が定めるものが随伴しない著しい精神能力の不十分な者

 3.貧困者、放浪者で地方自治体の負担のおそれのある者

 4.1年以上の懲役又は禁固刑に処せられた事のある者

 5.麻薬、大麻、覚醒剤、向精神薬等の取締に関する法令に違反して刑に処せられたことのある者

 5の2.フーリガン

 6.麻薬、大麻、覚醒剤、向精神薬や吸引器具を不法に所持する者

 7.売春又はその斡旋、勧誘業務に従事したことのある者

 7の2.人身取引等を行い、又はこれを助けた者

 8.銃刀法などを不法に所持する者

 9.イ.上陸拒否者で、拒否されてから1年間経過をしていない者

   ロ.退去を強制された者で、退去から5年経緯かしていない者

   ハ.第24条により退去された者で、退去から10年を経過していない者

   ニ.出国命令により出国した者で、出国から1年を経過していない者

 9の2.窃盗などの刑法犯で、判決確定日から5年を経過していない者

10.24条4号の政治的な破壊活動もしくは暴力活動により退去強制された者

11.政府を暴力により転覆・破壊することを主張する団体の構成員又は結成者

12.公務員を暴行・殺傷したり、公共施設を損傷・破壊したり、或いは、安全保持施設の運行を妨げるような団体と関係を有する者

13.政府転覆目的の印刷物、映画、文書などを作成し、頒布することを企てる者

14.その他法務大臣が公安を害する行為を行うおそれがあると認めるに足りる者

 以上に該当する外国人は、原則として日本への入国を拒否される事になります。しかし、日本人と婚姻しているような場合で、かつ、法務大臣(実際は、入国管理局の担当官ですが・・・)が、特別に上陸(入国)を許可すべき事情があると認めるときには、法律では入国(上陸)が出来ない外国人に対してでも、特別に入国を許可する事があります。それを担保する証明書がこの赤字で7-1-4と加筆された在留資格認定証明書です。

Img081030

 この証明書を根拠に、在外日本大使館で査証(ビザ)の発給を受けることができます。この赤字の意味は、入管法第7条第1項4号にある”当該外国人が第5条第1項の各号にいずれも該当しないこと。”つまり、前述の上陸(入国)拒否理由に該当しませんよ!という意味なのです。どうしてかと言いますと、上陸拒否者は当然に拒否者リストに掲載されていますから、たとえ入国管理局から在留資格認定証明書が交付され査証(ビザ)を発給してもよい旨の指示が出ていたとしても、上陸拒否者ですから明らかに法に矛盾します。そこで、そういった入国審査上の混乱を避ける為に、敢えて赤字で加筆して”入管法12条の上陸許可を出しますから、5条1項各号の上陸拒否者にはもう該当していませんよ!つまり7条1項4号対象者ですよ”という注意書きなのです。

 更には、入国(上陸)の際に入国審査官とトラブルとならないよう、予め該当上陸者のフライトスケジュールを入国管理局に知らせることになっています。

 法律上は、入管法第5条第1項の各号が定める上陸拒否理由を立てにして入国拒否もできるのですが、特別な事情があれば認めるという柔軟な判断をして貰える、ある意味では話の分かる役所でもあるのです。但し、ほんの6~7年前までの入国管理局は、世界的にも至って評判の悪かった事を考えれば、ある意味では今現在は大変柔軟性のある官庁に変身したような気がしています。

 以前、とある弁護士さんは、入管は裁判で負けそうになったら許可を出してくる、などと言っていたのを思い出しました。しかし昨今では、逆に最高裁で原告側が敗訴し、国(入管)側が勝訴したケースでも、入管当局が自主的に再考して、特別に原告外国人に許可を出すケースもときどき出ているように、昨今の改善されたお役所としては、私個人としては最も評価の高い官庁です。

 なお、入管法50条を根拠とする「在留特別許可」や、やはり同50条が根拠なのでしょうか、明らかに入管当局の情けをお願いするという「再審情願申請」など、法令に一切書かれていない手続を通じて、法律上は強制退去処分となる外国人を法務大臣(実際は、入管当局)が特別に斟酌する事情があると判断すれば、特別に在留を許可することが出来るという、ある意味では外国人に対して、超法規的な処分さえも下せるのが入国管理局という官庁なのです。それが国家の自治権であり、裁量の範囲内であるという、良い意味での通説になっているようです。   

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心穏やかでない?入管局の職員

2009-03-20 17:21:18 | 国際・政治

 昨日19日、東京都行政書士会国際部主催の研修会が、東京入管警備部門の統括審査官2名の方々をお迎えして行われました。かつては、全く部外者との接触を避けていた警備部門ではあったのですが、元国際部長榎本先生などのご尽力で、毎年どなたかにご講演頂くようになった経緯があります。

 この入管警備部門とは、外国人にとっては警察とまったく同じのような組織なのです。ですから逮捕勾留と同じ収容という措置ができるのです。いや、場合によっては検察官、裁判官も兼ねる(こちらは主に審査部門、審判部門が担当しているのですが・・・)ような、ある意味では強大な執行権力を持つ行政組織でもあります。

 例えば、昨今新聞報道などで話題となっている中学1年生のカルデロン・ノリコさん一家の場合、最高裁で棄却され原告側の敗訴が確定していますから、法律上は家族全員が退去強制処分となっても、なんら不思議はありません。しかし、東京入管は、再審情願という入管法ならびに諸法令のどこにも明記されていない手法(実は、私もかつてこの再審情願に一度だけ関わったことがありましたが・・・)を使って、ノリコさんのみを、ある意味では超法規的な措置を採ったのでありました。

 こういった措置は、既にポピュラーになった在留特別許可(入管法50条)でも基本的には同じで、恩恵的な措置とされています。ですから、入管局(名目上は法務大臣ですが・・・)には、行政手続上では、こと外国人の在留に関しては、裁判官、検察官並の権限のある強大な組織でもあるのです。

 しかし、国内外のマスコミの多くは、未成年者であるカルデロン・ノリコさんのみしか在留許可を出さなかった事に非難する論調が多数を占めているようです。それを、やはり入管職員の方々の多くは気にされているようです。

 ノリコさんの許可された”特定活動”という在留資格から想像するに、基本的には永久に更新可能で活動制限の無い”定住者”という在留資格と違い、学業を断念した場合、更新を認めない特定活動という在留資格を許可した入管局側のスタンスが読み取れます。

 それでも、入管局職員の方々も人間ですから、世間から悪者呼ばわりはされたく無いと思うのは当然の事だと思います。それが、今回の講演者の方々からのお話しの節々から時々伺うことができました。カルデロン・ノリコさんのご両親が帰国される4月13日までに、急遽ご両親に在留許可が下りる、なんてウルトラCのような話もありうる組織。これが入管局なのです。

 ちなみに、入管局では今般の日系ブラジル人、ペルー人達が、失業によって在留資格の更新が出来ないと思い込んだり、経済上の理由で更新手続きができなくなった者達が大量に出ることを危惧しているようです。

 そんな解雇された南米系日系人達への救済措置として、在留特別許可や特別受理で対応しようとしているように感じました。

 もし、こういった日系人の方々が身近にいらしたら、このように勘違い、或いは、経済上のやむを得ない事情で、在留資格が失効してしまった方々に対して、適切な情報提供をして頂ければ幸いです。

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45年前の少年サンデー編集部

2009-03-19 10:20:03 | あの頃の東京って?

 漫画週刊誌の少年サンデー、少年マガジンが創刊して50年だそうです。

 ところで、私が小学生4年生頃、というとおよそ45年前の事になるでしょうか、同級生に漫画好きな奴がいました。ケント紙という真っ白い高級紙に、鉛筆で下書きした後に、黒インクで仕上げてゆく事を当時はじめて知ったのでした。

 そんな同級生に、

 「こんど、少年サンデー作っている会社へ行ってみたら?」と、

 私はその漫画マニアの同級生に言ったのでした。9歳10歳の私などには、到底考えつくアイデアではないから、母からの入れ知恵だったと記憶しています。

 その同級生とは、特に親しい訳でもなかったので、漫画好きでもない私も一緒に行くはめになってしまったのです。勿論、アポ無しです。当時、まだ電話で事前にアポイントを取るなどという習慣はなかったと思います。というより、電話機が家に入ったのが丁度その頃でしたので、電話の無い家もまだまだあった時代でした。

 中央線の荻窪駅(杉並区)から同級生と電車に乗って、御茶ノ水駅で下車し、神保町方面に向かって、人に聞きながら可成り歩いた記憶があります。

 ここかな?そういってビルの中に入って、受付のお姉さんに、

 「少年サンデーを作っているところへ行きたいですけど・・・」

 「お約束は、しているの僕たち?」と、受付のお姉さん。

 「いいえ・・・、でも僕たち漫画が好きで・・・」

 「あの~、僕の書いた漫画見て貰いたいんですけど・・・」

 と、漫画好きの同級生は、持参していたケント紙に描いた自作漫画を受付のお姉さんに見せると、

 「あっ、ちょっと待ってね!」と言って、内線電話で何か連絡し始めたのでした。

 そうすると、オジさん(もしかしたら、お兄さんかも?)がやって来て、

 「よく来たね!君達小学生何年生かな?」言いながら、エレベーターで何階かの広~い編集部に案内されたのでした。

 午前中のオフィスは閑散として、誰も座っていないデスクが沢山あった記憶があります。しかし、今の編集部のように、机の上が山積みになっていたとか、人がバタバタと駆け回っていた記憶はありません。おそらく、丁度仕事が一段落したばかりだったのかもしれませんが、子供の私達には、のんびりとしたオフィスで、とても広~く感じたのでした。

 その案内してくれたオジさんは副編集長と書いてあったデスクの前にある大きなソファに私達を座らせてくれたのでした。

 どうも、副編集長さんは、私達の事を少年漫画家だと思い込んだ(確かに、同級生は漫画家志望だったと思います。)ようでした。

 「お茶じゃなくて、ジュースがいいよね!」

 そういって、ファンタオレンジを出してくれたのを覚えています。

 同級生は、自分の書いた漫画を見て貰って、色々とコメントを貰っていましたが、碌に漫画を書いたことも無い私にはちんぷんかんぷんでした。

 そして、驚いたことに、

 「君達に、水木しげる先生が書かれた”ゲゲゲの鬼太郎”の原画を見せてあげよう!どうだい、この細かい線一つ一つ、先生自身が書いているんだよ。」

 「そうだ君達、折角来たのだから、そこに創刊号からのサンデーがあるから見て行きなさい!」

 そういって、長島茂雄が表紙の創刊号など数冊を「スゲ~、スゲ~」と連発しながら見せて頂き編集部をあとにしたのでした。

 帰り道、私は創刊号を見た事や、水木しげるの超精密な原画に興奮していたのですが、同級生は何となく元気がありませんでした。ちなみにその同級生、それからさっぱり漫画を書かなくなったと記憶しています。おそらく、彼は生まれて初めて、社会の厳しさを、この時始めて体験したのかもしれません。”世の中、凄い人がいる”という事実を知らされて。

 こんな私達のような見ず知らずの子供を相手にしてくれるような、ノンビリとした会社がまだまだ沢山あった暖かみのある社会に住んでいた昭和30年代の少年時代の頃を、ふと思い出させてくれた少年漫画週刊誌創刊50周年でした。

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2年経ちました!

2009-03-17 08:39:41 | ブログ

 今日の東京地方の予想最高気温が20℃と、いよいよ春がやって来たようです。こうして暦では、必ず春がやって来ます。自然界の一部である私たち人間にも必ず春はやって来るはずです。今まだ、冬だと思っていらっしゃる方々!そのうちに必ず春がやって来ると信じてお待ち下さいね。

 ところで、早いもので、ブログを始めて丸2年が経ちました。2年前、確定申告最終日2007年3月15日の早朝やっと申告書類作成が終了した時に、OCNから無料ブログの案内メールが飛び込んで来て始めたのがきっかけでした。

 生まれてこのかた、小学校の夏休みの宿題だった絵日記以来、日記のようなものさえも書いたことの無かった私だったのですが・・・。このブログ、もう落書きというか、好き勝手な事を単に書き綴って来ただけでしたが、よくもまあ2年間も書き続けて来たものです。そして、まだまだ書けそうであることが不思議です。

 丁度、その半年前の2006年5月でした。私は、癌の疑いで大腸ポリープを切除したのですが、幸いにも良性でした。その時以来、死ということを始めて意識したのでした。おそらく、それから自分自身の経験や意見、その時々で感じた事などを文字として残してみたいと、思うようになっていたのかもしれません。

 そしてこの2年間、このブログの読者でもあった38年来の友人が、癌で本当に急死したり、老父が介護認定を受けたりと、私なりに色々な出来事がありました。そして、今日まで約150ほどの記事を書き綴って来ました。

 当初のブログ記事は、おそらくどなたもご覧になっていなかったと思います。それがイワモッチさんやモイッチさんなどの方々を通じて、何と延べアクセス件数2万4千件あまりと、こんなに沢山の方々に見て頂く事など、まったく想像すらしていませんでした。

 今後も続けられる限り、私のこの落書き帳に、好き勝手な事を綴って行こうと思っています。しかしながら、基本的には私の独り言ですから、内容が極めて独善的で到底納得できない内容も多々あるかと思います。仮に、そうした場合でも、所詮は戯れ言だと思って頂き、どうかご容赦くださいますようお願い申し上げます。

    それでは!

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