ユーロ不安、ドル安の一方で円高が止まらない。
ところで、IMF国際通貨基金の2010年版統計資料によると、
各国の通貨供給量の推移が記されている。
日 本 : 494兆8,900億円(2005年末)
1,042兆3,100億円(2005年末・通貨+準通貨)
498兆2,900億円(2009年末) +0.68%
1,072兆3,900億円(2009年末・通貨+準通貨) +2.88%
米 国 : 1兆3,922億ドル(2005年末)
9兆3,810億ドル(2005年末・通貨+準通貨)
1兆6,801億ドル(2009年末) +20.68%
12兆3,425億ドル(2009年・通貨+準通貨) +31.57%
ユ ー ロ 圏 : 3兆6,696億ユーロ(2006年末)
6兆7,607億ユーロ(2006年末・通貨+準通貨)
4兆4,736億ユーロ(2009年末) +21.91%
8兆5,957億ユーロ(2009年末・通貨+準通貨) +27.14%
ス イ ス : 2,385.6億スイスフラン(2005年末)
3,643.8億スイスフラン(2009年末) +52.74%
オーストラリア : 2,688.43億オーストラリアドル(2005年末)
3,729.11億オーストラリアドル(2009年末) +38.91%
ロ シ ア : 3兆8,225億ルーブル(2005年末)
8兆2,945億ルーブル(2009年末) +214%
とまあ、どこの国も通貨供給量を増加させている。また、主要通貨国である米国やユーロ圏でも概ね20%程の通貨供給量を増加させている。しかし、日本だけは、ほぼ横ばいで全く増加させていない。
確かに経済成長がゼロであった日本経済状況の中では、日銀が通貨供給量を増やせばインフレになる危険性があるので、通貨供給量を増加させなかったのは理にかなっている。
とはいえ、同様に経済成長していなかった米国やユーロ圏全体でも20%程の通貨供給量を増加させているという事を考え、相対的に比べて見れば、日本経済はデフレとなり、結果として円高となったのではないかとも考えられるのである。
そこで、日本も僅か3%弱の通貨量である11兆5,500億円程の通貨供給量を増加させてみたらどうであろうか?
ちなみに、この11兆5,500億円とは補正予算12兆1,025億円の内、政府が利付き復興債の発行で調達しようとしている額である。更に、政府はこの財源として15年間の所得税、法人税の増税で賄おうとしているのである。
しかし、この増税を止めて、日銀券11兆5,500億円を増刷してしまえば、増税する必要は全くないのである。
勿論、実体経済に反して通貨供給量が増えるので、インフレ或いはバブル経済となる危険性も多々孕んでいてかなり危険な政策かもしれない。しかしながら、他の国々の通貨供給量の増加額から見ても、今が絶好のチャンスだと思うのだが・・・。
そして、日銀券増刷による効果として円安が進み、1ドル75円台から90円~100円に戻すことができれば、それこそ一石二鳥だとも思うのだが・・・。
まあ、経済学者さんから言わせたら、そんな無謀な通貨政策などあり得ない!なんて叱られそうなアイデアなのかもしれませんが、多少の検討の余地はあると我々素人は思うのですが・・・。