先日、毎年秋の銀座で行われている”銀座インターナショナル・ジャズ・フェスティバル”に出演していたパリ・ミュゼットを聞きに(無料、但し抽選です!)行く機会に恵まれました。
パリ・ミュゼットとは、パリの下町あたりのカフェで聞こえてきそうな、あのアコーデオン・ミュージックです。
1時間半ほどの演奏は、本当に素晴らしく、アコーデオン奏者のフランソワ・パリジ(Francois Parisi)さんの右手は、まるで魔法の手のようにボタン式のアコーデオンの鍵盤を操っていました。
You Tubeで、この奏者の自宅キッチン?での演奏を見つけましたので、是非一度お聞きになってみて下さいね!
ところで、このパリ・ミュゼット、いかにもフランスらしい音楽と思っていたのですが、実はそうでもないようなのです。
パリ・ミュゼットは、19世紀のパリの下町に、当時多く住んでいたフランス、オーベルニュ地方出身者達(主にカフェのギャルソン(給仕)などのほとんどがこのオーベルニュ地方出身者だった。)と、イタリア移民達が持ち込んだアコーデオンによって作られた外国移民との融合によって生まれた大衆音楽で、フランスの伝統音楽ではないのだそうです。
つまり、オーベルニュ地方出身のフランス人給仕達とアコーデオンを持ち込んだイタリア移民達との間で、自然発生的にパリのカフェなど下町の中で生まれ育ち、そして彼等によって育まれていった国際都市パリが生んだ大衆音楽なのです。アコーデオン奏者のパリジさんは、フランスのジャズとも言えるかもしれないと、おっしゃっていました。
「んちゃっちゃ、んちゃっちゃ」と三分の一拍子の軽快なアコーデオンのリズムを聞きながら、静岡県浜松市などに住むブラジル人達や神奈川県大和市などに住むペルー人達が、地元の人達とハママツ・サンバやハママツ・ボサ・ノヴァ、或いは、アツギ・フォルクロリコみたいな新たな融合音楽文化を作ってくれたら素晴らしいのに・・・、などと勝手な夢想をしていた、今年の銀座インターナショナル・ジャズフェスティバルでした。