行政書士中村和夫の独り言

外国人雇用・採用コンサルティング、渉外戸籍、入管手続等を専門とする25年目の国際派行政書士が好き勝手につぶやいています!

電子定款って?(シリーズ第8回 その3最終回)

2007-11-29 13:34:12 | 行政書士のお仕事

 さて、クライアントが事務所にみえられたのですが・・・。電子定款第1号となる(かもしれない)クライアントといえども、当然失敗なんかは許されませんから、電子認証が上手くゆかなかった場合に備えて、定款3部と委任状を別途用意し、合計定款4部、委任状2部に、一部書類を除いて(株式引き受け払い込みは、定款認証後ですよ!)その他議事録なども揃えて押印させて頂いたのでした。

 「ずいぶんと、押印する書類が多いのですね!」

 「はい、電子認証という手続きを行うのですが、ご迷惑をおかけしないよう念のために電子化できない時の為の書類も入っているので多少多くなっております。」

 まさか、「4万円節約できるかどうかなんです~!」とは云えないのである。まあ、無事に押印が終わり、あとは来週XX日XX曜日友引(米国や中国等の外国の方々でも、日がらにこだわる人が結構多いんです!)に公証役場に行くばかりなのだが・・・。

 定款そのものは、今朝公証役場にFAX(メールではなく、なぜかFAXなのである。)で送付して事前承認を貰ってあるから何ら問題はないのだが、問題は前日のXX曜日、私が電子署名した定款が法務省経由で公証役場に本当に届くかどうかなのだが・・・。

 電子申請当日、朝8時に作業を開始。念のためにトラブルがあって、時間に追われて焦る事のないよう(夜8時まで利用可です。)に自宅PCで作業を開始!

 まず、定款をPDF化し、電子証明を付けた。PDFソフトとプラグインソフトを使うと、PDF文書に自作の職印(公文書などでみかける四角の印鑑です。)を押印して電子署名できちゃうので、結構面白くってハマリます。(←そんな事で遊んでいる場合でないでしょう!)

 そして、定刻8時30分、法務省電子申請システムHPからログイン!できるはずですが・・・「アプレット起動中です」と表示されて、ログインできない。んんん・・・・、まずい!ID番号、パスワードも間違っていない、何度やっても同じ表示なのである。んんん・・・、10分、20分、30分経過!さて、どうする???。んんん・・・、

 しかたがないので、電子申請システムHPの中で何か書いていないかを探しましたら、あったあったありました。トラブルについて書いてある箇所が、どうも法務省認証局から取得した証明書のPCへの登録とJAVAという言語ソフト?のインストールの順番が逆だったらしい?と、言っても、何のことなのかはよく分からないのである。念のために、事前準備書を今一度読むと、Windowsのポップアップ許可の設定もしていなかった?ようである。これも、よく分からない作業である。しかし、”え~い、もう、やめた!”って訳にも行かないので、最初から1時間以上もかけて、やり直したのだが・・・。ふぅ~、疲れた。

 そして、再度挑戦!カタカタ・・・、ジイージィー。Oh!やった!今度は成功!ログインできて、とうとう法務省電子申請システムの中へ入れたのである。俺も、けっこうやるじゃぁ~ん!なんて、一人でぶつぶつ、ニヤニヤ。それにしても定款の電子申請以外にも不動産登記だとか登記簿の取得だとか色々な申請があるんだぁ、とびっくり。やっぱり、電子申請はやらにゃいかんかったのねぇ、などと更に独り言・・・。順調に、公証役場、公証人などを選択してPDF定款を添付し、証明書を添付・・・???んん・・・、証明書が添付できませ~ん!

 またしてもトラブルか・・・???。んん、何度やっても添付できない。これって、証明書が違ってるのかなぁ??? そう、確かに違ってました。鍵の付いたものを添付しなきゃいけなかったのに、鍵無しのもの(これって、何のためなんですかねぇ?)を添付しようとしても駄目だったです。それで、やり直したら、今度はO.K.。終わったのは、なんとなんと午後1時ですから、都合5時間もかかりました。あ~疲れた~~。でも、やった!って感じです。

 送信されたとの確認表示も出ているのですが・・・、本当に大丈夫なのかなぁ?などと思ったのですが・・・。結果、大丈夫でした。そして、翌日、八王子でクライアントのヒアリング中に公証人から、携帯電話にメッセージが、

 「新宿公証役場の公証人のXXです。ご依頼の定款の手続き、完了しましたので、本日中にお越し下さい。」

 まあ、その後の電子定款の手続については、確かにスムーズにゆくようにはなったのですが・・・。できれば、公証役場にも行かずに手続きができるようになれば、確かに電子申請の意味はあるとは思うのですが・・・。もし、4万円の収入印紙免除が2万円だったら、少なくとも私はきっと導入していなかったでしょう。まして、5千円、1万円程度しかメリットがなければ、今ほどの普及はなかったと思うのですが・・・。

 まあ、とにもかくにも、会社定款においては、電子署名し、電子申請して、電子認証うけられる行政書士にやっとなったという事だけは、皆様にご報告を!それにしても、まだまだ、改善の余地が多々ありそうな電子申請の導入第一歩の顛末でした。

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電子定款って?(シリーズ第8回 その2)

2007-11-23 11:20:38 | 行政書士のお仕事

 やっと行政書士登録証明書が届き、商工会議所に行政書士用の電子認証サービスなるものを申込んでみたものの、これでばっちり!と、思えない。

 まだ何かあるような気がして、法務省HPの「事前準備ガイド」なるものを読んでみたら、どうもまだまだ沢山やること事が何やら一杯書いてある。むむ・・・。分からん!何が書いてあるのか・・・。

 まず、Windows XpかWindows 2000 professionalでなければ駄目ときた。Windows Vistaへバージョン・アップ出来るPCなのだが、面倒でしていなかったのだ・・・。むむ、やらなくて良かった(^_^)v。ラッキーなのである。

 Windowsが起動した後、最初に表示されるユーザー名も、半角英数字でなければ駄目と書いてある。つまり、スタートメニューのユーザー名に「行政書士中村和夫」となっていたのを「nakamura」とかに変えなくてはいけない。あ~面倒くさい!

 そして、一番大切な事を忘れていた!PDFソフトを買わなきゃいけないのだ! Adobe Acrobatとプラグインソフトなるものを買わなくてはいけないのだ! 併せて5万5千円!

 あちゃ~、聞いてねぇよ~! 4万円の収入印紙代の節約どころか、商工会議所に払った分も含めれば約7万円じゃん・・・。むかつく・・・とは、思ってみても既に後の祭り。隣のオジサンに愚痴りにいったら、知人のSさん、

 「ヤフーオークションなら、ときどき安く出てますよ。AdobeなんかXXXX円くらいで。」

 「え!!! そんなんで買えちゃうの! ヤフーオークションで? それって、ネットで売り買いするやつでしょう? そんなの買って大丈夫なの?」と私

 「ええ、評価とか出ているし、私もそれで買ってますけど・・・。良かったら値段見ておきましょうか。」とSさん、

 てなわけで、目出度く正規版を格安で手に入れて、ちょっとだけご満悦の私! けれど、浮いた分は結局、私とカミさんの胃袋の中に儚く消える運命なのです! まあ、いいか。

 そんなこんだで、夏のクソ暑い最中、PDF&プラグインソフトのインストールやら、電子証明書と秘密鍵のダウンロードを週末2日かけてなんとか設定完了したのだが・・・。

 しかし、何か間違っているような気がしてならない! が、そもそも訳が分からずマニュアルどおりにやっているのだから・・・、でも、どこか違うのである・・・。え~い、もうやめた! てな訳で、一応完了。あとは只々、依頼を待つのみなのだが・・・。

 しかし、猛暑のためなのか、ちょっと前までちょくちょく来ていた新規設立の依頼が来ない。まあ、世の中こんなもんでしょう!って思ってるうちに秋に突入。すると、3件ほど依頼が。でも、電子申請への苦闘はこれからが本番なのでした。それは、またまた次回のお楽しみということで。

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電子定款って?(シリーズ第8回 その1)

2007-11-19 01:37:59 | 行政書士のお仕事

 ここのところ、定款の電子認証申請を立て続けに3件やったので、やっと電子申請に慣れまして、世間並みに電子申請が導入出来た(^_^)vって感じです。でも、くたびれました。結構。

 そもそも、昨年あたりから、そろそろとは思っていたのですが、日頃よく使っている公証役場が電子申請に対応してしなかった事もあって、つい最近まで放置していました。ところが、この公証役場も4月から電子認証を始めたと聞いたものですから・・・。

 ゴールデンウィークに、ネットをみながらその事をカミさんに話したら、そろそろ導入すべきとの意見でしたが、

 「でもさぁ。なんか面倒なようだし、仕事も溜まって時間もないしさ、XX先生とかに頼んじゃおうかなぁ。どう思う?」と聞いてみたところ、

 「毎日パソコンやってるじゃない!それに、最近はブログにハマっているみたいだし・・・。どうせ、電子申請するんだったら、今のうちにやっておいたら!」と、逆に尻を叩かれて(>_<)しまいました。

 そこで、やむなく近くのS先生に、近所の老舗のケーキなど持参して”定款の電子認証とは、なんぞや”というレクチャーを拝聴に伺ったのでしたが・・・。わたくし、けっしてメカに弱い者ではないのですが、説明を聞いても何~かよく分かりません(*_*)でした。そして、公証人連合会やら行政書士会連合会やらのHPを見たのですが、それでもよくわからない??? つまり、なんじゃぁこりゃぁ!って感じでした。

 しかし、ここでやめたらオジサンがすたると思い、やむなく手続きを開始することにしました。そこで先ずは、日本商工会議所ビジネス認証サービス(http://ca.jcci.or.jp)に行政書士用電子証明書タイプ1-Gの申込をしなければなりません。住民票、印鑑証明書、登録証明書がいるのだそうですが・・・。楽勝!なんて思っていたのですが・・・。

 んっ!行政書士登録証明書てあるんだ~!って感じで、まったく知りませんでした。そこで、直ぐに貰えるものと思い、早速行政書士会連合会に電話してみました。

 「もしもし、行政書士登録証明書って物を発行して頂きたいのですが・・・明日伺ったらその場で発行して貰えますか?」

 「月末にまとめてから、一括処理しておりますので、今日申請して頂いたとしても早くても来月10日頃になるかと思いますが!」

 「うっそ~!聞いてねぇよ」とは思いましたが、「あっ、そうなんですか!」とさりげなく動揺を隠して、郵送による申請方法を聞いて受話器を降ろしてガッくり! と、いうのは、翌月1社設立する依頼がほぼ決まっていたものですから、4万円の収入印紙代が浮いたと内心ほくそ笑んでいた私だったのですが・・・。

 実は、このあと、まだまだ悪戦苦闘が続くのですが、それは次回のお楽しみにってことで!

 

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本来は規制緩和が望ましいのですが・・・

2007-11-12 01:28:07 | 社会・経済

 昨日、年1回しか行われない行政書士試験が全国で行われました。ここのところ試験は難しいようで、3~5%弱の合格率のようです。受験者7万人としても、合格される方々は、僅か3,000人程度のようです。最近はそのうちの半数くらいの1,500人程の方々が登録開業されているようです。

 日本行政書士会連合会に登録して開業すれば、官公署に提出する書類の作成や申請の代理・代行を行える国家資格です。但し、同じ官公署でも、裁判所、特許庁、税務署、法務局の一部、社会保険庁や労働基準監督署の一部などの手続は除外されています。しかし、逆に言えば、除外された全部が行政書士業務でもあるわけで、とてつもなく広範囲な独占業務である事だけは事実なのです。

 ですから、いまだに政府内部には行政書士だけがあのように広く独占業務を扱えるのは、規制緩和に反しているという意見も根強くあります。しかし、一方で、こういった規制を外した場合、怪しい業者や危険極まりない人物が行政手続に介在し始めて、国民が混乱するという意見も根強くあります。

 実務家として言わせて頂くならば、確かに建設業許可申請やら、産業廃棄物許可申請、風俗営業許可申請、そして外国人の在留資格申請といった分野に於いては、間違いなく怪しい業者や人物がはびこり、国民や行政側のみならず社会全体が相当に混乱する事態となることは間違いはないと思います。つまり、こういった分野での詐欺、偽造やその他の派生的な事件が急増することがあっても、決して減ることは無いと断言できます。

 たとえば、産業廃棄物不法処理業者と知りながら、何とか許可を得ようとする業者やコンサルがおそらく沢山現れる事でしょう。また、認められていない外国人や危険な外国人を不法に入国させようとする、怪しい業者やコンサルも山のように出没する事でしょう。

 一部のヨーロッパ諸国のように成熟した法令遵守が徹底した国家であれば、こういった反社会的な業者や人物が出て来ることは社会全体が許さないでしょうから、行政書士のような国家資格者は全く必要は無いのでしょう。しかし、昨今の雪印乳業、三菱自動車、不二家、姉歯建築士、ミートホープ、赤福などの事件では、法令遵守どころか、詐欺事件さえも平気で起こすような企業がいまだに多々ある今の社会構造では、規制緩和をしたら、本当にとんでもない無法地帯のような社会になってしまいそうな気がします。本当に残念な現状ではあるのですが・・・。

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奢れる日本の経営者は久しからず!

2007-11-05 01:17:26 | 社会・経済

 戦前や1940年代の日本製品といえば、粗悪品であった。1950年代の日本製品は三流品であった。1960年代の日本製品は模倣品であった。そして、1970年代前半の日本製品は安くて品質の良い製品だった。1970年代後半の日本製品は、高品質の製品であった。そして、1980年代以降の日本製品は高級品の代名詞だった。しかし、しかし、しかし・・・。

 2007年の日本製品はどうなのだろうか? 少なくとも加工食品は二流品以下の信頼性まで転落しているような気がする。

 建築物も姉歯建築士の虚偽構造計算問題で、信頼性に大いなる疑問が出始めている。また、一部の自動車やガス給湯器といった機器などの工業製品に対しても、信頼性はかなり落ちている。70年近くかかって勝ち取った日本製品=高級品のイメージが、今まさに崩れ落ちようとしている。

 我々50歳代以上の者は、日本製品が三流品だったり、模倣品であった時の事を未だに鮮明に思えているのである。高級品とは舶来品であり、ヨーロッパ製品かアメリカ製品に決まっていた時代で育ったのだ。たから、1970年代後半、外国の場末の映画館で、「あいつ、何かやばい事やったに違いないぜ!日本製品ばかり持っていやがる」との台詞を見つけた時の感激と驚きは未だに忘れられないのである。

 そんな、成り上がった日本という新興工業国としての歴史は、実にとても浅いのである。それを忘れて、思い上がった一部の日本の経営者達は、ジャパン・アズ・ナンバーワンなどと言われて、その気になってしまったのである。そして、物作りの基本を忘れてしまい、目先の利益だけを追求してきたのであった。そして、その結果が、これら一連の不祥事となって現れているに過ぎないでのである。起こるべくして起きたという気がする。

 「奢れる平家は久しからず」、この名言をこれから来る世代のためにも、物作りと経営に生かして欲しいものである。

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