さて、クライアントが事務所にみえられたのですが・・・。電子定款第1号となる(かもしれない)クライアントといえども、当然失敗なんかは許されませんから、電子認証が上手くゆかなかった場合に備えて、定款3部と委任状を別途用意し、合計定款4部、委任状2部に、一部書類を除いて(株式引き受け払い込みは、定款認証後ですよ!)その他議事録なども揃えて押印させて頂いたのでした。
「ずいぶんと、押印する書類が多いのですね!」
「はい、電子認証という手続きを行うのですが、ご迷惑をおかけしないよう念のために電子化できない時の為の書類も入っているので多少多くなっております。」
まさか、「4万円節約できるかどうかなんです~!」とは云えないのである。まあ、無事に押印が終わり、あとは来週XX日XX曜日友引(米国や中国等の外国の方々でも、日がらにこだわる人が結構多いんです!)に公証役場に行くばかりなのだが・・・。
定款そのものは、今朝公証役場にFAX(メールではなく、なぜかFAXなのである。)で送付して事前承認を貰ってあるから何ら問題はないのだが、問題は前日のXX曜日、私が電子署名した定款が法務省経由で公証役場に本当に届くかどうかなのだが・・・。
電子申請当日、朝8時に作業を開始。念のためにトラブルがあって、時間に追われて焦る事のないよう(夜8時まで利用可です。)に自宅PCで作業を開始!
まず、定款をPDF化し、電子証明を付けた。PDFソフトとプラグインソフトを使うと、PDF文書に自作の職印(公文書などでみかける四角の印鑑です。)を押印して電子署名できちゃうので、結構面白くってハマリます。(←そんな事で遊んでいる場合でないでしょう!)
そして、定刻8時30分、法務省電子申請システムHPからログイン!できるはずですが・・・「アプレット起動中です」と表示されて、ログインできない。んんん・・・・、まずい!ID番号、パスワードも間違っていない、何度やっても同じ表示なのである。んんん・・・、10分、20分、30分経過!さて、どうする???。んんん・・・、
しかたがないので、電子申請システムHPの中で何か書いていないかを探しましたら、あったあったありました。トラブルについて書いてある箇所が、どうも法務省認証局から取得した証明書のPCへの登録とJAVAという言語ソフト?のインストールの順番が逆だったらしい?と、言っても、何のことなのかはよく分からないのである。念のために、事前準備書を今一度読むと、Windowsのポップアップ許可の設定もしていなかった?ようである。これも、よく分からない作業である。しかし、”え~い、もう、やめた!”って訳にも行かないので、最初から1時間以上もかけて、やり直したのだが・・・。ふぅ~、疲れた。
そして、再度挑戦!カタカタ・・・、ジイージィー。Oh!やった!今度は成功!ログインできて、とうとう法務省電子申請システムの中へ入れたのである。俺も、けっこうやるじゃぁ~ん!なんて、一人でぶつぶつ、ニヤニヤ。それにしても定款の電子申請以外にも不動産登記だとか登記簿の取得だとか色々な申請があるんだぁ、とびっくり。やっぱり、電子申請はやらにゃいかんかったのねぇ、などと更に独り言・・・。順調に、公証役場、公証人などを選択してPDF定款を添付し、証明書を添付・・・???んん・・・、証明書が添付できませ~ん!
またしてもトラブルか・・・???。んん、何度やっても添付できない。これって、証明書が違ってるのかなぁ??? そう、確かに違ってました。鍵の付いたものを添付しなきゃいけなかったのに、鍵無しのもの(これって、何のためなんですかねぇ?)を添付しようとしても駄目だったです。それで、やり直したら、今度はO.K.。終わったのは、なんとなんと午後1時ですから、都合5時間もかかりました。あ~疲れた~~。でも、やった!って感じです。
送信されたとの確認表示も出ているのですが・・・、本当に大丈夫なのかなぁ?などと思ったのですが・・・。結果、大丈夫でした。そして、翌日、八王子でクライアントのヒアリング中に公証人から、携帯電話にメッセージが、
「新宿公証役場の公証人のXXです。ご依頼の定款の手続き、完了しましたので、本日中にお越し下さい。」
まあ、その後の電子定款の手続については、確かにスムーズにゆくようにはなったのですが・・・。できれば、公証役場にも行かずに手続きができるようになれば、確かに電子申請の意味はあるとは思うのですが・・・。もし、4万円の収入印紙免除が2万円だったら、少なくとも私はきっと導入していなかったでしょう。まして、5千円、1万円程度しかメリットがなければ、今ほどの普及はなかったと思うのですが・・・。
まあ、とにもかくにも、会社定款においては、電子署名し、電子申請して、電子認証うけられる行政書士にやっとなったという事だけは、皆様にご報告を!それにしても、まだまだ、改善の余地が多々ありそうな電子申請の導入第一歩の顛末でした。