ある他士業の方の紹介で、申請取次者を探してとの事でお電話を頂いた。
お電話によると、当事者の間に入っている方のようなのだが、
技能実習を実施している某組合の担当者が忙しいので代わりに、
品川の東京入国管理局へ更新8名、変更7名を申請して欲しい
との事であったので、一気に警戒モードに突入した。
「それって、その組合さんが申請書類やら添付書類やらを
全部用意するので、そのまま持って行ってくれって話ですよね!」
と聞いてみたのである。
「当事者ではないので、詳しくは分かりませんが、
そのような事だと考えています。」
そこで私は、
「失礼ですが、中身も吟味せずに申請書を入管に提出するような事は
やった事がないのですよ!お受けするのならば、先ずはその組合へ
少なくとも1回は伺い、お話しを伺った上で、申請書全部に目を通した上で、
技能実習者の在留カード、旅券、申請書及び添付書類をお預かり
して、更にはこれらはの写しを当然保存しますので、
それだけでも相当な作業となりますから、一般的には思っていっらしゃる
ようなお安い報酬ではお引き受け出来ないと思いますが!」
「おそらく、1件5千円以下の数千円でとか、一山でいくらでやって欲しい
とか、その方々は考えておられそうにお見受けしますが、
事実上の違法行為となる可能性が高いので、
こういったメッセンジャーのようなご依頼はお受けしていないのですよ!」
連絡してきた方は、その旨伝えると答えたものの、
おそらく、まず依頼してくることは無いと思います。
「誰か、黙って持って行って申請してくれる他の申請取次行政書士を
探せばいいじゃないか!そんな奴らはいくらだって居るだろうが!」
こう、憮然と言い放っている姿が目に浮かぶようです。
実際、確かリーマンショック前ですから6~7年前だったでしょうか、
同様な依頼がありまして、当時は中部地方某県の年配の同業が
格安な報酬で引き受けているとのことでしたが、勿論お断りしました。
今後、建設業での技能実習者の活用が急増することが予想されます。
仮に、その組合や実習機関などが立派な機関であったとしても、
申請取次制度の趣旨に反しますので、特に経験の浅い
同業者の皆さんは、注意が必要です。
例えば、これが、もし違法な組織からの同様な申請依頼があったら、
これはもう立派な共犯行為であり、犯罪に繋がるからです!
そんなことも知らずに、申請件数数百件、数千件なんて宣伝する
危ない同業者も居ると仄聞しています。
どうか皆さん、我々届出済申請取次者は入管局へ申請書を運ぶ
単なるメッセンジャーでは決してありませんから、
呉々もこういった依頼にはご注意下さい!