もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

アメリカ大統領選挙を考える

2020年02月08日 | アメリカ

 アイオワ州の民主党大会で、ブティジェッジ氏が僅差ながら第1位を獲得した。

 共和党はトランプ氏独り勝ちの感があるので、本大会は11月の本選でトランプ大統領への挑戦者選びのスタートである。全米で最初に行われるアイオワ州の党大会は「アイオアを制する者は大統領選を制する」と云われ、ブティジェッジ氏は一躍民主党候補者のトップに躍り出た感がある。38歳、数か国語を操る英才、甘いマスク、とスター性に富んだブティジェッジ氏であるが、同性愛を告白して男性の伴侶をも持つという特異な存在でもある。民主党好きの日本の主要メディアは、挙ってブティジェッジ氏を次期大統領であるかの報道を始めたが、果たしてレースの結果はどうなるのであろうか。一般的に、日米関係は共和党政権下では良好に推移するが、民主党政権下ではギクシャクしたものになるとされていので、興味以上の関心を以て注目したいと思う。日本のメディアはあまり触れないが、アメリカ国民が大統領を選ぶ基準の一つが、「彼(彼女)に核の引き金を託して大丈夫か?」ということで、この要素は数ある選択肢の中でも抜きんでているものと観ている。ブッシュ(父)氏が再選を果たし得なかったのは日本の晩餐会で倒れたことが軍権を担うに足りな人物と判断され、ヒラリー・クリントン氏が大統領選挙で敗れたのは国務長官在任中の決断力のなさと部外に助言を求めるメールの流出で有事にあっても素早い決断ができない候補者と受け止められた結果であるとされている。ブティジェッジ氏に敗れたサンダース氏(78)、ウォーレン氏(70)、バイデン氏(77)と対立候補が軒並みに高齢であることも、彼等に核の引き金を持たせることへの不安感故の結果ではないだろうか。嘗て徴兵・国民皆兵の時代にあっては、軍歴のない人間は大統領になれないとされてきたため、ブッシュ(子)氏も芳しからぬ州兵勤務をアピールしなければならなかった。ビル・クリントン氏以後は、その空気も薄れているようであるが、ブティジェッジ氏は海軍予備役ではあるがアフガニスタンに情報将校としての従軍経験もあることから、特に高齢の党員をも引き付ける要因となっているのではないだろうかと分析している。

 いみじくも鳩山由紀夫元総理が就任後「自分が自衛隊の最高指揮官であることを初めて知った」と述べたように、外交要素に軍事オプションがない日本では、議員候補者や自民党総裁選・首班指名候補者に軍事知識や軍事的決断力を問う声はない。今後、武器使用の可能性が有るアデン湾の自衛艦派遣等に見られるように、自衛隊の運用と武器使用は大きく様変わりしている・せざるを得ない情勢になってることから、衆院の安全保障委員会と参院の外交防衛委員会が軍事オプションの可否・是非を問われるケースが出てくると思われので、軍事音痴の議員が小田原評定の末に的外れな結論を出さないことを祈るところである。参院の外交防衛委員会に、3等空佐と的外れなシビリアン・コントロール喧嘩をした小西洋之議員の名を見出したことを付け加えて、本日終演。