もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

首相のヤジと辻元議員の愚行

2020年02月14日 | 野党

 衆院予算委員会で辻元議員の質問中に安倍総理がヤジを飛ばした。

 このヤジで野党委員が退席・議事が中断するとともに、野党が首相の「心からの謝罪」を求める事態となった。結局、17日の委員会で首相が発言を謝罪することで決着する見込みと報じられているが、茶番の極みと思うものである。辻元議員の「鯛は頭から腐る、政府も頭(首相)から腐っているのでは」の言は、果たして質問なのだろうか疑問である。あなたは腐っているか?と聞かれて「私は腐っています」という人間は100%いないだろことから、答えは自ずから決まっているだろう。だとすれば、質問ではない罵倒でしかなく、「買い言葉」を引き出すための「売り言葉」に過ぎないと思う。かって辻元議員は「総理連呼」で名を馳せたために喧嘩の名手の印象はあっても、彼女の口から政策提言は聞いたことがないので議員のオフィシャルHPを閲覧した。他の政治家諸氏のものと同様に多くの実績が紹介されているが、その多くは与野党共同提出で成立した法律を並べたもので、特段に辻元議員の功績とは呼べないものと感じた。また、選挙区内での実績も掲載されているが、その全部は地方権限に属するもので、もし辻元議員の功績であるならば衆議院議員としての権力を悪用・濫用した結果ではないだろうかと思われるものである。喧嘩の名手に戻れば「鯛の頭」は、質問時間の最後に発言されたもので首相には応答・反論の時間が無いために、ボクサーが「打たれっ放しの状態でゴングを聞く」と同様で、罵倒された首相が「意味のない質問」と野次るのも当然であろうが、野次った行為に対しては「低次元の人物の低次元な発言」に反応したことは大人げないという評価もある。

 この時期の国会は、政府・与党が来年度予算の年度内成立を目指すために、野党の発言に対しては「御無理・ごもっとも」と応じることが普通である。この時期を選んで辻元議員が喧嘩を仕掛けたのは、予算の年度内成立阻止が狙いであるとは思うが、もし辻元議員の思惑通りに推移して来年度は暫定予算でスタートしなければならなくなった場合を考えれば、国費を投入する新型肺炎対策は頓挫してしまうのは確実である。喫緊の予算を人質にした辻元議員の悪態に対して、大阪選挙区の辻元フーリガンは快哉を叫ぶかもしれないが、大局的に見れば立憲民主党の評価を大きく損なう愚行と観るべきではないだろうか。また、立憲民主党執行部が首相に求める「心からの謝罪」は、どこやらの国の常套句そのもので不思議な思いに駆り立てられる。