もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

バイデン大統領の媚中馬脚

2021年02月23日 | アメリカ

 一昨日「バイデン政権1か月」と題して、「トーンは弱まったもののトランプ政権の対中政策は(2年間は)継続される」と書いたが、不明を恥じるばかりである。

 バイデン大統領が就任後1週間で30数件の大統領令に署名したことは知っていたが、その中に「中国(武漢)コロナの使用禁止」と「米国孔子学院本部の監視解除」が含まれていることを知った。
 トランプ政権下では大統領を始めとする中枢が「中国(武漢)コロナ」という言葉を使用していたが、バイデン大統領令では公式な使用を禁止する内容とされている。
 コロナ感染症については2013年に流行したMERS(中東呼吸器症候群)という名称が、アラブ系人種への偏見と中東の経済活動に少なからぬ影響を与えたことの反省から、2015年にWHOはCOVIDに流行年を付けて呼称するとしているため今回の中国ウイルスもWHOはCOVID19としているが、日本では正式名称(?)を使用する人は希で、新型肺炎、新型コロナが一般的に使用され、自分を含めた極く少数が中国コロナ・武漢ウイルスと呼び続けている。東洋大の櫻田淳教授もCOVID19の呼称は無意味で、後世に事実関係を伝えるためにも「中国」を冠した呼称であるべきとされている。閑話休題。
 米国孔子学院の監視解除については、国防総省が採っている「孔子学院併設大学に対する研究費補助停止」にまで及ぶのかは判然しないが、孔子学院本部を中国公館と位置付けて資金の流れや資産を監視することを放棄したことで、孔子学院を先兵とする中国共産党のプロパガンダはトランプ以前の野放しに戻るとされている。
 バイデン大統領は就任以来中国を「戦略的競争相手」と述べ、西側諸国首脳との会談でも対中強硬政策を継続すると述べているが、既に米国内の反中気分の鎮静を図るとともに、国内における中国プロパガンダと学内知的財産の窃取・流出を容認する姿勢に転じているかのようにも思われる。
 これに対して共和党議員や中道若しくは右寄りシンクタンクは、警戒感を露わにしているが、痴呆大統領は民主党を支えるアンティファやBLMの温存・伸長という近視眼的な視点から大統領令に署名したものであろうか。

 ”人種と主張の坩堝”でありながら、星条旗と自由の下では団結するとされた巨象「アメリカ」を、バイデン大統領は何処へ導こうとしているのだろうか。よもや一族・子孫の金銭的恩恵を維持するためとは思いたくないが、どうやら任期を全うできないのでは?という観測は現実味を帯びているようにも思える。
 日本国憲法原案を1週間で書き上げたGHQ民生局が共産主義者の集団で、彼等の多くが後に吹き荒れたマッカーシーの赤狩旋風で職を失ったとされていることを考えれば、数年先にはマッカーシ-第2幕もあるのかも知れない。


バイデン政権1か月

2021年02月21日 | アメリカ

 バイデン政権が発足して1カ月が経過した。

 バイデン大統領はトランプ大統領の発出した大統領令の多くを無効・否定して国際社会に復帰した印象を与える傍らで、対中強硬路線維持を表明したことによってNATO諸国からは歓迎されていると伝えられている。日本にとっても日米豪印戦略対話(Quad)態勢維持、尖閣水域の日米安保適用範囲確約、米軍駐留経費増額交渉1年延期、等もあって、一先ずの安堵感を持って見守られているようである。
 好意的に過ぎるかもしれないが、トランプ氏の唱えた「米国第一」はアメリカの利益のみを守ることではなく、国際関係の安定、特に中國の孤立化・排除(デカップリング)については国際機関の小田原評定に俟つことなくアメリカが単独で行い、追随を可かとする国とは2国間の条約・協定によるとしたことであると理解している。
 一方、バイデン氏が従来の多国間主義とされる枠組みに回帰したことは、対中政策に関してもアメリカが先頭に立ってリードすることは無いとするもので、中国に対しては最大のプレゼントになる方針転換であるように思える。それもあってか、19日に行われたG7オンライン首脳会議では「(対中露では)反射的に反対したり、冷戦時代の硬直的な陣営に回帰してはならない」と演説して、各国の主張如何によってはアメリカの「腰砕け」も有り得ることを示唆してもいるらしい。
 バイデン大統領の現在の関心事は、大統領選で露わになった(不正選挙で墓穴?)国内分断の修復であり、コロナ禍の元凶である中国に対して積極的に譲歩することは許されない状況にある。そのため中国に歩み寄るためには、関係国または国際機関の意見に「しぶしぶ従う」という姿勢を見せなければならず、国際機関への復帰は中国譲歩の布石に他ならないと思っている。
 以前にも書いたことの繰り返しになるが、バイデン氏を始めとしてスタッフの多くがオバマ政権の中核であったことを思えば、オバマ政権のコピーである「対中戦略的忍耐」が鮮明(概ね2年後?)になることは避けられと思っている。

 和を第一とする日本の風土、特に戦後教育に培われた土壌では強力な指導者は敬遠され調整型の指導者が歓迎されるが、調整型の欠点は、決定に時間を要することと、各界の意見を汲んだために平均的な施策しか行えないことであると思っている。3権+軍の全てを意のままにできる習近平主席と云う強力な指導者に対して、アメリカ大統領が単独で立ち向かうとしたトランプ氏に対してバイデン大統領は「アメリカも集団の一員として」対抗しようとしているが、中核を失った集団が果たして中国に抗し得るのかとの不安は拭えないように思える。


立憲民主党の「ゼロコロナ戦略案」を知る

2021年02月20日 | 野党

 立憲民主党が「ゼロコロナ」戦略案を示したことを知った。

 同案は、これまで立憲民主党が予算委員会等で主張して来た項目を整理したもので、「対案を提示できる政党」「政権を担当できる政党」をアピールする狙いで出されたものであろうと思っている。
 提案では、拙速なGoTo政策が再感染を拡大させた教訓から、「ゼロコロナ(感染源をクラスターとして特定し感染を制御できる)状態に感染者が減少するまで非常事態宣言の状態を維持して、その後に経済回復対策を行う」とし、具体的には「入国者の完全隔離」、「検査機器購入費の全額補助」、「低所得子育て世帯への給付金支給」、「休業補償期間の延長」が挙げられている。
 もし、これまで政府が行ってきたコロナ対策と、今回立憲民主党が提案したコロナ対策が昨年の同時期に発令されたと仮定した場合、どちらの政策が有効であったのだろうか。感染抑止のワクチンが無い状態では強力なロックダウンを行って一時的に感染者が減少しても、解除後には感染が再拡大して再びロックダウン状態に戻るということを繰り返していることは台湾を除く諸外国の例が示しており、ゼロコロナの状態を維持するためには非常事態宣言の状態を維持し続けなければならないように思える。その場合、果して国民の「厭戦気分」はどうなったであろうか。GoTo政策を振り返れば、感染再拡大の面からは拙速と云えるだろうが、観光・飲食業や従事者には一時的な小康・延命効果をもたらし、ワクチン入手までの時間稼ぎと国民の厭戦気分には一時的なガス抜きには効果があったように思える。
 単眼の自分には両者の優劣を判定する能力は無いが、立憲民主党の提言は極めてバラ色には富むものの予算面が考慮されていないのは気懸りなところで、提言通りの長期・手厚い給付や支援を行うためには平成2年度の第2,3次補正予算の総額220兆円でも足りないようにも思える。先の民主党政権誕生では、予算の裏付けがないとの批判に、埋蔵金の発掘と事業仕分けによる行政見直しで経費は確保できるとしたものの、発掘できた埋蔵金は行政法人の内部留保だけの少額・単発に終わり、行政見直しは自治労の反対もあって廃止できた行政法人は無かったと記憶している。今回はその錬金術さえも開示しない手法であることを思えば、御先祖様の政策以上に具体性に欠けているようにも思える。

 モリ・カケ・サクラ・麻雀・徘徊・接待と週刊誌報道の読み聞かせに活路を見出してきた立憲民主党が、政権政党に脱皮すると意気込んだ政策提言であるが、いかにも「後出しジャンケン」の感が深く、行政には不可欠である予算措置に触れていないのは致命的な知識・経験不足を露呈しているようにも思える。かって社会党が野党第1党であった頃「影の内閣」を組織して政策と行政の勉強を始めたことがあり、その後も形と呼び名を変えて野党が努力した時期もあったが、現在では全く努力しているようには見えない。政府糾弾の声の張り具合で党内序列が決まる?ようでは、立憲民主党に政権担当能力があるのだろうかと心配である。

 最後に、彼等には少額であろうが、2000名以上が禄をはむ日本学術会議からは未曾有の国難に際しても任命拒否を明らかにせよと迫る以外の活動が報じられない。免疫、公衆衛生、統計学等の少壮学者が轡を並べているであろうことを思えば、何らかの提言や行動があるべきであるように思うが、我々の知らないところでは必死の活躍を続けられておられるのだろうか。


北京五輪ボイコットの可能性

2021年02月18日 | カープ・スポーツ

 アメリカ下院議員(共和党)が、北京五輪の開催地変更の決議案を議会に提出した。

 決議案では、北京五輪の開催地変更をIOCに求め、変更されなかった場合にはボイコットを促すとともに決議文を各国に配布(ボイコット同調の呼び掛け)する内容とされている。
 決議案の背景は、中国のウイグル族ジュノサイド、香港の民主派弾圧、中国コロナの情報隠蔽とされているが、現在進行形であるミャンマーにおけるクーデターへの中国軍関与も念頭にあるように感じられる。また、トランプ政権国務長官のポンペオ氏も、北京五輪の開催地変更を訴えており、論拠にはヒットラーのナチスドイツが国威発揚に利用したベルリン五輪を例に挙げて「中国にプロパガン上の勝利を与えてはならない」としている。更にはカナダ、香港返還協定をコケにされたイギリスなども、北京五輪の開催地変更を求めており、1年後の北京五輪は東京五輪以上の曲折が予想される展開を見せ始めた。
 近代オリンピックは、民族と政治を離れたスポーツの祭典とされているが、開催に巨額の費用かかかることやIOCの財政が五輪放映料で賄われていることから、政治と一線を画すことは不可能な現状にあるように思える。東西陣営が相互にボイコットしあったモスクワ・ロサンゼルス大会と同様に、東京大会は中国コロナで、北京大会は中国自身の手でと、2大会連続して世界VS中国という新冷戦の様相を示しているかの様である。
 民主党が過半数を占めるアメリカ下院で決議案が可決される見込みは低く、冬季北京大会をボイコットする国は無いとは思うが、メダル獲得の可能性が有る派遣選手のうち人権擁護は自身の金メダルよりも価値があると考えて出場辞退する可能性は十分にあり、その場合中国は無傷で勝利を手にすることは出来ないように思える。

 中国コロナの最終兵器であるワクチン接種は漸く始まったが、EUの輸出規制等により政府計画通りには調達が進まないだろうし、もし調達できたとしても開会式までに高齢者に対する接種が終わるかどうかであることから、自分は密かにではあるが東京大会開催は無理であろうと思っている。
 戦国時代における戦闘では、撤退時の戦闘が最も難しく、兵の損耗も殿軍に集中するとされている。森氏に代わる新組織委員長に橋本聖子五輪担当大臣が内定したが、極めて困難な撤退戦を指揮しなければならないこととなり同情を禁じ得ない。
 メディアや世論は、森氏が川渕三郎氏に後事を託したことを「密室だ」「老齢だ」と批判したが、森氏や川渕氏には東京五輪撤退戦の殿軍指揮を誰に、どのような人物に託すかという判断に立った上での白羽の矢であったと推測している。森氏の後任は誰であっても敗戦の責任を問われることは必至で、それを被る覚悟は川渕氏の「最後の御奉公」とのコメントに込められていたと思う。伝え聞く限りでは橋本氏は森・川渕両氏に比べて、老獪さに及ばないのではと思っている。女性重視という不可解な世論の人身御供にさせられた橋本氏擁護を訴えて終演。