日経ビジネス6/18号の特集 「早期退職の経済学」
「経済学」と銘打ちながら、要するに損得勘定の話。
老後に必要な費用を試算しながら、退職の後はバラ色ではない、という話と、残るとしてもこれからはもっと厳しくなるよ、というような内容です。
記事では明確にそうは言っていませんが、損得勘定ではよほど勝算がない限りは早期退職は得ではない、実際には退職に追い込むようなかなり過酷な事例もあるようですが(「中高年の最終処分場」などというのもあるらしい・・・)、実もふたもない話、がんばって「ぶら下がり」「しがみつき」をしたほうが得だと示唆しています。
大企業・中堅企業の従業員が中心と思われる日経ビジネスの読者を想定すればそこまででいいのでしょう。
ただ、中高年が老後に必要な資金を確保するために、若年層の就職や資産形成、ひいては家族形成の機会が失われてしまうのでは本末転倒です。
少なくとも「経済学」と銘打つ以上は、中高年の損得勘定が他に与える影響--「企業の従業員の1割が余剰人員」と言われている一方、65歳定年が義務付けられる中で、中高年が損得勘定優先で「ぶら下がり」「しがみつき」をすると、どの程度のしわ寄せが大企業の下請けや若年層に及ぶか、についての分析も欲しかったところです。
(「経済学」という言葉が幅広い意味に使われている証左でもあるわけですが)
「天つば」を承知で言えば、あまり中高年を甘やかさず、60歳くらいでまだ身体も頭もそこそこ動くうちに、自力でどうにかしろ、と世の中に大量に放り出したほうが、新しい就業のスタイルができてくるように思うのですが。
(というか、公務員や大企業・中堅企業の社員以外の世の中の多くの人はそうやって食っているわけですから。)