これはDVDで。
冷戦時代の米ソのスパイ交換に活躍した弁護士を実話に基づく話。
弁護士(トム・ハンクス)とソ連のスパイのやりとりがいい。
困難な状況の中で信念を貫く、筋を通す、ということの難しさと尊さが描かれている。
情報はすぐに共有され、さまざまな言い訳の理屈が立つ現在だとこういう映画は成り立たない、または作り話っぽくなってしまうのかもしれない。
弁護士の交渉のロジックについてもそうで、おそらく最初だから成り立ったが「相場」ができてしまったあとでは難しいように思う。
細かいところは突っ込みどころも多い(*ネタバレも含むので末尾参照)が、登場人物のキャラクターの立ち方(CIA、アメリカの裁判官、東ドイツ側の交渉役など)やせりふ回しも面白い(コーエン兄弟も脚本に参加している)。
映画『ブリッジ・オブ・スパイ』予告編
* ソ連のスパイは「アメリカの民主主義を示すことが大事」といって死刑を回避させて禁固30年の刑になった一方で、ソ連に捕まった米軍飛行士は禁固10年で全然示せてないとことか、高高度を飛行するU2偵察機は絶対落とされないとか言いながらいきなりソ連のミサイルに落とされてしまう(そのへんの兵器開発の急速な進歩を端折ってる)とか。