大阪弁で描かれた小説を大阪人が論評するので、東京者としては脇から面白がって眺めているしかない。
読み物としては、著者と津村記久子の対談の『大阪的』の方が腹におちる部分は多い。
あちこちで「大阪弁の身体性」が言及されるにつけ、自分自身の日常で使っている言葉が仕事とTwitter的なノリの言葉に二分されて、つまらなくなっていることに反省しきり。
★3
敗戦直前のドイツ軍からの脱走兵が、偶然見つけた将校の制服を着て成りすまし、他の脱走兵や敗残兵から自らの部隊を編成して、後方の街を舞台に私設裁判まで行なうようになった、という実話を基にした映画。
実話をもとにしていると言われなければにわかには信じがたい話だし、ストーリーの展開も強引に思えるが、階級章を盲信する兵卒、自分に都合がよければ多少怪しかろうと利用する他の将校などがからみあい、こういう輩を生み出したことが描かれる。
そして、本人の小心さとその裏返しとしての残酷さのエスカレートしていくところが本作の見どころ。
エンドロールの映像もぜひ見てほしい。
本筋とは違うが、主人公たちの行き過ぎた残虐行為に、利用したはずの他の部隊の将校が「それはドイツ的でない!」と批判する場面が印象的。戦時中の日本軍にはそういう規範意識のようなものはなかったのだろうか、とふと思った。
★4
ここからが今年分。
妻に対するDVを子供の視点を中心に描いた映画。
本人は悪いことをしていると思ってないので、回りが少しでも遠慮・譲歩するとひどいことになってしまう、という救いのない日常をそのまま描いている。
回収されない伏線のようなエピソードがいくつかあるが、ドキュメンタリータッチの作品と思って観た方がいいと思う。
★3
何を今さらなんだが、話題になった当時見そびれていたのを、amazon primeで見つけたので。
映像や音楽など、当時としては相当斬新だったろうなと今さらのように思う。
今や歴史的作品の仲間入りをしているが、Brexit騒動における若者の失業の話などを聞くと、状況としては今も似たようなものなのかもしれない。
★4
これも遅ればせながら昨年飛行機で観たんだが、こちらはそれでもけっこう面白かった。
凄惨なストーリーと美しい大自然の映像が印象的。スクリーンで観たらもっと大迫力だったんだろうと、そこが残念。
★3.5
ワイオミング州のネイティブ・アメリカン居留地をとりまく貧困・犯罪の連鎖とそこから脱出することの難しさ、がサイドストーリー。
自然管理局の職員として地元にとどまりネイティブアメリカンの妻と結婚した主人公と派遣されてきたFBIの白人女性捜査官という設定がうまい。
雪に閉ざされた土地と救いのないストーリーがリンクして印象的。
★4
例によってしばらくごぶさたしてしまったが、昨年観たやつも含め映画の感想を。
これは昨年飛行機で観た。
大富豪の子供の誘拐劇と一族の軋轢を描いているんだが、ちょっとストーリーに追われている感じだった。
ただ、飛行機のモニターだといまいち入り込めないので、そこは割り引かれているかもしれない。
★3