一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

クレーム対応を「サービス」に

2007-10-31 | あきなひ

楽天市場、さらなる安心・安全なネットショッピングマーケットの創造を目的に補償率100%の新制度「楽天あんしんショッピングサービス」を開始

「楽天あんしんショッピングサービス」は、ユーザが支払い済みの商品が未着にも関わらず「楽天市場」出店店舗との連絡が困難になったなどの状況が発生した場合に、商品代金を楽天が補償するという制度です。同サービスの補償率は商品代金の100%、補償額上限は50万円、補償回数は年1回となり、全ての「楽天会員」(登録無料)が補償の対象となるため、会員登録をしていただければどなたでもこの制度を受けることが可能です。 
なお、楽天はこれまで商品未着などの状況が発生した場合、その状況に応じて商品代金を代位弁済するなどの対応を行ってまいりましたが、新たに制度として設けるのは今回が初となります。

従来やっていた「その状況に応じて商品代金を代位弁済する」つどつどの対応よりサービスとして制度化したほうがやっていることは同じでも顧客にはアピールする上に(多分)コスト的にも安いとういうことだと思います。
「年1回上限50万」というのはその辺の逆算があるのでしょう(私は楽天市場で買っても2,3万円くらいの品物なので、1回で50万円もの品物って何を買っているのか興味がありますが。)。

ウォルマートの無条件で返品に応じるというのも、これとおなじ理屈ですね。


ところで約款 楽天あんしんショッピングサービス規程 を見ると3条と4条に「補償金を支払わない場合」が規定されています。
面白いのは4条8号  

出店者のお買い物レビューページに、利用者の商品購入の時から遡って2週間の間に、当該出店者に対する購入者のレビュー(ショップのレビュー)について、☆2個以下の評価が複数存在していた場合  

評判の悪いところを使ってトラブルになっても知りませんよ、ということですね。  
ただ、楽天市場のを見たところ、ショップのページからそのショップの「お買い物レピューページ」に直接リンクが張られておらず、またお買い物レビューページも個別商品の検索はできるものの店舗ごとの検索はできないようで(私が慣れていないだけかもしれません)「2週間の当該出店者に対するレビュー」を見るにはどうやっていいかわかりませんでした。


安心を得るのも努力が必要なようです。


クレーム対応といえば昨日の毎日新聞夕刊に「特集ワイド:苦情対応の極意とは 元百貨店お客様相談室長・関根眞一さんに聞く」という記事がありました。

「基本は相手の話をすべて聞き出すことです」
「『ちょっと待ってください。それはですね』などと相手の話を遮ってはだめです。」

クレーム対応に限らず、ひとこと多い僕にとってはなかなかの難題で・・・(反省)

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『未来を予測する技術』

2007-10-30 | 乱読日記
小飼弾さんのブログで紹介されていたのがきっかけ(だったと思う)で読んだ本『未来を予測する技術』

これは、地球全体の気象状況などを丸ごとシミュレーションできるレベルのスーパーコンピューターを世界で初めて開発した日本の研究者(正確にはそのセンター長)の書いた本です。

前半はコンピューターやスーパーコンピューターの歴史、それらが単なる演算速度などの直線的な進化の過程でなく、斬新な設計思想によるブレイクスルーがあったことなどがわかりやすく解説されています。
ここの部分だけでも読む価値はあります。

そして後半は著者が所長を勤める「地球シミュレーションセンター」のスーパーコンピューターにより、さまざまなシミュレーション(=未来を予測する技術)が可能になり、また、課題は何か、ということが書かれています。

このコンピューターにより、地球を大気は100km、海洋は30kmのメッシュに分けて地球の気象変動を「地球丸ごと」解析することが可能になりました(技術的には数キロメッシュまで可能だとか)。
その結果、たとえば2004年7月の東京を襲った熱波の気流の流れを逆に辿ると地中海の東岸辺りに熱波の源流があることがわかるそうです。(ガザ地区での爆弾テロや軍事行動は他人事ではないわけです。)

一方で、シミュレーション技術の進歩は新たな課題に直面します。
上の気象シミュレーションは、気流や海流というマクロなスケールの動きを計算しているのに対し、実際の気象現象はマクロな大気の流れとはまったく異なる微粒子のミクロな物理プロセスに左右される雲に影響されます。
しかし水蒸気のサイズはミクロン以下で、大気のサイズは最大10万平方キロもあるため、それらを同時に丸ごと解析することはでない(そういうコンピューターを作ること自体が未来においても不可能)ということです。

このマクロとミクロの機械性能では埋められないギャップを埋めるのが計算のアルゴリズム(=人間の知恵)です。
その対応は大きく言って①様々なマクロ状態をパラメーターとして与えた場合のミクロシミュレーションをあらかじめ行っておく、②マクロの状況とは独立に突発的に起こるミクロ相での変化については、その変化の起こりそうな相の近傍のマクロのグリッドについてのみミクロシミュレーションを行う、という2つの方法があります。
そして著者は今後そのマクロとミクロの間をつなぐアルゴリズムを進化させることで、未来を予測する技術は発展することを示唆して未来への希望を語っています。


そういう科学読み物としても十分面白いのですが、ナマグサな世界に生きている私としては「マクロとミクロを知恵でつなぐ」というところが個人的には印象深かったです。

組織でもマクロ(経営戦略)だけが先走ってミクロ(従業員個々の行動やインセンティブ)が追いつかないケースや、ミクロの議論からのボトムアップを優先した結果合成の誤謬に陥ってしまいマクロ的にはとんでもない意思決定をするケースはままあります(一連の偽造事件などは典型かと。)。
また、組織の特性だけでなく、個々の管理職のマネジメントのスタイルもマクロ寄りの人とミクロ寄りの人に分かれるような感じがします。
そして自分のスタイルにない部分を補完してうまくバランスをとった意思決定をするというのはなかなか難しいことです。

シミュレーションにおける上の①と②の解決は、組織運営の世界においては、①は「こういう経営の意思決定をしたら従業員・現場はこう考えるだろう」という検証をし、②は不具合が起きがちな現場に特に目を光らせる、ということになるかと思います。
これらはマネジメントにおいてよく言われていることなんですよね・・・

そして実は一番大事なことは「マクロとミクロをすべて丸ごとシミュレーションできるようなコンピューターは未来永劫できない」--どんなに精緻な予測も限界があるということ=「完全」を目指しても限界があるということ--それは「無理をするな」であったり「謙虚になれ」という示唆ではないかと思いました。








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イスラム過激派の訓練映像?

2007-10-29 | ネタ
地雷原を突破する訓練、ではなさそうですが・・・

http://www.yourfilehost.com/media.php?cat=video&file=arab_car_stunts.flv





ただ、こういう金を持っててお気楽な若者の存在が、イスラム原理主義への賛同者を増やしているということもあるのかもしれません。
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先入観は大敵

2007-10-28 | よしなしごと

先週家庭用品メーカーの人に、消費者は商品を予想外の使い方をしている、という例として、食器洗い機にレンジフードのファンを入れちゃう人がいる、と聞きました。

そのときは、油汚れは水流だけじゃとれないだろうから、それは「変な使い方の例」だと当然のように思いそのままスルーして、内心「そのうち洗剤投入口にシャンプーを入れて小型犬を洗う人が出てくるんじゃなかろうか」などというブログネタにでもしようかと思っていました。

ところが他の妙な利用法はないかと検索してみるとこちらのブログには

五徳と受け皿と、グリルの煙の出る穴のカバー(中略)を楽にスッキリ綺麗にするのに、「食器洗浄機用の洗剤で煮洗いするとスッキリ落ちる」という情報をネットの海から拾ってきたので、さっそくダイソーで洗剤買ってきたのでした。
 (中略)  
五徳はコゲが結構頑固だったので、重曹磨きにちょっと時間掛かりましたが、以前重曹で磨いただけの時よりもはるかに落ちがよかった気がしますね。受け皿は本当にスルスルと落ちて気持ちが良いくらい。  

結果として、食器洗浄器用洗剤での煮洗いは効果ありだと思いました。

とあるではありませんか。
食器洗い機用の洗剤は普通の台所洗剤が中性なのに対し、アルカリ性なので、汚れ落としの効果が強いようです。

ひょっとして私が聞いた人も「予想外に優れた使い道」というつもりで話したのかもしれません。


わからなければまず実験、ですが、レンジファンの汚れは落ちたけど、食器洗い機の中が油汚れで悲惨なことになってしまったりすると困るので、その前にもう一度聞いてみることにします。

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いまさら聞けない疑問

2007-10-27 | よしなしごと

今日は仕事関係のゴルフの予定がありました。
昨日台風の接近を知りながらも「とりあえず現地で様子を見てから決めましょう」という配慮の微妙にきいた仕切りだったので、既に風雨が強くなりつつある中早起きをして登板を告げられた敗戦処理投手の気分で出かけ、案の定即決で中止が決まり、結局普段の土曜に起きるよりも早く家に帰ってくるという損をしたのだか得をしたのだかよくわからない一日でした。


帰りの高速道路で風雨が強くなる中、フロントガラスに当たる雨粒を見ながら、今さら聞けない疑問を思い出してしまいました。

たとえば今回の台風20号。Yahoo 台風情報では

2007年10月27日22時30分発表 台風20号は、27日21時には銚子市の東約100Kmにあって、北東へ毎時65kmで進んでいます。中心気圧は985hPa、中心付近の最大風速は30m/sです。

となりますが、中心付近の最大風速が30m/sの台風が毎時65km(≒18m/s)で進んでいるとすると台風の正面では風速48mになるのでしょうか?


森田さんのお天気ですかァ?によると

Q:台風の移動速度が上がれば、威力も増すと聞いたことがありますが、本当なのでしょうか?
日本各地に大きな被害を与えた平成3年の台風19号の時は、確か80km/hぐらいになった記憶がありますが・・ 

A:威力が増すというより、進行方向の右側だけ風速が強くなります。91年の19号台風(りんご台風)のときも、青森県などが進行方向の右側に入ったので、大きな被害になってしまいました。

と、移動速度は風速に影響を与えるようなので、「中心付近の最大風速」自体は相対速度ではなく、やはり移動速度が加わるようです。

ところが気象庁の台風情報をると

<28日21時の予報>
進行方向、速さ 東北東 65km/h(36kt) 
最大風速 30m/s(55kt)
最大瞬間風速 40m/s(80kt)

となっていて、「最大瞬間風速」というのに30m/s+18m/sに及びません。


なぜなんでしょうか?


台風というのは強い上昇気流の塊が渦になっているので、台風の移動というのもプロペラや扇風機のような物体が高速で回転しながら移動しているわけではなく、海面を伝わる波のように空気の濃密みたいなもの(風は気圧の差があるところで起こるので)が伝播するようなメカニズムなのでしょうか。

そうだとすると、移動速度の風速に与える影響も単純じゃないのかもしれません。
(イメージしにくいですが・・・)


Yahoo知恵袋「台風のことで質問します。例えば時速25キロ、最大風速45メートル、風速は時速に影響しないのですか。」を読んでもいまひとつ釈然としません。


どうやら素人が妙な袋小路にはいってしまったようです・・・(^^;

どなたかご存知の方は教えてください。

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NOVAの倒産

2007-10-26 | よしなしごと

NOVAが会社更生法申請、4社に再建支援打診へ
(2007年10月26日(金)22:00 読売新聞)

関係者によるとNOVAは、経営再建に向けた支援企業(スポンサー)候補として、流通大手のイオンと丸井、IT(情報技術)大手のヤフーと楽天の計4社と交渉を検討している。

英会話学校自体はNOVAでないとダメというようなメソッドがあるという話も聞いていませんし、授業料前払いの受講者は債権カットされたらさすがに継続しないでしょうから、スポンサーになるメリットというのが業界に疎い私にはにわかにはわかりません。
「駅前留学」の立地の利便性は大きいのでしょうか。


ニュースでNOVAの講師組合の人が「八方塞がりです」と流暢な日本語で言ってました。
「八方塞がり」って英語でなんていうんだろう、などと不謹慎なことを考えてしまったのですが("I am at a dead end."とか"There is no way out."とか言うのかな?自信なし。)、前納受験料がとんでしまう日本人受講生に対すると同様(またはそれ以上)に、給料不払いに苦しみ、かつ雇用危機の瀬戸際にあるNOVAの外国人講師に対しても共感を持てるかどうか、というところは、日本社会の器を問われるところかもしれません。

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紅白

2007-10-25 | 余計なひとこと
長沢まさみ紅白司会抜てきへ(日刊スポーツ)

もうそんな時期になったんですね。


ところで「紅白」といえば最近ではもっぱら「赤福」と「白い恋人」ですが、
こう並べてみると「中京圏対北海道」という図式は今年の日本シリーズと同じなんですね。
たまたまなんでしょうが。

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内部統制の動的平衡

2007-10-24 | あきなひ
昨日のエントリで触れた「動的平衡」からもう少し脱線します。

J-Soxで求められる内部統制システムの整備についても、企業会計審議会の実施基準や金融庁のQ&Aや、お金のある会社はコンサルティング会社を使ったりして各企業で作業を進めていると思いますが、いろんな基準やルールや意見や見識や流言飛語が溢れるのなかで、「何をすれば及第点なのか」に焦点が置かれがちです。


ところで、企業会計審議会の実施基準では冒頭に「内部統制」の定義として

内部統制は、基本的に、企業等の4つの目的(①業務の有効性及び効率性、②財務報告の信頼性、③事業活動に関わる法令等の遵守、④資産の保全)の達成のために企業内のすべての者によって遂行されるプロセスであり6つの基本的要素(①統制環境、②リスクの評価と対応、③統制活動、④情報と伝達、⑤モニタリング、⑥ITへの対応)から構成される。

とあり、これはCOSOのフレームワークでも

Internal control is broadly defined as a process, effected by an entity's board of directors, management and other personnel, designed to provide reasonable assurance regarding the achievement of objectives in the following categories:

  • Effectiveness and efficiency of operations.
  • Reliability of financial reporting.
  • Compliance with applicable laws and regulations.

と、ほぼ同じようなことを言っていて(こちらのほうが先なのですが)、内部統制は「プロセス」であることが明記されています。


しかし、企業において組織やルールを変えようとすると、まず具体的にどうするのか、という「コンテンツ」を整える(上の斜体の部分)ことが優先されてしまいがちです。
そして、初年度を乗り切ってしまうと、「喉元すぎれば暑さ忘れる」で、多分そのままになってしまう可能性が高いように思います。

そうしているうちに「統制環境のエントロピーが増大」してきます。
これは、内部監査人や監査法人が気がついた時には手遅れの場合が多いのではないでしょうか。
一方でこのような「動的平衡」を法制度として実現させようとしても、制度的な規制は、外形的な基準を守らせるとか結果責任を負わせることしかできないので、実効性には限界があります。
となると最初に気がつくとすれば経営者(業務執行サイド)なのでしょうが、喉元をすぎたうえに業績が好調だったりすると、なかなか問題意識を持ちにくいと思います。

そしてまたしばらくすると第二、第三の「喉元すぎれば賞味期限忘れる」ような企業が出てくるような感じもします。

結局日々の地道な活動しか「動的平衡」をもたらすことはできないわけです。


考えようによってはそこが企業経営者の存在意義なんですけどね・・・


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『生物と無生物のあいだ』

2007-10-23 | 乱読日記

書評やblogなどでも取り上げられている福岡伸一『生物と無生物のあいだ』を読みました。

分子生物学者である著者による、分子生物学の黎明期から最前線までの歴史とそれをめぐる研究者たちの人間くさい競争、そして研究者という職業をとりまくさまざまな不条理までを、研究者としての軌跡と重ね合わせながら活写した、とても面白い本です。

とくに「あとがき」は著者の研究者としての原点が最後に明かされるとても感動的な掌編になっていますので、必ず最後に読むようにしてください。


と、非常に面白い本に対して素直に感動する一方、例によって不謹慎な私は

分子レベルでも人間集団レベルでもやってることは似たようなものだなぁ。

という感想を持ちました。
以下に引っかかったポイントをいくつか。

<その1:ドミナント・ネガティブ現象>

タンパク質分子の部分的な欠落や局所的な改変のほうが、分子全体の欠落よりも、より優位に害作用(ドミナントネガティブ)を与える。

チームのメンバーが足りなくても、人数あわせに中途半端な人を入れるよりは少ない人数で補い合った方がうまくいくことはよくありますね。
あと、自信がないけど権力は誇示したいので仕事の微細なところを思いつきでいじくるエライさんの迷惑さに閉口したことのある方も多いと思います。


<その2:動的平衡>

エントロピー増大の法則は容赦なく生体を構成する成分にも降りかかる。高分子は酸化され分断される。集合体は離散し、反応は乱れる。タンパク質は損傷をうけ変性する。しかし、もし、やがては崩壊する構成成分をあえて先回りして分解し、このような乱雑さが蓄積する速度よりも早く、常に再構築を行うことができれば、結果的にその仕組みは、増大するエントロピーを系の外部に捨てていることになる。

つまり、エントロピー増大の法則に抗う唯一の方法は、システムの耐久性と構造を強化することではなく、むしろその仕組み自体を流れの中に置くことなのである。つまり流れこそが、生物の内部に必然的に発生するエントロピーを排出する機能を担っていることになるのだ。

特定のマーケットに過剰適応した企業は、マーケットが変わると従来の強みが弱みになってしまう、というのは経営の本によく出てくる話です。

とはいえ「システムの耐久性と構造を強化することではなく、むしろその仕組み自体を流れの中に置く」というのは言うは易く行うは難しの典型のようなものです。
「流れの中に置く」といっても思いつきで朝令暮改を繰り返すのでは単なる自己満足で、それ自体がエントロピーの増大になってしまいますしね(くわばらくわばら)

また「常に先回りして再構築」を実践することは、経営者も従業員も心休まる暇がないことを意味します。
これをうまく機能させるには、商品や技術でなく、トヨタ自動車のように「カイゼン」というスタイル(思考形式?)を企業文化として持っていることが必要なのかもしれません。


 








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そのまんま

2007-10-22 | まつりごと

といっても宮崎県知事の話ではありません。


守屋前次官「随意契約でいい」 接待業者を推す
(2007年10月21日(日)08:36 朝日新聞)

防衛省の事務次官だった守屋武昌氏(63)が在任中の今年7月、航空自衛隊次期輸送機CXのエンジン調達をめぐって、新興の軍需専門商社「日本ミライズ」(東京都港区)と「随意契約すればいいじゃないか」と、天の声とも受け取れる発言をしていたことがわかった。このエンジンは総額で1000億円近い大型案件。不透明な取引とみられないよう競争入札の方向だと部下は説明したが、それでも同社に便宜を図るよう促した。日本ミライズの社長(69)は「山田洋行」(同区)の専務時代に守屋氏をたびたびゴルフ接待しており、こうした親密な関係がミライズ寄りの発言になったとの見方が出ている。

小池百合子大臣と留任騒ぎでもめた守屋前防衛事務次官ですが、「大物次官」という報道の割には失礼ながらあまりぱっとしない人相風体なので、省内の人心を掌握しているとか、ものすごい切れ者で防衛政策に通暁し各国の国防関係者の受けがいいとか、「外務省のラスプーチン」と言われた佐藤優氏のような理論+政治家との太いパイプがあるとかいろいろ想像していました。

ところが最近の汚職疑惑報道が事実だとすると、かなりオールドスタイルの大物というか単なる「悪者」だったようです(当然有能な部分もあるのでしょうが)。

これでは見たまんまで、意外性がなさすぎです。


一方で相方の小池元防衛大臣は相変わらず元気です。

小池・元防衛相が「暴露本」 守屋氏との暗闘、赤裸々に
(2007年10月19日(金)19:01 朝日新聞)

自民党の小池百合子元防衛相が、人事をめぐる守屋武昌・前防衛事務次官との確執の内幕を記した「女子の本懐~市ケ谷の55日」(文春新書)を出版した。小池氏は失言で辞任した久間元防衛相の後任として7月に就任し、8月末まで女性初の防衛閣僚を務めた。守屋氏については「官邸を自由に泳ぎ回り、私の人事案阻止を訴えていた」とし、「これでは『ひとり二・二六』」と厳しく批判している。  

著作の中で小池氏は、守屋氏に次官を退いて同省顧問に就くよう勧めた際、「顧問では生活できない」と拒否されたことも紹介。「女性の新参大臣は赤子の手をひねるようなものだと考えたのだろうか」と振り返った。  

安倍前首相や塩崎恭久元官房長官とのやりとりも描いた。小池氏が辞表を示して人事案を決定するよう迫ると、安倍氏は「悲しそうな顔」をして「辞めるなんて言わないでください。お願いだから」と慰留したという。

「時の権力者を見つけてすり寄るのが上手い」という評判ですが、それに加えて、今度は「水に落ちた犬を見つけて真っ先に石を投げる」とか「踏み台になりそうな人物を見つけて真っ先に踏んづける」技術も身に着けたようです。
もっとも、やりすぎさえしなければ、それらは政治家としては必要なスキルのひとつではあると思います。

ただ、守屋前次官は制服組でもないし『ひとり二・二六』というのはネーミングとしては派手だけどはずしてますよね。
これでは、単なる話題づくりと思われても仕方ありませんよね。
それに、いちいち「女性の」というのをつけるのはやめたほうがいいと思うのですが・・・


こちらもなかなかスタイルは変えられないようです。 

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つかまったほうが楽?

2007-10-21 | あきなひ

老舗やブランド品の偽装が相次いで発覚しています。

比内地鶏の薫製を偽装 秋田の業者「10年前から」
(2007年10月21日(日)03:20 朝日新聞)

秋田県の特産で、「日本三大地鶏」の一つとして知られる比内地鶏で、加工商品として出荷した薫製の肉や卵に、比内地鶏でない鶏を使用した疑いがあるとして、秋田県は20日、同県大館市の食肉加工会社「比内鶏」(藤原誠一社長)を景品表示法などに触れるとして立ち入り調査した。同社は偽装を認めているという。

BSE問題以降(鳥インフルエンザ前)の地鶏ブームのときに、「そんなに急に地鶏が育てられるわけないよな」と思っていたので、まあ、そんなこともあるか、という感じです。

赤福については、関東ではあまりなじみがないのと、個人的には甘いものはあまり食べないうえに、出張の土産などでは定番から少しはずしたものを選びたがる性格なので、あまり縁がありませんでした(その意味では「白い恋人」も同じです。)。

下の記事を見ると、内部告発者保護のために調査に手間取ったということがあるようです。

<赤福>消費期限偽装 3年前から問題視 内部告発受け、大阪工場で調査
(2007年10月20日(土)15:25 毎日新聞)

老舗和菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)の消費期限偽装問題で、04年7月と8月、店頭からの持ち帰り商品の再包装に関する内部告発とみられる情報提供を受けた大阪市が、赤福大阪工場(大阪市淀川区)を調査していたことが20日、分かった。(中略)

大阪市によると、04年7月ごろ、「赤福が大阪工場で商品のリパック(再包装)をしている」との情報が匿名で寄せられた。ただ、通報者は自分が特定されるような調査はやめてほしいと強く要望。(中略)

このため、大阪市は特定の目的によるものでない平常調査という形を通報者に提案、調査の過程で偽装を確認できれば問題にできると伝えた。その後7月と8月の2度にわたり、調査を行ったが、偽装は確認できなかった。通報者の立場を重くみて三重県などにも伝えていなかったらしい。  

関係者は「当時から赤福内部でも消費期限偽装を問題視する動きがあったが、口にするのはタブー視されていたのかもしれない。この時確認できるか、三重県などと連携ができていれば、もっと早く不正をやめさせることができたのだが」としている。

けっこうこの手のことをやっている食品メーカーは、今後(または赤福同様富士や事件発覚以降などに)偽装をやめたとしても、過去の行為の内部告発に悩み続けることになります。

独占禁止法改正により導入された課徴金減免(リーニエンシー)制度という自首をするとお咎めを軽くするしくみを導入しています。
しかし、ブランドのある食品会社などでは、たとえ厚生労働省が「自首をしたら過去の分はお咎めなし」と言ったとしても、消費者に対するイメージダウンは避けられません。

つかまった会社は「外部も入れての調査、経営者も含めての責任追及、再発防止策の策定」という三点セットで再起がはかれますが、「まだつかまっていない会社」はかえって身動きが取れない、という状況にあるのではないでしょうか。
「今後は偽装をやめろ」などという正式な社内通達を出すわけにも行かないですし・・・

教科書的には、潔く過ちを認めて再起を図るというのが正解なのでしょうが、消費者が自首を前向きに評価してくれるかどうかはわかりませんし、そのときのダメージも予測できません。
また、上場企業だと取締役は辞任だけでなく代表訴訟リスクもあり、一文無しになる可能性もあります。
そういう状況で「摘発されない可能性」を考えたりするとなかなか自首もしにくいように思います。

この状況をリスク・リターンで考えると軽微な偽装は自首したほうが得で、自首したとしても企業イメージが決定的に毀損するような悪質な偽装は自首しない方が得(=悪質な偽装ほど隠蔽するインセンティブが働く)になります。

他人事だと理屈で切れてしまいますが、自分が未摘発の偽装をしている会社の社長の立場だとすると、素直に「自首しよう」とは言えない感じもします。


 

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タクシーあれこれ

2007-10-20 | あきなひ

昨日千葉でタクシーに乗って、11月からタクシーが全面禁煙になるということを知りました。
知らなかったのですが、タクシーの禁煙化はかなり進んでいるようです。

千葉県も11月からタクシー禁煙へ
(2007年8月29日23時51分 日刊スポーツ)

千葉県の法人、個人の両タクシー協会は29日、協会加盟のすべてのタクシー約7600台を11月から全面禁煙にすると発表した。神奈川県は7月に先行、来年1月には東京都の法人タクシーでも始まる予定。  
法人タクシーの全国組織「全国乗用自動車連合会」によると、都道府県単位の禁煙は、神奈川のほか、長野、大分、静岡で既に始まっており、山梨、富山、岐阜、愛知でも導入が決まっている。

東京でも実施されるんですね。
非喫煙者の私としては歓迎です。
一方で東京のタクシーは値上げも決まりました。

都内タクシー、12月値上げ 初乗り710円
(2007年10月19日(金)13:28 朝日新聞)

加算運賃を含む値上げ率は7.22%で、初乗りの上限運賃は現在の2キロ660円から同710円、加算運賃は現在の274メートルあたり80円から、288メートルあたり90円になる。値上げは10年ぶり。

初乗りでも10円玉を用意しないといけない(おつりが90円と小銭が増えてしまう)というのが相変わらず面倒くさいという瑣末な問題のほかに、毎日新聞の解説記事タクシー値上げ:規制緩和、思惑外れでは以下のような問題を指摘しています。

 ◇参入増え過当競争  
「運転手の取り分は年30万円程度の増加にしかならず、他産業との賃金格差はまだ埋まらない」--。業界団体の東京乗用旅客自動車協会の堀清孝広報委員長は値上げを評価しつつ、上げ幅に不満を隠さない。

聞くところによると、運転手の歩合は会社によってバラバラらしいので、値上げした分運転手に還元されるかどうかわかりません。給料が安くてもなり手がいるのであれば上がりにくいということになってしまうと思います。

◇運転手「客離れ心配」  
「値上げで生活が楽になるかどうかは会社の判断次第。むしろ利用者が減るのではと心配」。

その意味ではインタビューに応じた運転手さんの「会社の判断次第」というところが実感なんでしょう。規制緩和をしたので賃金水準まで役所は言えないでしょうから。
一方で客が減るかについては、この前乗った個人タクシーのベテラン運転手さんの話では、今まで何回も値上げのたびに「客が減る」と騒がれたがそんなことはなかったそうです。客の増減は景気のよしあしの影響が一番大きいとか。
個人タクシーは深夜専門の人が多いのでそういう実感でしょうが、運転手一人当たりの売り上げでいえば、新規参入による台数増の影響の方が大きいようにも思います。
新規参入は地方の会社が東京に、というMKタクシーのようなものもありますが、多くは運送会社の転業が多いそうです。
運賃の上げどまりやトラックへの投資や駐車場など既存のインフラを転用できることを考えるとタクシーへの転業の方がまだもうかるらしいです。

◇割引合戦続く大阪  
これまでに値上げが決まったのは、全国90地区のうち13地区。ほかに34地区が審査中だ。しかし、値上げする東京地区を尻目に、過当競争ともいえる激戦が続き、値上げ申請すらできない地区も多い。
その一つが大阪だ。現在は95%のタクシーが「運賃5000円を超過した分は半額」となる割引を採用するなど、業界全体が共倒れ寸前の状況。運転手の賃金は毎年減っており、男性の平均年収は約327万円だ。

確かに大阪に行くと特に夜の盛り場は客待ちの空車があふれています。
「運賃5000円を超過した分は半額」というのは確かにかなり大胆な料金設定ですね(大阪だと家がそんなに遠くないのでこの料金が適用される人は少ないのかもしれませんが)。
でも、そこまでの過当競争にもかかわらず車の台数が減らない、というのはなぜなのでしょうか。個々の会社にとっては売り上げ減になるのと売り上げ減の約半分は運転手の歩合の減少なので固定費はまだまかなえるということからで我慢比べをしているのでしょうか。
なんとなくどこかに合成の誤謬が生じているような感じがします。

 

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沿線最強

2007-10-19 | よしなしごと

以前東武電鉄のわすレモンちゃんというキャラクターを紹介しましたが、それを上回るキャラクターを見つけました。









その名も









「京成パンダ」






 

 

誰にもこびない潔さ 京成パンダがグッズに
(2007年10月18日 asahi.com)

京成電鉄が今年2月、PASMOの使用開始に合わせて、クレジットカード事業を始める際に、カードの宣伝役として登場させたキャラクターだ。

「社内でも当初は反対の声があり、いったんボツになりかけたのですが、やはり何ともいえないインパクトがあるということで、復活する形で、採用されたんです」

「ゆるキャラ」(ゆるいキャラクター)「キモカワ」(キモいけどかわいい)などとして、女性誌などにも取り上げられ、同社のカード発行部署には「グッズはありますか?」という問い合わせが多数寄せられたという。


関東地方以外の方に説明すると、京成電鉄は元は東田(千葉県にあり、初詣客で上位に来る成田山新勝寺で有名)を結ぶ鉄道から発展した、東京と千葉方面を結ぶ私鉄です。

1980年頃には経営危機に陥りいつの間にか「首都圏の大手私鉄各社」からはずれて年中ストライキをやっていたり、「京成上野」「京成船橋」などJRの駅と微妙な距離離れていて乗換えが不便だったり、京浜急行と都営浅草線を介して相互乗り入れするために軌道を京急の標準軌にあわせたために他社との乗り入れができなかったり、京成上野駅の目と鼻の先に「博物館動物園」という駅があったものの(だからパンダをキャラクターにしたんですね)、京成線を使う人以外にはほとんどメリットがなく(JRや地下鉄上野駅から京成電鉄に乗り換えて一駅行くよりは直接歩いていった方が早い)数年前に廃止されてしまったりと、独特のマイナー感を持った鉄道でもあります。

なのでかえってこういう冒険がしやすかったのかもしれません。
自由が丘・田園調布などを抱える東急や代々木上原・成城学園などの高級住宅地を抱える小田急などではなかなかできないことです。


京成カードのサイトをあけると出てくるフラッシュのコピー

「京成沿線最強」

も、自信と謙虚さを併せ持って、なかなかいいが趣をかもし出しています。

「世界の王」に対する「アジアの張本」を思い出してしまいました。

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『日中戦争下の日本』

2007-10-18 | 乱読日記

著者の問題意識は以下に集約されています。

私たちは、戦争責任を問う前に、日中戦争をめぐる「社会システムの不調」の原因を明らかにし、「多様なファクターの累積効果」として、日中戦争が拡大した過程を追跡するべきである。

そして『日中戦争下の日本』 というストレートなタイトルにふさわしく、200ページ程度の量の中で丹念に史実を拾い、政党や、労働者、農民がどのように自発的に戦争に協力していき、大政翼賛会を作り(それは戦前デモクラシー、政党政治の紆余曲折の結果として語られます)、そしてその体制が崩壊していくかを描いています。

労働者は資本家に対して、農民は地主に対して、女性は男性に対して、子供は大人に対して、それぞれが戦争をとおして自立性を獲得することに掛け金を置いたからである。国民は、被害者である前に、ましてや加害者意識を持つこともなく、戦争に協力することで、政治的、経済的、社会的地位の上昇をめざした。

しかし、戦争末期は戦況の悪化と物資不足により、平準化の目標が生活の向上から、上の人間を引きおろす、という「下方平準化」の方向に進んでしまいます。


(著者はそうは言っていませんが)日本人全体としての戦中派の人の「被害者意識」というのはこの辺に端を発しているのかな、とふと思いました。


 






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京橋の火事

2007-10-17 | よしなしごと

東京・京橋オフィス街で火事 家電販売店が全焼、5人けが
(2007年10月16日(火)21:45 共同通信)

16日午後1時半ごろ、東京都中央区京橋の家電販売店「三平商会」の店舗兼倉庫から出火、木造2階建て約200平方メートルを全焼した。現場はJR東京駅の南東約600メートルのオフィス街。一帯に黒煙が広がり、女性会社員4人が避難の際、煙を吸い軽いけが。消防隊員1人も軽いやけどをした。東京消防庁は周辺のビルへの延焼を警戒、ヘリ1機、消防車など37台を出動させ消火に当たった。

この火事、白煙がはげしくひろがり、消防車もサイレンを鳴らしながら至るところから集まってきていたのでかなり遠くからでも目立ちました。
方向から銀座の火事だと思っていたら、お隣の京橋だったんですね。

帰りに乗ったタクシーの運転手さんが、全焼した三平商会というのは、松下電器の初期の特約店のひとつ(第一号?)だといっていたので調べてみました。
こちらによれば(部長だか平取締役だったころの)島耕作の「ハツシバショップ」のモデルになった由緒あるお店だそうです。島耕作の初芝電器産業は作者の弘兼憲史が昔勤めていた松下をモデルにしていますから信憑性はありそうですね。


今や専務になってしまった島耕作ですので、漫画の方でもこの火災を取り上げ、ハツシバショップの再建に力を貸すことになるのでしょうか。

ひょっとして、会長から相談役くらいまでなるのではないかという大方の期待を裏切って、ハツシバショップのために自ら立ち上がり、「天下り島耕作」になっちゃったりして・・・

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