一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

日経15段広告!

2013-05-30 | あきなひ
Jトラストが...

最下段に小さく
「(注意)本公国は当社の株主等への一般的な情報提供を目的としたものであり、当社の株式又は新株予約権への投資勧誘を意図するものではありません...」
とあるけど、ライツオファリングの説明と会社の成長(=投資先として有望)を語っています。
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Jトラスト

2013-05-25 | あきなひ

懐かしい名前が出てきましたが、ゆかしともお友達なのでしょうか。

東大医学部卒社長の540億円の「賭け」(YUCASEE media)

日本では1000億円超の過去最大のライツ・イシューを実施するJトラスト。最大の焦点でもあるのは、発行済み株式の約5割を保有する藤澤信義社長(43)が総額で約540億円もの権利行使を行うかどうか。個人で用意する金額としては大バクチとも言われるが、そうした注目が集まる中で開催した24日の投資家向け説明会で「自分のことより会社の成長を優先させる」と語り、安定株主への譲渡や株を担保にしても借入などを行うべく交渉を行っていることを明らかにした。

藤澤信義氏といえば、このブログでも、2009年のレナウンの経営をめぐる争いを取り上げた中で登場しています。 

 レナウン
 レナウン、その後
(2009年当時は、まだ日本振興銀行も木村剛氏も元気だったんですね )

当時藤沢氏はネオライン・ホールディングスという会社を経営していたのですが、ネオライン社はその後変転を経て昨年Jトラストの連結子会社になっています。
そのときに筆頭株主になったのかと思ったら、その前から骨がらみだったようです。

ネオラインホールディングス株式化会社の株式取得(子会社化)に関するお知らせ
 なお、今回の取引を行うことで、下記7「藤澤氏からの借入について」記載の筆頭株主であり代表取締役を努める藤澤氏からの多額な借入が解消されます。また、当社とネオライングループとの関連当事者取引の解消にも繋がります。  

今回のライツイシューはノンコミットメント型なので資金調達が主眼という感じでもないですし、藤澤氏にとっては、上場した新株予約権を上場後売却すれば、原価はタダなので安くしか売れなくても全部利益になるという構図ですね。

新株予約権が上場した後、株価を刺激するネタが出たりするのでしょうか。
生温かく見守りたいところです。

PS
ちなみに記事には「東大医学部卒社長」とありますが、正確には藤澤氏は「東京大学医学部保健学科」を卒業されたようです。
そのへんの記事の省略の仕方もゆかし「らしさ」かもしれませんが、受け止める側としては、経営者や運用者を学歴で判断していては金融資産1億円は難しいような気がします。


<参考>
ライツ・オファリングについて(Jトラスト)

以下wikipedia
藤沢信義
JTインベストメント(「ネオライン・ホールディングス」から転送)
Jトラスト

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ジョン・ル・カレ

2013-05-20 | 乱読日記

『裏切りのサーカス』を観て、改めてジョン・ル・カレを読んでみようと思った。

そこで、代表作の『寒い国から帰ってきたスパイ』と、「スマイリー三部作」の一作目『ティンカー・テイラー・ソルジャー・スパイ』が上の映画の原作だったので二作目『スクールボーイ閣下』から。


1970年代冷戦華やかなりしころの国際情勢についての記憶はほとんどないので、ドキュメンタリー番組や本による後付けの知識しかないのだが、それら以上にリアリティを感じる出来になっている。

綿密な取材と経験に加え、人間性への深い洞察と現実を見据えるシニカルな視線が、作品を魅力的なものにしている。
特に『スクールボーイ閣下』はベトナム戦争時の香港からベトナム・タイ・カンボジア・ラオスが舞台になっており、「悪所」であったころの香港の描写、タイ・ラオス国境の緊張感など、現在へのつながりを考えるのも一興。


『スクールボーイ閣下』には、有名な

“A desk is a dangerous place from which to watch the world.”
オフィスの机は、世界をながめるには危険な場所である。

というくだりが登場する。
IBMのCEOだった時のガースナーも机の上に掲げていたという。(参照

それ以外にも箴言・警句がちりばめられていて楽しめる。

こんなくだりも。

年寄りは他人の話をするとき、薄れた鏡のなかにそのイメージを追いながら、自分自身のことを語るのが常である。


気をつけよう。




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『MAKERS』

2013-05-14 | 乱読日記

オープンなネットワークと製造技術のデジタル化でモノづくりの仕組みが変わっていくというのは、実家が零細町工場だった身としては感慨深いものがある。

サプライチェーンといえば聞こえがいいが、昭和の町工場はそれぞれの技術や製造設備で作った部品や半製品を順々に後工程の会社に納品し、最後に最終製品を製造する企業におさめるという、言ってみれば食物連鎖のようなピラミッドを形成していた(今でも大半はそうだと思う)。
実家は最終納品者からの仕事が比較的多かったのだが、その分頂点の企業も大きくなく、ロットも小さい仕事になる。
さらにそこから業容拡大しようとすると、機械設備や要員(営業・製造)への投資が必要でさらには手狭になると工場の拡張が必要になる。それは経営規模の小さな(大概は家族経営の)町工場にとっては大きな賭けになってしまう。
当然のことながら賭けに連続して勝つことは難しいため、零細企業から中小企業へのハードルは高いことになる(ひょっとすると中小企業から大企業に成長するハードルより高いかもしれない)。

本書の提示する世界-中規模ロットやカスタム品のマーケットの可能性-はそんな日本の町工場にとっても魅力的なものだと思う。
商品スペックと簡単なコミュニケーションがメールを介してできればそこに参入することはできるし、その程度の英語力についていえば、日本の英語教育も馬鹿にしたものではないと思う(自分の経験上)。
また、日本でも「ビット」と「アトム」を横断するコミュニティができる素地はあると思うし、それがいちばんだと思う(既にあるのかもしれないが)。

ただ、本書で紹介されるような「こういうことができたら面白い・便利だ」と思ったらとりあえずやってみる人々がいて、それらがネットワークになって何かを生み出していく、というダイナミックな広がりができるには、日本のビジネスマンは忙しすぎるのかもしれない。
「ボランティアで協力すると言っても残業が・・・」という声が聞こえてきそうだ。
「ワーク・ライフ・バランス」という言葉が流行りだが、仕事と家庭生活・余暇のonとoffだけでなく「趣味と仕事の間」というのを許容、それ以上に推奨することが必要かもしれない。
労務管理や人事評価の手抜きのための方便でもある「副業禁止」や「職務専念義務」は、そろそろお蔵入りにしたほうがいいかもしれない。

そして、グローバルな「MAKERS」のネットワークを前提にすると、通関手続きとかEPA・FTAにおける原産地証明のルールとかも変える必要が出てくるのかもしれない。


いろいろな方向に考えが広がる刺激に富む本でもあるし、読んでいて自分も元気になるのがとてもいい。



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「年齢別選挙区」つづき

2013-05-11 | まつりごと
4月に「年齢別選挙区」という考え方というのを書いたのですが、そういうアイデアを持っている人がほかにもいたようです。


「選挙制度改革を通じて世代間公平の実現を」 青木玲子氏(一橋大学・経済研究所)
http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/other/pdf/6722/aoki1.pdf
の資料の中に出てきます。

  年齢構造を考慮した投票方法:年齢別選挙区
  ・青年期、壮年期、老年期の3つに選挙区
   - 井堀利宏(東大教授)、土居丈朗(慶大教授)
  ・10歳ごとの選挙区
   - 冨山和彦(元産業再生機構専務)、松本大(マネックスグループ社長)

  年齢構造を考慮した投票方法:余命投票方式
  ・竹内幹(一橋准教授)
  ・余命+年齢区、小黒一正(一橋准教授)
  ・年齢と票数は逆の関係(寿命100才の場合)
   - 20歳の有権者は80=100-20 票
   - 40歳の有権者は60=100-40 票
   - 60歳の有権者は40=100-60 票

  年齢構造を考慮した投票方法:ドメイン投票方式
  ・ドメイン(Demeny)、米国の人口学者が提唱
   - 青木・Vaithianathan、金子勇(北大教授)、大竹文雄(阪大教授)
  ・子供に投票権を与え、親が代行投票する
  ・親は自分の投票権の他に子供の数だけ投票権がある
   - 実際には子供一人当たり親が2人いる場合が多いので、
    子供一人当たり0・5票
  ・ドイツでは国民投票で否決された


これは

一橋大学経済研究所・日本総研共催 記者勉強会 『社会保障における世代間問題を考える』

http://www.jri.co.jp/page.jsp?id=23034

の中の報告の一つで、社会保障制度改革に関する豪華メンバーそろい踏みです。
勉強になるなるとともに、どうしていつも議論がかみ合わなかったり、今一つ腹に落ちてこないのは制度を理解し議論する枠組み自体が役所や学者によって違うあたりにあるのではないかということもわかります。

コメント (1)
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保育所認可制度の「改革」(?)

2013-05-06 | よしなしごと

首相の号令で「右向け右」で改革が進んでいますという進軍ラッパもいいが、実際に機能するかをきちんとモニタリングしたほうがいいと思う。

(以下引用部下線は筆者)

子育て支援拡充へ新制度、政府の会議が今夏に指針
(2013/4/26 日本経済新聞)  

政府は26日、2015年度に施行する新たな子育て支援制度の細部を詰める「子ども・子育て会議」の初会合を開いた。(中略)  

新制度の実施主体となるのは市町村だ。都市部や過疎地などでそれぞれ異なるニーズに合わせ、どのような子育て支援を提供するかを5カ年の事業計画にまとめる。この計画作りを手助けするのが、政府の子ども・子育て支援会議の最初の役割だ。計画の各項目の作り方や手続きなどを夏までに指針として示し、市町村に参考にしてもらう。(以下略)

認可保育所:月内にも株式会社の参入全面解禁へ 厚労省
(2013年5月2日 毎日新聞)

厚生労働省は、約2万5000人の保育所待機児童の解消に向け、認可保育所への株式会社の参入を月内にも全面解禁する方針を固めた。当初は2015年4月から解禁する予定だったが、安倍晋三首相が女性の就労支援を成長戦略の中核に据えたことを踏まえ、大幅に前倒しする。  

厚労省が2日の規制改革会議で表明し、認可権限を持つ都道府県や政令指定都市、中核市に通知する。  

株式会社は児童福祉法上は今でも認可保育所に参入できる。しかし、企業の経営状況に保育所の存廃が左右されかねないことや、既存の社会福祉法人への配慮などから、株式会社の参入を認可しない自治体も多く、株式会社が運営する認可保育所は12年4月現在、376カ所と全体の2%にも満たない。

15年4月の子ども・子育て関連3法施行後は、自治体は株式会社であることを理由に認可を拒めなくなるが、これを前倒しする。

それはそれで早く進めてもらえばいいのだが、厚生労働省が規制改革会議に提出した資料

待機児童の速やかな解消に向けて
(平成25年3月21日 厚生労働省雇用均等・児童家庭局)

の参考資料p3(全体の14枚目)をみるとこのようにある。

 認可制度の改善等により保育需要の増大に対応
◇ 認可制度の見直しにより、大都市部の保育の需要増大に対応
・欠格事由に該当したり、需給調整が必要な場合を除き、質を満たしたものを「認可するものとする」(認可の恣意性の排除)ことで、大都市部の保育需要に機動的な対応が可能。

株式会社であることを理由に認可を拒むことはできないが、需給調整を理由に認可を拒むことはできることになる。

そうすると、市町村・東京都の特別区においては、新規参入による競争激化を懸念する既存の社会福祉法人が市議・区議経由で圧力をかける可能性は否定できない。

またそれ以上に問題だと思うのは、認可・需給調整含めて市町村・区単位になっていること。
特に東京都では、区境いに住んでいると居住地の住所と最寄駅が違う区にあることは往々にしてある。(たとえばマンション名では「吉祥寺」とつけられているのが多い練馬区立野町とか、東横線の駅が近い世田谷区下馬など。)
それに、通勤の問題がクリアされれば母親の勤め先に近い場所での保育所ニーズもあると思う。

保育所への補助が基礎自治体単位だから需給調整も基礎自治体単位でやりましょう、というのでは、潜在的なニーズを掘り起こすことができないのではないか。
「家の近く、しかも同じ市区町村内で働く」という人が少数である以上は、保育所も越境通所を前提に考えるべきで、越境児童については居住地の自治体が補助金予算を融通するなどの方策をとるべきではないか。

そこに至る前でも、自費負担をすれば認可保育所に入ることができる、という仕組みをつくれば、需要はより顕在化し「需給調整」もより現実的なものになるのではないか?
「金持ち優遇」という批判があるかもしれないが、そういうニーズがあるのはいわゆる富裕層ではなく、育児しながら就業を続けたいというワーキングマザーだと思うので、彼女たちが自腹を切ってまで通所したいというのであれば、それを否定する理由はないように思う(本来は自腹を切らずに通所できるのが一番なのだが)。

規制「改革」というなら、制度の枠組みから見直してみるべきではないだろうか。

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『日本防衛論 グローバルリスクと国民の選択』

2013-05-04 | 乱読日記
幅広く勉強していてよくまとまっているが軸がないのが残念。

副題にあるようにグローバル・リスク=世界が直面しているリスクとその日本に与える影響について触れている。

ただ、幅広いのはいいのだが「X大学のA教授が・・・」「Y研究所のB所長が・・・」「経済学者のZ氏によれば」という専門家の説の紹介・羅列が多く、なぜ著者がそれをピックアップしたのかという著者の視点が見えない。

最後に少しだけ今後の日本の取るべき方策についての提言があるが、「リスクに対処しろ」という以上のものにはなっていない。
それぞれの論点は既に多くのところで言われているものであり、せっかく並べるならそれらを俯瞰した視点での対応(の難しさ)についての分析などがほしかったところ。


amazonのレビューなどを見ると著者は若手の論客らしいので、もう少しテーマを絞った本を読んだほうがよかったのかもしれない。





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