一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

賛成の反対の賛成なのだ

2010-11-26 | M&A

目を離していたらこんなことになってました。

投資主による投資主総会の招集の請求に関するお知らせ
(2010年11月24日 FCレジデンシャル投資法人)

1. 請求の内容
(1)請求者  
 エスジェイ・セキュリティーズ・エルエルシー

(2)総会の目的たる事項
  本投資法人の解散の件

(3)当該請求の理由
  本投資法人を解散し、本投資法人の全資産を売却する手続を通じて、本投資法人の投資主に対して、早期に投下資本回収の機会を与えることは、全投資主との関係においても唯一最善の策であることを理由とするものです。

前回のエントリのあとフォローしていなかったので、その後の経緯はyurakuさんのエントリをご参照ください。

今後ですが、請求に対して会社が投資主総会を招集しない場合は、内閣総理大臣の許可を得て招集することになります(投信法91条3項)。

そして投資主総会の決議方法ですが、投信法では解散決議は過半数の投資主が出席した投資主総会で出席投資主の2/3以上(規約で上積み可)の多数が必要になります(93条の2、2項3号)。

一方で、投資法人では「みなし賛成」という制度があって、投資主総会に出席しなかった投資主も総会に出席して賛成したとみなすと規約で規定することが出来るとされていて(93条)、FCレジデンシャルの投資法人規約にもその規定はあります。

解散を請求したSJは投資口の23.24%を持っていて、スポンサーであるファンドクリエーションと提携しているいちごアセットは29.42%を持っているのですが、いちごが反対したとしても一般投資主がみなし賛成に回ると解散決議が可決される可能性もあります。

ところで上の投信法93条では「(複数の議案が提出された場合において、これらのうちに相反する趣旨の議案があるときは、当該議案のいずれをも除く。) 」という除外規定があります。
これはたとえば役員候補者が定数を超えてしまった場合とか、規約の改正案が複数出たときなどにはみなし賛成が機能しなくなるために置かれた規定だと思います。

今回、スポンサーのファンクリも(繰り返しますがいちごアセットが味方に付いた前提で)解散決議の否決を確実にするためには「相反する趣旨の議案」を出せばみなし賛成をなくすことが出来ます。

ただ、解散決議に相反する趣旨の議案となると「解散しない決議」ということになりますが、それは単に「解散議案に反対」なだけなので個別の議案として成立しないのではないでしょうか。

投信法では   

投資主総会は、この法律に規定する事項及び規約で定めた事項に限り、決議をすることができる。
(89条)

と定められていて、「解散しない」という事項は決議事項としては定められていません(まあそれが普通でしょう)。

となると、今回「相反する趣旨の議案」を出すことは難しいのではないだろうか、というのが素朴な疑問です。


「賛成の反対の賛成なのだ」はバカボンのパパの口癖ですが、運用会社・スポンサーの対応、いちごやその他の投資主がどう動くかに注目です。
そして、解散になった場合、物件売却をどうやって進めてどれくらいで売れるのか、バルクセールの価格と鑑定評価の関係という意味ではかんぽの宿問題にも共通する論点もあったりするので、そちらも話題になりそうです。


最終的に「これでいいのだ」という落着になるのかどうかまで目が離せません。

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年々歳々花相似たり

2010-11-25 | よしなしごと
新宿の焼き鳥屋で飲んでいて周りの客(酔っ払い)の話が耳に入って来て思ったこと。

女性二人組は人生、結婚とか子づくりとかかなり本気(でも流行り物の影響はある。)

一方で若手サラリーマンは社内や客への文句で情動失禁状態。

日本のリカバリーは、折れやすい男の夢よりも、女の現世利益のセンスに期待すべきなのか。
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『古代ローマ人の24時間』

2010-11-25 | 乱読日記
ローマ時代の浴場技師が日本にタイムスリップして日本の習慣をローマに生かすというマンガ『テルマエ・ロマエ』
ローマの風景や習俗がかなり精緻に描くことで荒唐無稽な設定に妙な説得力が加わって面白いのですが、第2巻が出たところで表題の本を見つけたので、予習もかねて購入。


本書はローマ帝国がその版図をもっとも拡大して隆盛を誇った期限115年のとある1日を、考古学の最新の成果を盛り込んで再現したものです。

科学技術以外はほとんど現代の都市(日本も含めた)と似たような状況や問題を抱えていたと同時に、それを解決する工夫も現代に通じるものがあると驚かされます。

たとえば人口が過密だったローマでは、インスラと呼ばれる7階建てくらいの高層建物が乱立したこと。
そしてエレベーターや消防設備がない時代なので上に行くほど不便でかつ危険なので富裕層は1階に住んで上に行くほど貧困層が住んでいたこと(これは今の日本のタワーマンションと逆ですね)。
そのインスラは家主が管理人に2階以上の住戸を全て貸す代わりに建物全体の管理を任せ、1階(富裕層)の家賃を実収入にするというしくみができていたそうです(現代のサブリース業者みたいです)。

また、ローマでは上下水道が整備されていたことには驚かされますし、尿は洗濯の洗剤代わりに使うために専門の業者が買い上げていったことは、用途こそ違え江戸時代のし尿の回収を思い出させます。

昔から人の営みというのはおおもとのところでは変わってないとつくづく思います。


当時と現代の一番の違いは奴隷制度の有無ですが、当時のローマ人が奴隷をどのようなものと考えていたかについて、本書では現代人における家電製品や設備に例えて巧みに解説しています。
つまり、科学技術が生み出した製品が奴隷に代替したのが現代だということです。

たとえば
・洗濯女に代わる洗濯機
・調理するコックや奴隷に代わるガスコンロや電子レンジなどの調理器具
・給水場まで水を汲みに行っていた奴隷に代わる水道
・氷を家に運ぶ奴隷に代わる冷蔵庫
・室内の掃除をする奴隷に代わる掃除機や食器洗い機
・家や公共浴場での湯沸し奴隷に代わる給湯器
・明かりをつける奴隷に代わる電球
・火鉢に火を起こす奴隷に代わる暖房機器
・余興(歌舞音曲・詩の朗読)を担当する奴隷に代わるラジオ・テレビ、CD・DVD
・書記(手紙の口述筆記など)や秘書の代わりのタイプライターやパソコン
・臥輿や座輿に代わる自動車、灯り持ちに代わるライト
・理容師・美容師の奴隷に代わるシェーバー、ヘアドライヤー・脱毛器
など
ローマの平均的な邸宅で使う奴隷の数が5~12人にのぼるのが多いかどうかは、自宅の家電製品の数と比べてみるといい、と言います。
そして(現代の眼から見て道徳的な是非はさておき)、われわれは家電製品を手荒く扱ったり、故障したり古くなったりすれば新しいものと取り替えるし、それで気がとがめることもないのと同じだと。


現在から過去を断罪することは簡単だけど、それだけでは何も生まないという例をもう一つ挙げるとすると、この前の生物多様性条約のCOP10で議論になった過去の生物資源から得た利益の還元に関連した話もあります。

ローマではコロッセウムでの罪人の処刑や見世物のために、エジプトや北アフリカからライオンやヒョウなどの猛獣が集められて、大量に殺されていたそうです。
たとえば紀元80年のティトゥス帝が行なったコロッセウムの落成式では100日間で5,000頭の猛獣が殺され、トラヤヌス帝のダキアに対する勝利の祝賀会では、120日間で11,000頭の野獣(と一万人の剣闘士)が殺されたそうです。
輸送途中に死んだ動物の数を入れれば、ローマ帝国はサハラ以北の大型肉食獣の生態系にかなりの悪影響を与えたのではないかと思います。

ただ、動物の乱獲はローマ帝国に限らず、漢方薬を取るためにサイを乱獲した中国とか油を取るために鯨を乱獲したアメリカとか、どこまで遡ればいいのかという難しい問題があります。


なんか話がそれてしまったので今日はこの辺で。








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映画まとめて

2010-11-24 | キネマ
ブルー・レイとDVDを見比べようと何枚か借りてきたものの感想をまとめて。


『プレデターズ』

前作ではエイリアンと戦ってみたりと特殊メイクやCGの使いまわしの感もあるプレデターのシリーズの最新作ですが、今度は地球上の戦士を別の惑星に拉致して戦うという設定。拉致されるほうも地球では捕食者(predator)なのでタイトルは複数形になっています。

ブルーレイだと臨場感が出るかと思って観たのですが、異星人の方のプレデターも何度も見ているうちに慣れてきたのか妙な親近感を覚えるようになってしまい(動きが直立歩行で人間と同じというところもあるのでしょう)、普通の戦闘物映画という感じでした。

次を作るなら相当意表をついた仕掛けをしないと厳しそうです。





『レイヤー・ケーキ』

『ロック・ストック・アンド・トゥー・スモーキング・バレルズ』のスタッフ(監督のガイ・リッチー以外)が作った映画と言うことで観たのですが、ラストシーンになって以前観たことがあることに気がつきました(はたまたdeja vu?)。
まあ、それだけ印象に残らなかったというか、ストーリーは面白いんだけど、すっと流れていってしまう感じの作品です。
登場人物の込み入った関係とどんでん返しの繰り返しなのですが、そこここに死亡フラグが目についてしまうのが残念。






『ゴーン・ベイビー・ゴーン』

ベン・アフレックの初監督作品で多くの賞をとったらしいです。
ベン・アフレックは役者としてはいまいちな印象(与えられた役が薄っぺらいのが多いからか演技の問題かわかりません)があるのですが、監督としては才能があるのかなぁと思って観てみました。

作品は『ミスティック・リバー』と同じ原作者の小説をベースにしていて、現代アメリカ社会の負の部分を上手に描いています。
キャスティングに僕の好きなエド・ハリスとモーガン・フリーマンが出ているので採点は甘くなるのですが、監督の腕よりも原作の選定が良かったんじゃないかという感じもします。

映画としては面白いですよ。

気になったのが、ベン・アフレックは口の大きな女性が好みなのかということ。
今までの共演者もけっこうそうだったような。






『ジュリー&ジュリア』

1949年、外交官の夫の赴任地パリでフランス料理の虜となったアメリカ女性ジュリアは本格的なフランス料理を学ぼうと名門ル・コルドン・ブルーの本職の男ばかりの上級コースで学び、その後家庭で誰でも作れる524のレシピを本にまとめて出版しようとする。
苦労の末出版した本はベストセラーとなり、彼女はテレビの料理番組に出演するなど一躍人気者となった。
それから50年後のニューヨーク。小説家になる夢に破れた29歳のOLジュリーは、人生を変えるためにある無謀な計画を立てる。
それは、365日かけてジュリアが書いた524のレシピに挑戦し、その過程を毎日ブログに綴ることだった・・・。

という実話に基づく映画です。
50年を超えて2人の女性がつながる、という意味をこめたタイトルなのでしょうが、ジュリアを演じるメリル・ストリープが圧巻の存在感を見せます。

特に実際のジュリアは出演したテレビ番組と比較される中で演じるのはかなりのプレッシャーだったと思いますが、身長188センチの長身と甲高い声が特徴の本人を演じるために、身長168cmのメリル・ストリープにあわせたキャスティングをし(それに良く見るとかなり高いヒールの靴をはいています)、メリル・ストリープ自体も、甲高い声だけでなく大柄な人のちょっと大儀そうな動きなど抜群の芸達者さを見せ、「他人に優しく正直だけどマイペースで芯の強い中年女性」を見事なまでに演じ切っています。


面白い映画であるとともに、結果的に現代人の苦労はまだまだ甘い、と思わされます。
(毎日ブログを書いてもいない僕が言うのも生意気ですけどw)




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諸行無常か終の住処か

2010-11-23 | あきなひ

懐かしい名前つながりのニュースが2つ。

ひとつは 
株式会社ゼクスに係る有価証券報告書等の不提出に係る課徴金納付命令勧告について (平成22年11月19日 証券取引等監視委員会)  

もうひとつは  
世田谷区上用賀一丁目所在住宅型有料老人ホームの取得について(平成22年11月16日 東急不動産)  

東急不動産株式会社会社は、東京都世田谷区上用賀一丁目所在の住宅型有料老人ホーム「バーリントンハウス馬事公苑」の土地建物を取得し、名称を当社のシニア住宅ブランドである「グランクレール」を冠した「グランクレール馬事公苑」に変更いたしました。  

この「バーリントンハウス馬事公苑」というのは、2006年にJASDAQから東証一部上場になり元気だったぜクスが2007年に、当時経営危機に陥っていたグッドウィルグループから引きついだものです。 

当初の事業承継のスキームは老人ホーム事業を廃業・清算済みの㈱コムスンから吸収分割により承継し、土地・建物は保有している親会社のグッドウィル・グループ㈱から取得するというものだったのですが、2008年の引渡し前になって建物の構造強度に疑義が生じてしまい、ゼクスが引渡しを拒んだ結果、事業はゼクスが承継したものの資産はグッドウィル(ゼクスは資産を賃借)という宙ぶらりんな状態になってしまいます。  

ところがそのうちにゼクスも本業がうまくいかなくなり、2008年の決算の有価証券報告書でGC注記がつくという状況になってしまいます。(参照) 

そしてゼクスは高級介護施設である「バーリントン」シリーズ以外の介護事業をおこなう孫会社に対して2008年8月にジェイ・ウィル・パートナーズから出資を受け入れますが、一方でバーリントンハウスを巡る争いはグッドウィル改めラディア・ホールディングスとの間で訴訟になってしまいます。(参照)  

最終的にはバーリントンハウス事業については、結局2009年に事業ごとラディア・ホールディングスが買い戻す形で決着しました。(参照:連結子会社の会社分割によるバーリントンハウス事業承継に関するお知らせ)  

そして今回東急不動産が取得することになったようです。  
東急不動産もゲンの悪い物件を買ったなぁと思うのですが、入居者よりも経営主体がくるくる変わってきた介護施設がこれで終の住処になるといいですね。 
ただ筆頭株主の東急電鉄もシニア住宅事業を始めているので(参照)、将来的にグループ内の再編があったりして・・・  


さて、その他の関係者のその後です。  

最初の経営主体のグッドウィルは、その後ラディア・ホールディングスとなり、サーベラスとモルガン・スタンレーの出資を受け、事業再生ADRにより再生中で、社名をアドバンテージ・リソーシング・ジャパンに変更しています。(参照)  

ゼクスは冒頭のSESCによれば  

しかしながら、同社は、資金繰りに余裕がないこと等を理由に、会計監査人の選任並びに上記四半期報告書及び有価証券報告書の作成を未だに行わず、長期に亘って、こうした同社の財政状態を同社の株主等市場関係者に対して何ら開示していない状態を継続しているものである。  

という状態です。 
上場廃止にはこういう手もあるんだなと妙な関心をしてしまった有価証券報告書不提出ですが、相変わらずの開き直り気味のようです。
上場廃止後もしばらくは有価証券報告書の提出義務は残るので、会計事務所も引き受けたがらないのかもしれません。
(ところで株主代表訴訟とか起きていないのでしょうか? )

ジェイ・ウィル・パートナーズはその後も元気なようで、民事再生になったマンションデベロッパーのモリモトのスポンサーになったり(参照)、会社更正になった穴吹工務店のスポンサーになったり(参照)と活躍しています。 
政策投資銀行の資金がバックにあるからなんでしょうが、政投銀大丈夫か?

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最近の大臣の失言について

2010-11-22 | まつりごと

ツィートはいくつかしているんですが、週末のニュース番組でしつこく取り上げられているので改めて感想を。

まずは仙石官房長官の「暴力装置」発言 「暴力装置でもある自衛隊、ある種の軍事組織だから政治的中立を守らなければならない」という文脈の発言だったようで、それ自体は普通のことを言っています。
「暴力装置」という表現自体は個人的には違和感はないのですが、「暴力」と言う言葉が「悪」とか「暴走」を連想させるので批判がされたわけだと思います。
「自衛隊は軍隊なので」と言えれば楽だったんでしょうけどね。

 「暴力装置」というのは政治学の用語であり、それ自体は誤用ではないのですが、政治家なんだから受け取る側のことをよく考えて使うべきだったということでしょう。
なので個人的には「訂正」とか「誤解を招いたことは陳謝」すべきだとは思いますが、撤回まではする必要はないと思います。

一方であくまでも言葉遣いの問題なんだからと池田信夫センセイのように、古今の文献をひもといて「だからこの発言は正しい」と言ってしまうと、「だからインテリって嫌なんだよね」ということになってしまうと思います。


ところで一部「自衛隊員も仙石発言に傷ついている」という報道がありましたが、これはこれで心配。
「暴力装置」だろうが「軍隊」だろうが「自衛戦力」だろうが、破壊・殺傷能力のある武器を扱うのを任務にしている以上、日頃からの厳しい訓練で、くだらない政治的陽動(今回は失言ですが)にも動じない精神力を養っていてほしいものです。
(その意味では石原慎太郎東京都知事が「自衛隊の士気に関わる」というような発言をしていたのは意外)


つぎに柳田法務大臣。法務大臣の国会答弁は

「個別の事案についてはお答えを差し控えます」
「法と証拠に基づいて適切にやっております」

の2つで足りると言ったのが問題になっています。

実はこの発言は株主総会での議長の議事を裁く言い回しと同じで、 あまりに細かい質問に対して

「個別具体の案件についてはご説明を差し控えさせていただきます」

また事業に対するクレームに対して

「法令に基づき適切に対応しております」

というのは決まり文句の一つになっています(最近は少しは丁寧に答えることが増えてきたようですが)。

国会答弁については「予算委員会」といいながらなぜ予算に関係のない議論が延々と続くのか良くわからないのですが、やはりあまりに細かい話には答える必要がないんじゃないかと思います。
実際あまりに重箱の隅をつつくような質問が多いのかもしれません。
ただ、これを言ってしまった結果、柳田法務大臣は最初からまともにこたえる気がないと言う風にうけとれますし、どんなボンクラでも大臣答弁ができてしまうということが明らかになってしまったわけです。
その意味ではこの発言の問題点は「国会答弁はその程度のものだという国家機密を漏洩した」点にあるのかもしれません。



蓮舫議員の国会での写真撮影問題をめぐっての答弁が不適切だったとか虚偽だったとかいう話

内容自体は興味がないのでよく知らないのですが、追求する丸川珠代議員も蓮舫議員も「野党キャラ」というか「S」なので、追求する時は強いよな~とテレビを見ながら思いました。








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農業問題と農協問題

2010-11-20 | よしなしごと

農業問題についてはまったく知識がないので引用ばかりになってしまいますが、こういう切り口もあるようです。

農協がTPPに反対するのは不思議なこと、、、 (今日の一貫) 

なぜなら、農協の経済基盤は、農村に居住するサラリーマン「農家」にあるから。

事実、農協は、これらサラリーマン「農家」の兼業所得や土地代金によって成長してきた。
それが今、デフレ経済の中で、農協事業も縮小を余儀なくされている。
そこにもしかしたら兼業所得が増加するかもしれないTPPが降ってわいた。
農協、諸手を挙げて賛成するかと思いきや、大反対運動を展開している。  


むしろ、TPPで困るのは、わが国農業を担う、40万弱の農業経営者。
TPPは、この人達へのダメージが大きい。
だが、この人達の4割は、TPP賛成、大多数が、反対ではない。
なぜか?彼らはいままでの農政で冷遇されてきた。
今の農政に将来展望があるとは思っていない。
彼らにとって大切なのは自らのお客であり、市場。
その市場、国際的に広がっていくのだから、怖さもあるが可能性もある。
彼らには農政に頼らなくてもやっていけるといった自負心もある。  


政治も農協も、兼業零細農家が日本の農業を支えていると言ってはばからない。
その構造が、1億2000万の国民の食料供給を担ってきたと豪語している。  

しかしそれは米をのぞいて事実と違う。
多くは、数字で言えば、8割程度は、40万弱の農協離れした農業経営者が担っている。
米も、これらの人が担えるのにそれを邪魔している。
そのことが日本農業を如何に「壊滅的」にさせてきたか。  

結局、TPPに反対し、農業経営者育成を邪魔するのは、この利権を離したくないからではないのだろうか?   

ちなみに、農協という組織、組合員数900万戸。集票力およそ10万票。  

専業農家は、高齢者専業も含めわずか5%の45万戸。農業を自らの生業としている主業農家は36万戸しかいない。  

900万の組合員の内、農産物の販売をしていない組合員は82%。  
しかも18%の農産物販売農家ですら、その8割(78%)は農業所得が7-8%しか無い。

彼らは、農産物を自由化しても所得への影響はほとんどない。  

農業を守るのか、農業従事者を守るのか、食料の安定供給を確保するのかについて常に確認しながら議論を見ていかないといけないということだと思います。

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今週読んだり聞いたりした話のメモ

2010-11-19 | よしなしごと
うろおぼえですが、忘れないうちに。


・電気自動車(EV)のCO2削減効果は発電効率に依存する(コマツ坂根会長)

ガソリン自動車のCO2排出量を100とした場合、ハイブリッド車は約60だが、EVは国によって異なる。
日本においては約40だが、原子力発電比率の高いフランスでは7になる。
他方低効率の石炭発電が主力の中国になると70とハイブリッド車よりも排出量が多くなる。



・ヘーゲルは結婚してから毎日家計簿をつけていた(『範は歴史にあり』)

家計簿からヘーゲルが定期的に宝くじを買っていたことがわかる。



・肘から下、特に親指は便利使いしすぎている(甲野善紀氏)

肘から下は動かしやすいのでそこだけを使って身体を動かすと、全身を使った動きを妨げる。
肘から下はちょこまか動く社員で頭(体幹)はバカ社長のようなもので、社長はうまく動けないうちに社員が痺れを切らして動くと全体として統一感の取れない仕事になり、社員のほうも「便利使いされた」とストレスがたまる。
親指も一つだけ反対方向を向いているので余計な仕事をさせがち。無駄な仕事から解放してやると、腕全体の動きがスムーズになる。



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『範は歴史にあり』

2010-11-18 | 乱読日記
読売新聞の政治記者・論説委員・政治部長を歴任し、NTVでも時局解説をしている橋本五郎氏の読売新聞の政治コラムをまとめたもの。

書名の通り、時局を過去の内外の政治家の振る舞いや歴史学者・政治学者の著作を引きながら論評するというスタイルのコラムです。
著者はベテランの政治記者だけあって、経験だけでなく幅広い教養にあふれています。
僕は読売新聞とかNTVのニュース番組は東京読売巨人軍賛歌が鬱陶しいのであまり見ないので知らなかったのですが、有名な方らしいです。

読売新聞ネタと慶応義塾ネタが多いのが部外者から見ると違和感を感じますが、小泉政権以降の政局を過去に照らして振り返ってみるには面白い本ではないかと思います。

また内容が政治家の強い意志、謙虚さ、矜持について多く言及されているのは、最近の政治家にことごとく欠けていることの反映でしょうか。

政治家だけでなく、最近の新聞記事を書いている政治記者は、ネット配信などメディアの多様化に追いまくられて、経験と自らの勉強を身にしていく機会があるのだろうかとちょっと心配になります。


ちょっと厚さはありますが、コラムはそれぞれ5ページくらいの長さなので通勤電車など合間合間に読むことができます。

引用されている本の中に興味深いもの、そういえば学生のときに買ったけど挫折して実家にほったらかしの名著など数多くあったので、機会を見つけて読んでみようと思います。




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コーポレート・ガバナンス議論のご大層さ

2010-11-17 | あきなひ

金融法務事情No.1909の「特集:会社法制の見直しとコーポレート・ガバナンス」にある神田先生の「上場会社に関する会社法制の将来」という記事(講演録のまとめ)は今までの議論の経過をわかりやすく整理していて参考になります。  

参考になるだけでなく、「コーポレート・ガバナンス」論議に関する私の持っている違和感の原因もおぼろげながらわかってきた感じがしました。


神田先生の記事では、まず  

要するに、コーポレート・ガバナンスとは、上場会社等において、経営を牽制するような仕組みを会社がどのように作り上げるかという問いです。

と定義しています。
当たり前のようでけっこうこれが大事で、「内部統制」などとごっちゃになると議論のポイントがずれることが(特に素人同士や、素人を安易に折伏してしまおうという専門家においては)しばしばあるので要注意です。   

話を元に戻すと、

このコーポレート・ガバナンスの概念は、従来は「不祥事の再発防止」だけを議論していたものが、1999年のOECDの「コーポレート・ガバナンスに関する諸原則」制定などを契機に、不祥事防止とともに、企業が業績を上げるためにどのような意思決定の仕組みを設けたらいいか、という「車の両輪論」がグローバルな「標準的な議論」となってきた。日本でも会社法制においては委員会(等)設置会社制度が導入された。 

一方で昨年来のコーポレート・ガバナンスをめぐる「現在の議論」はそれとは別のグローバルな状況との「格差」に対応することを主眼としている。
これはプレゼンスを増してきた外国人投資家などからの指摘を受けたもので、この文脈で不透明な第三者割当増資の是正や独立役員制度が議論されることになってきた。 
そこで、東証の規則で設置が求められるようになった独立役員をさらに会社法制で制度化しようとして、各所でレポートが出されたり、法制審議会などで社外取締役、社外監査役その他もろもろの制度が議論になっている。 

というのが今の状況だと説明されています。


法制審議会の議論についてはbizlaw_styleさんが軽妙な解説とともに紹介しているのでもっぱらそれを参考にさせていただいくと、上の「車の両輪」特に前向きな効果の方についての議論はほとんどなく、経営者に対する監視機能や、欧米(欧と米でも違うようですが)との違いをどう埋めるか、そこついて現行法と整合性をどうとるかの議論が中心になっています。

なるほど、いままでのコーポレート・ガバナンス論議への違和感の根源は、神田先生曰くの「標準的な議論」と「現在の議論」のギャップにあったということが腑に落ちました。 
平たく言えば、その改正の方向が会社の健全な成長に結びつくのか、そもそも何で今その議論をする必要があるのか(外国人投資家が投資判断をしにくい、という理由が法制度を変える理由になるのか)という疑問ですね。  


そもそも企業不祥事についても、既存の会社法に加え、粉飾決算とか怪しい増資についていえば、J-Soxを含む金融商品取引法で対応しているわけです。
このうえに独立役員を増やせば不祥事がさらに減るとか、企業業績が向上するというものでもないように思います。  

また、そもそもコーポレート・ガバナンスの改革云々の前に、既に日本企業は、外国人をはじめとする投資家、株主重視に舵をきっているように思います。 
2002年から2007年のいわゆるいざなみ景気は好調な輸出に牽引され企業業績も過去最高益を記録する企業が続出した一方で、従業員の給料や正規雇用はいざなみ景気の間ほとんど増えませんでした。
とこどがリーマンショックが起きるや否や企業は即座に従業員のリストラに走り、その結果、早速今期の業績見込みを上方修正する企業も出てくるという状態です。

法制審議会で経団連の八丁地委員は繰り返し「立法事実がない」と言っているようですが、「企業は今のままで十分ちゃんとやってるじゃないかよ」とういうことなんだと思います。


またぶっちゃけて言えば、企業自身にプラスになると思われないような形で独立役員制度を無理やり導入しても、結局企業は新しい「お客様」の処遇の仕方を考え出すだけで実効性は伴わないと思います。
たとえば社内役員に対する監視機能だけについていっても、結局社内作成の「ご進講」とか社内から選ばれた「社外役員室」要員を使うだけでは完全に独立したチェックはできないわけです。 
だからといって自らが独立の従業員を指揮して監視活動にあたらせるかというとその費用対効果はどうなのか、逆に日常業務を停滞させるのではないかという問題が出ます。 
今の民主党の「政治主導」と官僚との関係のようなものですね。  

また、よしんば監視を強化したとしても、エンロンのように巨額の利益をあげて急成長している途上の会社に対してストップをかける度胸(万が一それが間違った指摘だったらそれこそ会社の成長を大きく阻害してしまうわけです)があるか、また、社外役員がそこまでの「大役」になったときに引受ける人がいるかどうかは疑問だと思います。 
アメリカではエンロン、ワールドコム事件を受けてSox法が制定されましたが、それが本当に機能しているかどうかは証明不能で、新たな不祥事が起きた場合に「機能していない」ことが明らかになるだけですから。 
少なくともアメリカにおけるサブプライム・ローン問題を見る限り、粉飾決算などの不正には至らないが過大なリスクを負うような企業活動については欧米流のコーポレート・ガバナンスは機能しなかったわけです。  

また、業績が低迷しても経営者が居座ったままでいたときに取締役を解任する機能を社外役員に求めるという議論もありましたが、しかし今日びオーナー企業でもない限り「居座る」というのは例外に近いんじゃないかと思います(富士通も一応社内の取締役が機能したようですし)。 
むしろ本来会社として重要なのは、業績が悪化して新しいことをはじめる資金的余裕が乏しくなる前に、新しい経営陣に引き継ぐことだと思うのですが、これは社外役員がいればできるというものではありません。
(それがなされずに政治の世界で苦労しているのが、二箇所で戦争してるわ財政は大赤字だわで政権を引き継いで取りうる選択肢が限られているオバマ大統領ですね)

ひょっとすると、統計を取ったりすれば経営者が交代すると業績が上がるとかいうデータも出るかもしれませんが、これもたとえば会社が業績回復をかけて新社長を送り込むときは、直前に損を出し切ってジャンプ台を用意しておくということもあるので(たとえば日産自動車のゴーン社長の就任時とか)あまり参考にならないと思います。

それから、民主党の公開会社法案の中に従業員からの監査役選任というのもありますが、給料があがらないからといって従業員監査役が機能するとは思えません。
そのかわり、『日本の安心はなぜ、消えたのか』でも紹介されているように、日本の従業員は別に昔から組織や上司に忠誠を誓っていたわけではないので、上で言ったように社外役員が会社のために役に立たないと思えば体よく棚上げする一方で、経営者がだめだと思えば、「だめ」の態様に応じて、内部で上を突き上げたり、逆に手を抜いたり、場合によっては海上保安官のようにちょっと内情を外に漏らしてみたりということをするわけで(*)、そういうメカニズムが働けば、何も「コーポレート・ガバナンス」なんてご大層な後ろ盾がなくてもいいんじゃないかと思います。
(*) SESCの大森次長のこれなんかもそのひとつですね。


なので、会社法制の改正に関しては、総論としては 

改正を所与の前提として拙速な取り纏めをすることなく、各検討事項につき、改正の必要性、方向性、改正の具体的内容および改正した場合の影響の内容や程度を慎重に検討する。 

ことが必要だと思います。
ちなみに上のフレーズは、日弁連の(2010.6.17理事会)「民法(債権法)改正問題に取り組む基本姿勢」(参照)から拝借しました :-)  


また、各論として何か現状を改善し、上の「標準的な議論」を進め、また「現在の議論」にも一定程度対応するとすれば、  

取締役の報酬について、現状の一定金額以上の開示でなく報酬決定のルール自体を開示して、インセンティブの歪みがないかをステークホルダーが確認できるようにする 。

これだけでいいんじゃないかと思います。
これをやれば経営者も粉飾まがいの益出しや「一発逆転」のような過剰なリスクテイクの事業判断をするにも「悪意」を推定されないように説明責任を尽くすようになると思うので、一番手っ取り早くて実効性があると思うのですが、どうでしょうか。
(でも経団連とかはものすごく反対しそうですけど)。

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『シャーロック・ホームズ』

2010-11-16 | キネマ
週末やっとブルーレイを借りてきました。

比較のためにBDとDVDを両方セットで貸し出してくれる作品を選んだのですが、予想外だったのがDVDも相当きれいに映ること。
DVDもフルハイビジョンに変換して出力するという機能があるらしく、ぱっと見ただけではBDと変わらないといっていいくらいです。

これでDVDしか出ていないソフトを借りてきてもがっかりすることはなさそうです。


で、借りてきたのは『シャーロック・ホームズ』
別のDVDで予告編を見ていて、なんだかビクトリア時代のアクション映画になったのね、という印象しか持っていなかったんだけど、予想外に面白かった。

面白かったついでに特典映像の解説も見てしまったんだけど、実はアクティブなシャーロックホームズというのは原作に近いんだそうです。どうも小学生の頃に読んだ記憶から、書斎ワトソン君に指示するだけで難事件を解決する探偵という印象を持ってました。
ほかにも原作に絡んだ登場人物やネタが仕込まれています(僕は少ししか気づかなかったけど)。
シャーロックホームズマニアの人の感想も聞いてみたいものです。

監督はガイ・リッチー。もうかれこれ10年以上前のデビュー作(多分)『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』同様、伏線と謎解きをうまく絡めてテンポを出してます。

そういえばガイ・リッチーは『ロック・・・』のリメイクともいえる『スナッチ』を出して以降、あまり映画でのヒットはなかったようなので、久々のヒット作になったのかもしれません。


最後、続編につなげるられるようにしていたところが、ちょっとあざとかったかなとは思いますが。

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TTPと農業問題

2010-11-15 | よしなしごと

<修正・追記あり>

最近話題のTPP。
菅総理の積極姿勢のアピールにはどうも唐突さ・胡散臭さを感じてしまいます。
「第二の開国を決断した」と言ってますが、そんな決断を託した覚えはないんだけどなぁ。

確かに民主党のマニフェストには「強い経済」のところでEPA、FTAの推進をうたっています。 

アジアをはじめ各国とのEPA・FTAの交渉などを積極的に進めるとともに、投資規制の自由化・緩和などの国内制度改革に一体的に取り組みます  

ただ、農業政策、戸別所得補償制度との関係はあいまいなままです。

その中で今になって急に言い出したのは、菅総理に「はやり物に飛びつく」という性格的な特徴があるように思えてなりません。
(追記:そして案の定APEC直前に政府内調整でトーンダウンしてしまいました)
小泉元総理は「ワンフレーズ・ポリティクス」と揶揄されましたが確信犯としてワンフレーズで国民を巻き込むよりも、はやり言葉に乗っかっている人のほうが変わり身が早そう信用ならない感じがします。  


先日合意した日印EPAでも、コメや麦、牛肉、豚肉などは除外されてます。
これは双方とも輸出は考えていないとか国内産業保護とか宗教上の禁忌があるのでそもそも輸入しないとかの点で意見の一致を見たのだと思います。 
なのでEPA・FTAにおいても、国内農業との関係をどうするかについてはモデルにはなりません。

逆に言うと今までのEPA・FTAは、農業問題が顕在化しない相手とだけ合意しているともいえます。

なのに一気にオーストラリアやアメリカも参加するTPPに行くのは、日印EPAが評価されたからちょいと調子に乗ったとか経済界への人気取りというのが動機の性急な行動に見えてなりません。

たとえば日豪EPAは2005年に政府首脳間で共同研究に合意、第1回会合が2007年に開かれて以来未だに合意に至っていません。
(参考 日豪EPAをめぐる状況 日豪FTA/EPA交渉と日本農業


またまた登場の「やまけんの出張食い倒れ日記」
TPPって、このままなし崩し的に進めてよいテーマではないよ! 金沢の農家・西田さんからの指摘。
経由の農家・西田さんの意見には共感するものがります。  

もちろん今の農業政策のままでいいとは思いません(というか多いに不満)が、今回のTPP議論はあまりに唐突という感が否めません。  

そして見る視点。短期的に見て、長期的に見てどうなのか? 経済的な視点だけでいいのか? そのあたりが大きく問われてきています。それに対する国家観がないまま突入していくのはあまりにも怖い。補給線が断たれた上で遭難してしまいそうです。

そしてここのところ日経新聞が1面でやっている農業問題のキャンペーンなどの最近のマスコミの論調に対するやまけん氏の意見
やっぱり日本経済 新聞の論調をあんまり信じちゃいけないね。 「日本の農業も、構造改革して強くなれば、TPPを締結しても大丈夫」 といいたいのだろうけれども、それは間違っているよ。

■談話に引いている人が適切でないんじゃないか? 

新聞やテレビなどが脳天気に「農業にこんな素晴らしい成功事例がある!」と紹介するのは、トップブランドや隙間を狙ったニッチなものばかりなのだ。

■極端な事例を「これが農業の真実だ」と言うのはオカシイよ

そのいい事例が、先般ベストセラーになった「日本は世界5位の農業大国 大嘘だらけの食料自給率」という本だ。

案の定、この浅川さんの本を読んだ「だけ」なのに堂々と「食料自給率の真実はこれだ!」と言う人が多くて、ちょっと危ないなと思っている。真実もあるけど、言い過ぎじゃないのって部分が多いからね。

■「規模の大きい農業者ほど数が増えている」のは結果論でしかないよ!

「大規模化した農家が増えてきているから、大規模化する方向が正しいのだ」というような書き方をしているのは明 らかに間違っているのだ。現実的には「大規模化せざるをえないように追い詰められた」結果、そうした農業主体が 増えているということである。「日本では少子化が進んでいる」というデータをみて「少子化こそ日本の進むべき道 ということだ」と言うようなものではないだろうか

■「規模拡大をしても海外には勝てないはウソ」というのはウソだ!

まだ「企業が参入することによって農業が強くなる」というのを信じている人が多いようだけども、それはあり得な い話なんですよ。なんでかというのを、実は「農業ビジネスはやめときなさい」という新書に書こうとしているのだ けども、時間が無くて原稿書けてない(ゴメンナサイ)ので、ここでは詳しく論じません。

確かにマスコミの論調も、ちょっと前までの食料自給率40%騒ぎはどこにいったんだ、と思える内容です。 
確かにこの40%という数字の取り方はいろいろ議論すべきところがあるようですが、一度持ち上げておいて一気に全否定するようなものでもないと思います。 

一方で、最近の中国の経済力拡大や日本への観光客増大報道の一環で「中国人が日本の山林(=水源地)を買い漁っている、外国人が土地を自由に買えるのは日本だけだ」とヒステリックに叫んでいるテレビ番組もあります。  

また、完全自由化するのであれば、輸入農産物は安いほうが消費者にはいいはずなのですが、円高が進むと企業業績が悪くなって心配、とも言っています。
一方、円安が進んだからといって農産物の輸出が飛躍的に増えるとも思えず、自由化後は消費者物価的には円安はマイナス効果が大きくなるはずで(水産物の商社の人の話では、1$=120円になると魚は中国に買い負けてしまって日本に入ってこなくなるのではないかと言っています)、そのへんは日本経済がどういうバランスで国として成り立っていこうとしているのかという視点が欠けているように思います。


これは、そもそも農業が産業としては小さい(GDPの1.5%、従事者で10%5%しか占めていない)ので何か騒ぎがないと国民全体としては継続的な関心を持てず、単発の反応になるために長期的な戦略が語られないこと。そして一方で、農水省や農業団体自体も継続的な広報活動をせず、単発の運動(米価改定、減反tec)を族議員も含めて情緒的なキャンペーンとしてやってきた歴史によるものなのかもしれません。

それにしても、オーストラリアとの間だけでも5年も協議していることを(たとえその期間には農水省などの「遅延行為」があったとしても)短期間で一気に方向性を決めてしうのであれば、きちんとした議論をすべきだと思います。 
(日経新聞の1面の特集というのも、「国の将来を憂う」といいながらけっこう短期のブームで終わることが多いので、これも要注意)

<追記>
今週号の日経ビジネスでも「TPPなしでは競争力が維持できない」と言ってますが、もともとEPA/FTAは日本が2002年にシンガポールと結んだのは韓国に先んじていました。
ここにきて話題になったから、気がついたら遅れを取っていたから急に騒ぎ出すというのも、経済雑誌として見識がないように思います。

そんなに大事なら、もっと早く推奨したり警鐘を鳴らしてほしいものです。

(そういえば日経ビジネスといえばバブル期に「そごうの巨艦経営」とインパクトのある表紙で特集してましたね)

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これからブームになりそうなもの二題

2010-11-14 | よしなしごと

1.きのこ

秋ということもあるのでしょうが、きのこの魅力について語る人が増えているように思います。
たとえば

真室川はキノコ王国であった! 真室川きのこ本舗にてぜーんぶ原木!絶品キノコ体験を味わい、最上まいたけ本社にてヤマブシタケの心地よい食感を楽しんだ!
(やまけんの出張食い倒れ日記)
みんなで行った阿寒きのこの森
(ほぼ日刊イトイ新聞)

山歩きをしていると、きのこはよく目につき、豊かな森の生命力を象徴する存在です。
また、地方ごとの料理の魅力を紹介するには欠かせない食材でもあります。

一方できのこは菌床で工場生産もできバイオテクノロジーの恩恵もうけていますし、希少種の原株(のDNA情報)などは知的財産としてもこれから脚光を浴びるかもしれません。

近い将来、日本の豊かな自然と食生活を代表する存在になりそうです。


レストランでトリュフを「もうひと削り!」なんて言ってる場合ではありません。


2.鶏肉  

食品メーカーの人に聞いたのですが、鶏肉は豚肉や牛肉に比べて肥育の効率が非常にいいそうです。  

1kgの肉を生産するのに必要なトウモロコシの量で比べると、鶏2kgに対して豚は3kg、牛は10kgも必要  
しかも肥育に必要な期間は鶏2ヶ月に対して豚6ヶ月、牛24ヶ月。孵化・妊娠期間を入れると鶏3ヶ月、豚9ヶ月、牛35ヶ月もの違いがあるそうです。  

投資効率だけでなく地球環境への負荷を考えても格段に地球に優しい動物タンパク源です。


さらに鶏肉のいいところは宗教上の禁忌が(ほとんど)ないこと。
特に発展途上国への事業展開には重要なポイントだそうです。

今後地球全体の人口問題、食糧問題の解決に当たっては脚光を浴びること間違いなしだと思います。

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尖閣ビデオ問題

2010-11-13 | よしなしごと

言わんこっちゃないという感じ

流出海上保安官の同僚「自分が映像取り込んだ」
(2010年11月13日14時42分 読売新聞) 

主任航海士の同僚職員は海保の内部調査に「海上保安大学校のパソコンから巡視艇内のパソコンに映像を取り込んだ」と申告していることも判明。警視庁などは、「自分が取り込んだ」とする主任航海士の供述との矛盾についてさらに調べる。

こうなると、違法?にファイルを入手したのは別の同僚で、一等航海士は(Youtubeに投稿したことの是非はさておき)その同僚を守ろうとしているという、麗しき友情物語になってしまいます。 

そもそも同僚の方が不正アクセスして巡視船の共有PCに置いたということは、秘密漏洩についての未必の故意があったと言われても仕方ありません。
こうなると誰が国家公務員法の秘密保持義務違反なのか、そもそもは海上保安大学校のPCからアクセスできる状態状態に置いた人物が責任を取るべきではという議論になってきます。  

いきりたって刑事訴追するような流れになっていますが、それはそうなら、どこまで火の粉が及ぼうときちんと筋を通してほしいものです。

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やっと

2010-11-13 | よしなしごと
やっとgooブログでもTwitterが貼り付けられるようになりました。

といっても、あまりつぶやいていませんが(^^;


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