昭和天皇実録とか朝日新聞問題への塩野七生の寄稿とか面白そうだったので、久しぶりに文藝春秋10月号を買ったら、予想外に面白かったのが冒頭のエッセイで太川陽介が「ローカル路線バス乗継ぎの旅」について書いたもの。
意外かもしれませんが、乗継ぎのバスが途切れたとき、地図でまず探すのは大きな病院です。いまは鉄道の駅より身近な病院の方がバスに繋がる。
ここにきて安倍政権の地方創生がブームになりつつあるし、その火付け役にもなった増田寛也氏の「消滅自治体」もキーワードとしてよく出てくる。
国土交通省も「コンパクト&ネットワーク」と言い出している。
コンパクトという方向性はいいと思うが、その中心に何を置くかまで国が決めるのでなく、上のように自発的にできてくるネットワークの方をより大事にした方がいいと思う。
役人が考えるとどうしても中心に駅とか役所とかを置きたがるが、現実には役所への用より病院に行く機会の方が多いはず。
であれば本来は「ネットワーク&コンパクト」の方が順番としては正しいように思われる。
そして「消滅自治体」問題も、消滅して困るのは地域のコミュニティであって、自治体自体ではないのではないか(平成の大合併でも庁舎は残っているところは多いし)と思った次第。