熱海に行ってきました。
明治から温泉地として発展し、戦後は大型旅館が林立していたものの、昭和40年代をピークに、社員旅行の衰退などで観光客数が減少し、さらにバブル崩壊により旅館の身売り・廃業が追い討ちをかけているという印象があります。
実際、街中は「さびれた感」が否めません。
「熱海銀座商店街」
シャッターが目立ちます。
駅前から中心街に下る平和通り名店街
土産物店が中心なのか、夜になると閑散としています。
個人的には昭和風なテイストが感じられるところが随所にあり、それはそれで趣深くはあります。
(「昭和」の極めつけとしては、
熱海城や
熱海秘法館などが有名ですね)
ピーク時に年間500万人を超えていた観光客数もいまや300万人前後であり、依然として旅館数は過剰なようです。
新たな観光客を呼び込むためには既存の旅館のリニューアルが必要なのですが、経営難の中でリニューアル資金を調達するのは難しいので、昔のまま細々と営業しているところがほとんどなのでしょうか。
それでも立ち行かなくなると売却したり廃業することになり、実際、全面リニューアルされているのは星野リゾートの
リゾナーレ熱海など経営者が変わったところが多いようです。
また周辺部には新しいオーベルジュやデザイナーズ・ホテルがいくつかできていますが、なかなか熱海のイメージを変えるまでには至っていません。
廃業した旅館跡地は(リゾート)マンションに変わるのが多く、街中に既に何棟もできていて、現在も数棟が建設中でした。
熱海市も観光客だけでなく移住のニーズの掘り起こしに力を入れていて、
「熱海時間」というPRサイトがあります。
客観的には、東京からのアクセスのよさ、温泉の泉量の豊富さ(旅館数が減ったため、余裕があるらしい)、冬の温暖な気候など移住者を呼び込むポテンシャルはあると思います。
一方で、山が海岸ギリギリまでせまっているので急坂が多くいのが一番のネックになりそうです。
自分で車を運転できる人か、逆に自力では出歩かない高齢者に限定されるように思います。
坂が多いということは当然平地が少ないので、周辺の伊東や真鶴と比べてロードサイド店舗の集積がない(街中にマックスバリュとグルメシティはあるが駐車場は狭い)というデメリットにもつながります。
そして、海岸沿いの国道に交通が集中するので渋滞が大変なときがありそうです。
僕も一瞬新幹線通勤を考えたのですが、上のような理由で断念しました。
別荘は資金力もないので論外w
ただ、坂が多いということは、こういう魅力的な景色を楽しめることでもあります。
週末に気分転換に訪れたくなるような旅館・ホテルができれば、足を運ぶ機会も増えると思うのですが。