副題の「ウェブ時代のセルフブランディング術」は内容を必要十分に表現しているものの、古典的サラリーマンで情報弱者の典型である僕には猫に小判、豚に真珠。
ただ、問題はいつまでも猫や豚でいていいのか、または猫や豚でいられるのか、というところなんだよな、とか考えながら読んだ本。
というのはこの本はネットで話題になり最近はメディアにも取り上げられている
たぬきちの「リストラなう」日記を、同年代のたぬきちさんの身と自分を重ねたり比較したり(抑制の利き方と思いの伝えるバランスがとてもいいしこういう文章はなかなか書けないんだよなぁとか)しながらブログを読んでいたなかで紹介されていたから。
webの発達によって「会社の名前で仕事をする」からエキスパートの集合体としてのワークスタイルへの変化が進む中で、ネットを利用してセルフ・ブランディング=自分の価値を広めることで仕事をしようという提案とそのためのツールや心得を、著者の佐々木俊尚氏が自らの経験や取材をベースにわかりやすく書いています。
とりあえずのところ僕はまだ猫か豚でいられるようなので、こんな垂れ流しのようなブログを匿名で書いているのですが、じゃあフリーで生きなければならなくなったときに自分の仕事にどうつながるか、というのはあまり考えたことはありませんでした。
本書でも取り上げられているエゴサーチ(=自分がネットでどのように取り上げられているかを検索する)を自分の実名でしてみると、ヒットするのは6件、しかも同じサイトの重複と「姓名判断」を除くと実質4件という有様です。それも参加している会合の名簿とか(笑)
まあ、同姓同名で変なことをやってる人がいないのが救いですが・・・
こんな状態のうえに個人的には特別な専門性もなく、Twitterをはじめたもののろくにつぶやきもアクセスもせずという状態なのでセルフブランディングどころではないのですが、世の中にそういう流れがあって、ますますいろんな便利なツールが出来てくるということを知ったことは意味がありました。
そんなことでいいのか?いざとなってからでは遅いのでは、という考えも頭をよぎるのですが、経験からいうと、将来の「いざ」は事前に内容はわからないし、事前の備えは往々にして頭でっかちになりがちなので、それに頼り切る=危機をもたらした思考回路、前提条件にこだわることはかえって傷を深くする原因にもなりかねません。
結局は直前の危機感知能力と状況を客観的に評価する冷静さと活路を見出す適応力が重要で、それを発揮するためにどこまで緩やかで応用の利く環境を整えることが大事なんだと思います。
まず何から手をつけようか、と考えるきっかけになっただけでも意味があるかと思います。
結局サボってしまうかもしれないけど(汗)