AIと縁遠い生活をしているので、昨年話題になった(らしい)本書を今頃読んだ。
前半のAIの現状をさらっと説明しているところと、後半のベーシックインカム(BI)の政策としての有用性のところは理解できたが、間をつなぐ経済学のところがしっくりこなかった。
AIの進化の究極系はあらゆる産業で労働力が不必要となる「純粋機械化経済」であり、そこでは労働力が必要とされなくなるのでほとんどの人間が失業する。一方で「純粋機械化経済」では限界生産力が逓減しないので潜在成長率は上昇を続ける。
著者はそこには需要による制約があると主張し、さらに所得がない労働者は生活ができないのでBIが必要、というところから、現在の制度を前提としたBIのメリットの説明にはいってしまう。
自分が期待していたのは、もし労働力が不要となり、資本=設備だけで生産が完結できるようになったときに、国家と企業と国民のありかた(特に税体系と企業・資本のインセンティブの関係)がどうなるのか、国家間の競争力を左右する要因は何か(たとえば天然資源?)という大きなデザインだったのだが、そこは期待外れだった。
なのでAIとBIの間の経済学の議論が個別の当てはめになっていて、しっくりこなかったのだろう。
まあ、そんなことが新書1冊で簡単に解説できるわけもないか。
前半のAIの現状をさらっと説明しているところと、後半のベーシックインカム(BI)の政策としての有用性のところは理解できたが、間をつなぐ経済学のところがしっくりこなかった。
AIの進化の究極系はあらゆる産業で労働力が不必要となる「純粋機械化経済」であり、そこでは労働力が必要とされなくなるのでほとんどの人間が失業する。一方で「純粋機械化経済」では限界生産力が逓減しないので潜在成長率は上昇を続ける。
著者はそこには需要による制約があると主張し、さらに所得がない労働者は生活ができないのでBIが必要、というところから、現在の制度を前提としたBIのメリットの説明にはいってしまう。
自分が期待していたのは、もし労働力が不要となり、資本=設備だけで生産が完結できるようになったときに、国家と企業と国民のありかた(特に税体系と企業・資本のインセンティブの関係)がどうなるのか、国家間の競争力を左右する要因は何か(たとえば天然資源?)という大きなデザインだったのだが、そこは期待外れだった。
なのでAIとBIの間の経済学の議論が個別の当てはめになっていて、しっくりこなかったのだろう。
まあ、そんなことが新書1冊で簡単に解説できるわけもないか。