一寸の虫に五寸釘

だから一言余計なんだって・・・

『ハクソー・リッジ』

2017-07-04 | キネマ
第二次大戦中、武器を持つことを拒み、衛生兵として従軍しながら、沖縄の激戦地で75人もの兵士を救ったという実話に基づく映画。

(UAの機内で字幕なしで観たので、以下のレビューは英語力の限界から理解不足・誤解があると思います)

主人公が困難を乗り越えて最後は仲間の尊敬を得るというストーリーは感動的ではあるし、リアルな戦闘シーン・救出シーンは迫力があるが、それ以上に、キリスト教的な信仰心の徹底、とおいうところに言い知れない迫力というか怖さを感じた。


そもそも「人を殺さない」という教えや「銃を手に取らない」という自らの信念を貫く一方で「正義のために従軍する」という主人公の動機から違和感がある(それを言ってはおしまいなのだが)。

訓練中に幾多の困難に直面しても信念を曲げない主人公が、最後には妻(正統派の美人なだけに真顔で戦場へ後押しすると逆にちと怖い)と父親(第一次大戦のトラウマがあって酒浸りにもかかわらず、昔の上官経由でサポートする)まで味方につけて巻き込んでいくあたりも、「絶対善」「絶対悪」という概念を今ひとつ理解できない(典型的な日本人?の)自分には今一つしっくりこない。

そして、クライマックスの沖縄戦。
沖縄戦・日本兵の描き方云々の前に、主人公が"One more, one more..."(あと一人(救える)、あと一人・・・)とうわごとのようにつぶやきながら仲間を救出しつづけるさまは鬼気迫るものがあるが、それを後押ししているのが宗教上の信念・使命感であるところを思うと、それが違う方向を向いた時(または相互に対立した時)を考えて、うすら寒い思いがした。






映画『ハクソー・リッジ』予告編




Hacksaw Ridge (2016) Official Trailer – “Believe” - Andrew Garfield
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